まずは1勝! 遠賀川JBトップ50第1戦を振り返る【藤田京弥 最高峰への道 Part.1】



JBトップ50とバスマスターオープンへの参戦を表明した藤田さんの戦いぶりをお届けするのがこの企画。2022年の幕開けとなるJBトップ50遠賀川戦では、さっそく見事優勝を勝ち取った。試合の翌日に渡米して、バスマスターノーザンオープンの開催地へ移動する彼に、遠賀川戦について振り返ってもらった。

藤田京弥さんのプロフィール

【Profile】

藤田京弥(ふじた・きょうや)

昨年はJB戦で10勝の偉業と共に、最高峰トップ50をはじめ3つのシリーズ戦で年間優勝を獲得。もはや国内に敵なしの天才アングラーは2022年、国内と世界の「二刀流」での頂点へと挑む。1996年4月2日生まれの26歳、埼玉県出身・山梨県在住。

JBトップ50開幕の遠賀川戦で優勝!! 最高のスタートダッシュを切った2022年

JBトップ50 遠賀川【DAY1 5本 7,050g】

――優勝おめでとうございます! まずはプラクティスを振り返ってもらえればと思います。いつも1週間ほどプラをすると聞きましたが……。

藤田「去年の遠賀川戦と時期が一緒だったのもあって、今回は直前の2日間だけプラをやりました。プラの初日は去年よかったところを回ったけどバイトが全然なくて、季節が進んでなさそうだと。水温は14~15℃でした。去年は18~19℃あって、スポーニングに入ってました。プラ2日目はすごく寒い雨だったんですよ。だけど大潮がらみで魚が動いたせいか、上流域でバイトがめちゃくちゃありました。下流もめぼしいところでバイトがあって、よほどミスしなきゃ5本は釣れるなと。プラ初日の最初に1本だけ釣ったけど、その後はフックをつけずにやって、明らかにデカそうなズッシリとしたバイトが上流は多かったです」

――ルアーは何ですか?

藤田「ネコリグです。フックをつけずに収縮チューブにラインを結んで撃ってると、半分ぐらいは釣れちゃうんじゃないかと思うぐらいグイグイとワームを持っていきました。初日はフライトもよかったので、朝イチから上流に行きました。魚探にマークしたところを撃っていったら早い段階でプリのメスみたいなのが4本釣れました。でも、その後に1kgぐらいのをバラして流れが悪くなった」

これまで手にした多数の栄光。アメリカでも勝ち星を増やしていくに違いない。

――ほかの選手はどうでしたか?

藤田「朝はほかの選手も上流部で釣れてましたが、ほとんどのバスが午前中に釣られたみたいで自分もバイトがなくなりました。でも、障害物に投げたら2,600gぐらいのがきてラッキーでした。その後1,200gぐらいのを釣って入れ替えて、午後1時半ぐらいで下流域を見にいきました。下流はあまりにも荒れていたんで、600gぐらいのを中流で釣って終わりました」

――5本で7kg超え。トップウエイトでした。

藤田「JBの遠賀川レコードだったと思います。でも去年の優勝ウエイトは合計9kgだったから、あと2kgは釣らなきゃなと思ってました。小野(俊郎)さんも6,600gぐらい釣ってたし、ほかの選手も結構釣れてたから緊迫感はありましたね」

JBの遠賀川レコードを塗り替えた初日。3日間トータル6kg台で優勝の試合もあったので、7kg超えはまさに圧巻。

JBトップ50 遠賀川【DAY2 4本 3,862g】

――2日目はどういう展開でしたか?

藤田「初日と同じ釣りを上流域でやって、開始1時間ほどで4本釣れました。でも2日目は朝から40艇ほど浮いてました」

今回はプラクティスから最終日まで動画クルーが同船した。その模様は後日公開予定だ。

――参加選手の9割近くがエリアの上流部というのは、すごい状況ですね。

藤田「初日に上流部で釣れていたから、人が増えたんだと思います。でも魚が減っていたのは明らかで、全然釣れてなかった。初日は朝から爆風で、上流にいた選手がスポットロックして1箇所で粘っていた人が結構いて、その周辺のピンスポットが手つかずになってたんですよ。2日目はそこを狙ったら釣れました。その後は初日に見つけた岩に移動しました。プリスポーンのメスが3本浮いていて、50cmアップ確定みたいなのもいて、初日はショートバイト1回で終わったんですよ。そいつをどうしても釣りたくてほとんどの時間を費やしたんですけど、結局2回ほどバイトしただけで釣れませんでした」

――2日目は4本ですが、暫定1位でした。気になる選手はいましたか?

