奥田学「でかバス絶対釣るための」タックルの選び方&考え方【2022シマノ最新タックルまとめ】



「備えよ常に」たった5mmの記録更新ならまだしも、姿が見えた瞬間カラダがすくむ大きさのバスだったら……。自己記録を超える個体と対峙したとき、自分の経験を超えた激しい抵抗が待っている。その限界を超えるための「道具」……限界に挑み続ける奥田学さんが備える「相棒」に焦点を当ててみた。

マンメイドストラクチャーを前に、非情な突っ込みを見せる55アップ。ティップはその進行方向に追従するも、スパイラルXコアを搭載したバットは微動だにせず。いつの間にか、バスはその巨躯を浮かせてしまうのだった。

【Profile】

奥田学(おくだ・まなぶ)

黎明期より琵琶湖ガイドで名を馳せ、トロフィーハンターとして名を馳せる。一方、岸釣りでも非凡な釣りを見せ『陸王』の栄冠も手中にしている。陸王スピンとして名高い番手274Mは、2022年にさらに昇華されたようだ。

「とにかく掛けたヤツを獲れないと、絶対に自己記録は更新されない」

記録を超えた先にいるモンスターを、いかに仕留めるか

奥田学さんは数十年前から琵琶湖の釣りを掘り下げ、世界記録級のバスを追いかけてきた。だが、入念に釣りを練り上げても、モンスター級のバスの人知を超えた行動に翻弄されてきたという。

奥田「さんざんトロフィーフィッシュを逃してきたから、道具の大切さが身に染みて分かっている」

ワールドレコードも視野に入れる奥田さんの道具は、僕らにとって分不相応ではない。未知のサイズを相手取るというのは、あらゆる人にとって同じだからだ。

奥田「でかバスが獲れるタックルというのは、特殊な人だけが使う道具じゃない。たとえば海で、漁師のように大きなサカナを手釣りしてみると、本当によく分かる。ロッドやリールが手の延長だってことを。その延長は、誰にとっても融通の利く『分身』のようなものでなくてはならない」

実際、一般のユーザーから奥田プロデュースのロッドの感想をもらうとき「とにかくサカナが浮いてきてくれる」という意見が多いという。

奥田「くそデカいヤツにラインを切られた、口切れしてバレた。それを克服しない限り先へ進めない。とにかく掛けたヤツを獲れないと、絶対に自己記録は更新されない。キャスト性能や操作性も当然高次元で、獲れる道具。それが僕の作るタックル」

初見でラスボスに勝つためには、それなりの準備が必要だ。ゲームでは経験値を積めるが、現実の釣りだと他魚種を釣るくらいしか腕を磨く状況はないだろう。

ならば、信頼のおけるタックルは、記録更新のための大きな一助となるはずだ。何せ、今まで釣ったことのないサイズだけが、己の記録を更新してくれるのだから。

2022バンタムレボリューション!

往年のシマノの代名詞的ブランドが、2016年に最新のテクノロジーとアングルを持って再始動。その結晶は、ロッド、リール、ルアー……と多岐に渡る。奥田さんは往年のユーザーであり、2016年からのスターティングスタッフでもある。そして2022年、新たな技術革新と共にロッドとリールがリリースされる!

スパイラルXコア

ハードコアなソルトゲームや奥田さんのジャイアントベイト限定モデルなどに採用されていたスパイラルXコア。カーボンテープを強靱に巻き上げ強度を向上する技術スパイラルXを、さらに高強度樹脂を使用しハイエンドなタフネスを実現。一般的なシマノロッドと比べ、ネジリ強度が1.4倍、つぶれ強度が2.5倍に到達した。

バンタム274 M+

スパイラルXコアを得て、名竿は「M+」にメガ進化!

全長アクション継数適合ウエイト適合ライン価格
7ft4inミディアム+アクション25~21g5~10lb(フロロ)/MAX1.5号(PEライン)51,700円(税込)

奥田「スパイラルXコアでファイトでのリフティング能力が段違いにアップ。もちろん、誰でも簡単に繊細なシェイクができるエキサイトトップを始め、274Mの特徴は完全継承。春は、i字系とジグヘッドスイミング、高比重ワームのボトム攻略が欠かせない。季候が不安定でレンジが定まらないので、その3つの釣りが必須科目になってくるが、274M+はその全てにベストマッチ」

歴代の274Mが確立してきたロングシューティングは、このモデルでさらにブースト。オカッパリ派には朗報となる、陸王スピン完全リニューアルだ。

ロケでは57cmを筆頭に56cm×2尾という釣果を1時間程度で叩き出した奥田さん。そのサカナは全てバンタム274M+&ステラC3000XGのセッティングで獲ったものだ。

