バス釣り歴数週間のビギナーも、ン十年のベテランもフィールドに立てばみ~んな平等。僕たちのココロをつかんで離さないバス釣りに関する気になること、興味はあるけどいまさら聞けないあれこれを、すべてのバス釣りアングラーの強~い味方、メジャークラフトのヒロセマンが真心込めて全力解説! そう、すべてはもっともっとバス釣りを楽しむために! それではいってみよう。
【バス釣り伝道師】
広瀬達樹(ひろせ・たつき a.k.a.ヒロセマン)
ハイコスパタックルブランド、メジャークラフトのプランナー兼プレイヤー。ルアーの釣りが大好きだ~!
いますぐ使える! 生きたバス釣り用語!
広瀬「今回は4月と言うことで、なにかを始めるにはベストシーズン。そこで、バス釣りの用語を解説したいと思います」
――なるほど。たしかにバス釣りは専門用語が多くて、ビギナーだと、なにを言っているか分からないことも多いですね。
広瀬「バス釣りか、バスフィッシングかって、そもそものところからもあいまいですよね。ロッドは竿、ラインは糸とは言うけど、リールを糸巻き機とはまず言いませんし(笑)」
――そうですね!
広瀬「ちなみに横文字が多いのは、バス釣りがアメリカから入ってきた遊びだからです」。
――じゃあバスフィッシングが正解になりますね。
広瀬「でも日本に定着して独自の文化になっているので、バス釣りでもまったく問題はないし、誰もが使ってますよね」
――やっぱりあいまいです。
広瀬「この企画はメインがオカッパリですが、『オカッパリ』って言うのは、英語でもないからさらにややこしい(笑)」
――岸釣りですか。
広瀬「そうですね。英語だと『バンクフィッシング』。でもこれ使ってる人はほとんどいませんね。なので今回は、辞書的に「あ」から並べるのではなく、実釣しながら自然に使う用語を学んで欲しいなと思います」
いばら
棘のある植物でやぶ漕ぎの大敵。素肌だとかなり痛い。
エントリー
釣りをする場所(水辺)まで移動すること。近くまで車でいけると便利だが、多くの釣り人に攻められていることも。
やぶ漕ぎ(やぶこぎ)
草むらなどを踏破すること。困難なほど釣りやすくなるとされる。
ワレ先(われさき)
水辺についてすぐ釣るのではなく、1番釣りやすい場所(過去に釣った場所など)にいち早く移動して釣ること。
フィールド
釣り場のこと。いくつかのタイプがある。今回はリザーバーだ。
リザーバー
貯水池、ダム。急深でオカッパリはしにくいので足場に注意!
オカッパリ
ボートなどには乗らず、地に足を付けて釣りをすること。手軽に楽しめる。
観察(かんさつ)
フィールドの様子を確認すること。ルアーを選ぶ基準にもなる。
生命感(せいめいかん)
水中に魚がいる反応があること。生命感がないと釣れにくいとされる。ヒロセマンは鯉を見つけたようだ。
鯉(こい)
カープ。バスが一緒に泳いでることもたまにある。釣れるとやっかい。
アプローチ
ルアーをポイントに近づけること。
キャスト
ルアーをブン投げること。ヒロセマンは遠投が得意だ。投げっぱなしでは釣れない。
ポイント
冬は沖の深い場所(ディープ)が狙い目。
フェザリング
風などにあおられてラインが流されないように指でラインを抑えること。着底するまで続けよう。スピニングリールはフェザリング、ベイトリールの場合はサミングと言う。
アクション(をつける)
ロッド操作を駆使してルアーを動かすこと。基本動かさないとバスは誘えない。あえて動かさないことを放置と言う。
IDO(あいでぃーおー)
釣り場を移動すること。実績のあるディープを実績ルアーのジグパラブレードで攻めるも釣れず。「良いのは天気だけ(釣果はさっぱりの意)」のヒロセマン用語も飛び出す。今日も口が滑らか。
見切る(みきる)
釣れないので場所を変えること。信頼するルアーでダメなら見切る理由になる。数カ所でジグパラブレードを投げたがダメだった。
シャロー
水深が浅い場所のこと。春はディープからシャローにバスが上がってくる季節なので、シャローを攻めてみることに。
食わせの釣り(くわせのつり)
ワームなど小型でバスが口にしやすいルアーで誘う釣りのこと。ライトリグ、フィネスを指すことも。「もうバスは動いているのかも」と、コンフィデンス(自信がある)ルアーのインチワッキーで挑む!