藤田「2日目に佐々さんが爆発して、中流から下流で釣ってたんだと思います。ハメたらいいウエイトが出るのが分かってたから、それが怖かった。上流はバスがいなくなったし、下流も反応ないからヤバいなと」

リミットメイクに至らなかったが、2日目も暫定トップ。「見つけていた50アップがどうしても釣れなかった」とは藤田さん。

JBトップ50 遠賀川【DAY3 1本 800g】

――3日目の1本が優勝を決めました。しかもプラは2日間。さすがとしか言えません」

藤田「ありがとうございます。最終日は水温がめっちゃ下がって浮いてなくて、でも障害物ベタベタにいるだろうと思ってネコリグで丁寧に狙ったら、800gぐらいのが釣れました。優勝できたので、正直びっくりしました(笑)」

――使用したタックルについて教えてもらえますか?

藤田「DAIWAで自分用に作ってもらったプロトタイプがメインです。6ft1inのライトアクションで、スピニングでやる釣りならなんでもできる竿です。持った人が全員感動してました。今回は2.2gのネコリグも、シャッドもダウンショットもこの竿でやりました。最高すぎて、同じ竿を5本積んでそれぞれ違うルアーを使ってました。試合まではあんまり魚を釣ったことがなかったけど、今回たくさん釣って自信が持てました。何の不満もないレベルですね」

最終日は800g級をウエイイン。だがこの1本が藤田さんに優勝をもたらした。

――ほかにも開発中のロッドがあれば、教えてもらえればと思います」

藤田「今回使いたくて用意したのが7ft3inのヘビーアクションです。これはジグスト用に作ってもらったベイトロッドですが、何でもできる。素材と製法がいいのか、今まで触ったことないレベルです。遠賀でもワームを投げたりアラバマリグを投げたりスイムベイトを投げたり、何でもできました。アメリカはジグストの出番が多いと思うし、自分もジグストが好きなので楽しみにしてます」

バスマスターオープン【ノーザンオープン第1戦 参戦前】

――優勝した直後に渡米したんですよね。

藤田「試合の後が大変すぎました。船とクルマを運んでもらって、自分は飛行機で福岡から成田まで直行しました。アメリカの用意は遠賀戦の前にやってましたけど、遠賀川でもアメリカでも使いたいものがあって、試合が終わった後に準備したけど2時間ぐらいしかなくて大変すぎましたがアメリカに到着できてよかったです」

アメリカでの愛艇はスキーターFXRの21ft。次号では初参戦のバスマスターオープンについてお届けする予定だ。

――今はアメリカのどの辺を移動中ですか?

藤田「テキサス州にクルマとボート置いていて、ボートのバッテリーを入れ替えたり作業があったのでまだ数時間ほど走ったぐらいですね。前回の渡米でバスマスタークラシックを観戦した後にクルマと船の準備をしたんですが、それが1番大変でした。ようやく走り出せたのでものすごく幸せです(笑)」

――バスマスターオープンも頑張ってください!



藤田京弥2022トーナメントスケジュール

バスマスターオープン

試合日参加試合開催場所
4月14~16日ノーザンオープン第1戦ジェームズリバー(バージニア州)【10位】
4月28~30日セントラルオープン第1戦ロスバーネットレイク(ミシシッピ州)【46位】
7月7~9日ノーザンオープン第2戦レイクオネイダ(ニューヨーク州)
9月8~10日ノーザンオープン第3戦チェサピークベイ(メリーランド州)
9月22~24日セントラルオープン第2戦レッドリバー(ルイジアナ州)

JBトップ50

試合日参加試合開催場所
4月1~3日第1戦遠賀川(福岡県)【優勝!】
6月3~5日第2戦弥栄ダム(山口県)【11位】
7月22~24日第3戦北浦(茨城県・千葉県)
9月9~11日第4戦霞ヶ浦(茨城県・千葉県)※現時点では、不参加の予定

JBトップ50第1戦の密着ドキュメント「京弥のターン」は必見です!

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!