奥田「バスの活性が激変しても、デッドスローからジャークまでなんでもござれな274M+なら完全対応できる」

バンタム 163ML-2

命名! 『パワーベイトフィネス』。そのポテンシャルは無限大

全長アクション継数適合ウエイト適合ライン価格
6ft3inミディアムライトアクション2(ワン&ハーフ)5~15g7~14lb(フロロ)/MAX2号(PEライン)44,000円(税込)

初期段階からベイトフィネスを提唱してきた奥田さんの、最新型が『パワーベイトフィネス』だ。

奥田「これこそフィッシングショーなどで触って欲しかったロッド。めちゃくちゃソフトティップで、フィネスリグを軽快に扱える一方、バットは強烈。ロクマルとガチのパワー勝負できるもの。その極端な個性を、破断させずきれいなテーパーに仕上げられるのは最新技術のおかげ。誰でも簡単に繊細な誘いを入れられつつ、不意な大物に耐えきるタフネス。春なら定番のダウンショットや、ラバージグに好適。浮かせたり吊るしたり、スイミングといった操作が驚くほどやりやすい」

奥田「ティップを恐ろしくソフトに仕上げたので、細やかなアクションや食わせに特化。春はバスがルアーをめっちゃ見て判断するので、この精密なティップが不可欠。1号のPEラインやフロロ16lbを合わせることが多い。ちなみに、ライトな巻きモノも激ハマりします」

バンタム 168XH-SB/2

多様化するビッグベイト/ジャイアントベイトゲームに寄り添う1本

全長アクション継数適合ウエイト適合ライン価格
6ft8inエクストラヘビーアクション2(ワン&ハーフ)MAX150g14~30lb(フロロ)/MAX6号(PEライン)50,600円(税込)

奥田「琵琶湖のようなロングキャストゲームはもちろん、キャスト精度が問われるカバーや岸撃ちを極めたショートレングスのビッグベイトロッド。グリップレングスも短めで、テクニカルなキャストやジャーキングがやりやすい。春はビッグベイト、というのは現在でも有効で、新しいエリアに入りたてのバス、中でも大きな個体はデカいルアーが効く。ただし障害物にタイトだったり、一瞬の誘いが必要だったりする。そんな状況も臨機応変にビッグベイトで誘って掛けていけるのがバンタム168XH-SB/2だね」

障害物右側ギリギリに1投で決めたい…そんなアキュラシーが必須になるビッグベイトゲームにぴったりな、ややショートレングス。誘いも自由自在だ。「最近主流となってきたリーリングジャークでのエスケープアクションも、長すぎるロッドだとやりづらい。いろんな状況にアジャストできるのがコイツの強みだね」



バンタム 1711MH + -SB/2

奥田印のビッグベイトモデルが、究極の重量級汎用武具に

全長アクション継数適合ウエイト適合ライン価格
6ft8inエクストラヘビーアクション2(ワン&ハーフ)MAX150g14~30lb(フロロ)/MAX6号(PEライン)50,600円(税込)

人気ビッグベイト機種として代々高評価を受けてきた奥田さんの1711シリーズ。

奥田「今回の新機種で大きな変化とえば、ソフトティップ化。ノリの良さ…だけでは収まらず、ルアーの挙動が手に取るように分かるようになったし、キャストの抜けが恐ろしくいいので飛距離もアップ。ルアーの振動がビビッドに分かるので、障害物も意図した通りに抜けさせられるし、ファーストムービング系のめちゃくちゃ得意になった。そうなると、レンジやスピードのコントロールが段違いにやりやすくなるんだよね。ロッド全体がスパイラルXコアでタフな仕上がり。アラバマ系を溜めて投げたり、ロングディスタンスで即掛けなどもしやすい」

奥田「ビッグベイトロッドを極めていったら、巻きモノもリグ系もできる何でもロッドになった(笑)。長さを活かしてヘビキャロは投げやすいし、誘う釣りもティップが仕事してくれるからフリーリグもゼヒ試して欲しい」

スピニングリールが、自分の釣りを底上げする時代

湖流と風、そしてうねりがルアーの操作を妨げる。アプローチはスピニングタックルでのジグヘッドスイミング。その繊細なシェイクとレンジコントロールは、エキスパート、奥田さんだからこそなしえる領域なのか……。

奥田「……これは、かなりリールに助けてもらってる状況。釣りが上手くなるリールだね」

バンタム274M +とステラのセッティング。鳴り物入りでフルリニューアルされたステラとはいえ、釣りが上手くなる、とは?