無(む)
釣れないこと。なにも反応がないこと。食わせにも反応がなかった。
リフフォ
リフト&フォールのこと。ロッドをシェイクしながら持ち上げ、上げたらフリーにして落とす。
クリアウォーター
高い透明度の水質こと。濁っていればマッディ。中間がステイン。冬はクリアなことが多い。
沈み物(しずみもの)
文字通り沈んでいる物。裏側にエビなどのエサがいることがあるので釣れる場所でもある。
ルアーチェンジ
ルアーを交換すること。再びジグパラブレードを投入するが……。
妄想フィッシュ(もうそうふぃっしゅ)
釣れないとときなど、バスが釣れたときのことをイメージして、やる気を高めること。
ジャンボ
ヒロセマン的でかバスの表現。基準はさまざまだが、ビギナーであれば40cmを超えればジャンボとはヒロセマン。ちなみにこれは去年の4月に釣ったジャンボだ。
ノーフィッシュ
釣れていないこと。1本もキャッチしていないこと。ボウズ、デコとも言う。
気分転換(きぶんてんかん)
釣りから離れてリフレッシュすること。寒いときは温かい物を食べて気分を改めよう。「次回は釣るぞー!」
いますぐ使える! 頻出バス釣り用語、後半戦だ!
広瀬「さて引き続き、オカッパリでの実践に則したバス釣り用語を解説しています。ちなみにさきほどまでは、リザーバーで越冬バスが潜んでいそうなディープの実績スポットを、冬の定番ルアー、メタルバイブのお約束メソッド、リフフォで誘いましたが、季節のハザマで活性が低いのか無念のノーフィッシュ。リ・エントリーのタイミングを計るべく、一端見切って気分転換に昼食を食べ、午後からはため池にIDOしてみたいと思っています。いばらのスタート。そんな気分はまさにぴえん」
――最後のはバス釣り用語ではないですが、釣り中はこんな発言がでるので、内容を理解できるようになってほしいと。
広瀬「そうですね。でも無理して専門用語を使うことはないし、分からなければ聞けばいいと思います。釣りは釣ってナンボなんで。というわけで、今回まだ釣ってないので、ボウズ回避! 全力でやってみます!」
昼食後はため池へ!
ため池
農業用などに水をためている管理された池。極小のリザーバーとも言える。
減水
ためた水が減った状態。密度が高くなるので釣りやすいとされている。
堰堤(えんてい)
水をせき止める護岸された盛り土。取水施設があり深い。
斜め護岸
水を押さえる斜め状のコンクリの構造物。垂直なら垂直護岸。
ディスタンス
バスに気付かれないように水辺から離れる距離。
オーバーハング
岸沿いの植物がせり出して水面を覆っている状態。
スポット撃ち
オーバーハングの下や角など、テンポよくバスが居そうな場所だけを狙うこと。
パッド
水生植物の1種、リリーパッド。繁茂する夏は日差し避ける隠れ場所になる。枯れているので枯れパッド。
リ・エントリー
1度入ったポイントやフィールドに同じ日のうちに入り直すこと。リザーバーで午後のチャンスをうかがうも!?
ライバル
ほかの釣り人のこと。先にいると「先行者」。ヒロセマンにとっては苦手な存在だ。
マズメ
状況の変化で活性があがるタイミングのこと。ちなみに「朝マズメ」は朝の高活性の時間帯のこと。「朝イチ」と同義語。寒くても頑張るつもりだったが、あまりに反応がなく折れる。
ボウズ
1匹も釣れないこと。ノーフィッシュとも。バイト(反応)もなければノーバイトノーフィッシュと言う。
ローライト
陽射しがなく暗い状態のこと。魚は動き回るとされているが、冬のローライトは寒さが続くマイナス面も。
釣果もなきゃ! と、泣きの再撮!
広瀬「あー釣れませんでした! リアルにボウズ、ノーフィッシュ。ちなみに関東ではデコる」
――妄想ではなく、魚持ちの写真は欲しいので、再撮ですね。
広瀬「再び撮影する、つまり追加のロケですね。釣るまでやらないダメなヤツですか」
――ヒロセマン的にはレアですが、冬や季節のハザマなどの難しい時期にはあるあるです。
広瀬「タイミングをズラしただけでワンキャストワンヒット! って、これがバス釣りの不思議かつ面白いところですね!」
ファイト
ルアーに食いついた魚とのやりとり。ただの綱引きではなく、タックルと身体全体を使ってのリアルな闘いだ。
連発
連続して釣れること。1投するごとに連発すると、ワンキャストワンヒットを呼ぶ。
リベンジ!
悔しい思いを晴らすこと。バス釣りの場合は同じフィールドに日を改めて再び挑むことをさすことが多い。
横持ち
写真を撮るときにバスを横にして持つこと。大型のバスの場合に多く見られる。
縦持ち
バスを縦に持つこと。
たまり場
バスが溜まっている場所。冬や夏などに多い。
バス釣りの不思議
広瀬「前回は同じスポットを攻めてもスーンとしてたのに今回はすーぐ食う。でもこれがバス釣りなんだな」
抜き上げ
ロッドの弾力を使ってバスを釣り上げること。無理はしないように!
金太郎飴状態
何尾釣っても似たサイズが釣れるのこと。カメラマン泣かせだ。
皮イチ
ショートバイト(食いが浅いこと)など、皮1枚でフッキングしている状態。とてもバレやすい。あぶなかった……。
ハンドランディング
水面に寄せたバスの口をつかんで釣りあげる方法。ある程度の慣れとコツが必要。サイズがかわいい。釣れたらやっぱり嬉しいですよね。嬉しそうで何よりです。
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
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