奥田「単純に、釣りの精度がリールのおかげで上がった。これは、22ステラの『密巻き』と『ギア』のふたつがもたらしてくれたもの。ルアーが受ける水の抵抗を、より精緻に感じられるようになった」

密巻きとは、新機構インフィニティループの現象。スプールに対して高密度でラインを巻き上げることによって、ラインの放出抵抗を抑えスムーズなキャストフィールを目指したもの。

ギアは、歯車同士の設置面積を増やしたインフィニティクロスという、こちらも新機構。その恩恵でギアの耐久性は倍になったという。だがそれらが何故、釣りの上手さに繋がるのか。

奥田「インフィニティドライブも絡んでいるんだけど、それらの組み合わせによって、リーリングの感度がずっと一定になった。ローターやハンドルのポジションによって、巻きの入力が抜けたりしていたけど、このステラにはそれがない。常に一定。だから、ルアーが水を受ける抵抗が感じやすくなった。抵抗がほぼないi字系も、ねっとり引けるというか……」

奥田「それは、どういうことか。ルアーの抵抗を感じやすくなったということは、その巻きの感覚に応じて、レンジコントロールやスピードのコントロールがつけやすくなるということ。それは、抵抗が感じにくいシェイクの釣りなんかだと、圧倒的なアドバンテージになる。ボトコンをしていて、モノに当たったから最小限の動きでかわして……という細かい動き全てがやりやすくなった。つまり、釣れるリールになった。キャストやファイトだけでなく、スピニングリールが『ルアー操作』を強く手助けしてくれる。22ステラに関しては、釣りが上手くなるリールだというのが率直な感想かな」

奥田さんが釣り上げた55アップは3尾とも理想の位置でフッキングしていた。ライトリグで精密な誘いができたからこそ、狡猾なでかバスがためらいなく食ってきたのだ。その食わせに、リールが大きく貢献していると奥田さんは力説した。

ステラC3000XG

輝きは増すばかり……フラッグシップは、さらなる高みへ

重量ギア比最大ドラグ力最大巻取長糸巻量ベアリング数価格
210g6.49kg94cmフロロ2.5号160m/PEライン2号200m12/196,360円(税込)

奥田「性能の違いが実感できるスピニングリールというのも、ステラが持つすごみ。まずキャストで実感するのは、圧倒的な抜けの良さ。従来だと風や巻き取りの不具合なんかで、ガイドへラインが不用意に当たって減速することがあったけど、もう皆無。あとはインフィニティクロスによる剛性の向上。インフィニティドライブによる巻きごこちへの恩恵。より緻密に、シルキーに……というのが巻き始めから体感できる」

ライントラブル防止の新スペック・アンチツイストフィンなど、初搭載の機構全部盛りの22ステラ。フラッグシップたる仕上がりは、まさに頂点といえる。

奥田「ローターがどの位置にあろうが、ずっと一定で巻き続けられる。しかも精度はぶっちぎり」
奥田さん得意のボトコン、ボトムコンタクトロールは、いわばボトムすれすれのミドスト。その繊細なレンジワークとスピードコントロールのキモを、ステラが担ってくれる。

バンタムXG

奥田学がうなった……超ロングキャスト性能!

重量ギア比最大ドラグ力最大巻取長糸巻量ベアリング数価格
225g8.15kg89cmナイロン16lb100m8/145,045円(税込)

奥田「これは従来のバンタムリールに比べ、めちゃくちゃ飛ぶようになった。19アンタレスなどに採用されていたMGLスプールIIIのおかげだね。ブレーキロックも6個に増えたので、細かい設定も可能になった。あとはなんと言っても巻き心地。インフィニティドライブが搭載され、スー……っというシルキーな巻き感が得られ、高抵抗なルアーも巻ききれるように。フロロ16lb前後を想定した、巻いていく釣りにはベストな選択肢かな。バンタム1711MH+-SB/2とベストマッチ」

カルカッタコンクエスト200XG

奥田「今回バンタム168XH-SB/2に合わせたのが、2022年に追加機種となったXG。スローリトリーブ主体や、高速ただ巻き系のビッグベイトゲームにマッチング。高負荷が掛かる釣りにはローギアがいいね。ギアは釣りに応じて使い分けると、ガラっと世界が変わるよ」

奥田さんはベイトリールのハンドルを、シマノ・夢屋ウルトラストロングハンドルに換装。

奥田「リーリングジャークとか、瞬間的に高い負荷を掛けるような場面でノブから指を離しがち。このノブだとしっかり掴めて人的トラブルを減らせる。身体への負担も減るのでオススメ」

トルキーに巻ける48mm長と、パワフルな巻き取りが可能な55mmの2つがラインナップされている。

『ルアーマガジン』2022年11月号 発売情報

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『ルアーマガジン』2022年11月号

今回の表紙は「る○ぶ」をイメージしています。って、言わなくてもわかりますかね(笑)。旅をテーマに特集を考えていたときに真っ先に浮かんだイメージがコレでした。楽しそうでいいですよね~。実際、内容のほうも非常にバラエティ豊かなものになっています! ガチで使えるハウツーはもちろん、冒険心をくすぐる実釣企画、たくさんのお役立ち情報…。「る○ぶ」のように皆さまを楽しい旅へと導きますよ!

  • 発売日:2022年9月21日
  • 定価:990円(税込)
ルアマガプラス