日本在来種テッポウウオ釣りに挑戦! 原生ジャングル西表島遠征【みんなの釣りレポート】



テッポウウオという名前を聞いたことがある方はけっこういるんじゃないかと思いますが、それがどんな姿のどんな魚かまで知っている! となるとなかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。そもそも日本にいるんだ? というくらい馴染みの薄い魚のひとつではないかと思いますが……いるんです。沖縄の西の果て、原生の自然が広がるマングローブの奥地に。関東を中心にYouTubeなどで活躍している釣りグループ「リライト調査隊」メンバー、吉田光輝さん、カツさん、高橋さんの3人が西表島のテッポウウオ釣りにチャレンジしてきたということで報告です。

【Profile】

reLight調査隊(りらいとちょうさたい)

ロブルアーハゼクラテスターをやりながらオールマイティに釣りを楽しむボス吉田光輝を筆頭に、酔っ払い釣り初心者担当カツ、真面目な釣りバカ担当高橋、若さ担当ひろぽん、の4人組。釣りの楽しさを伝えるべく淡水、海水問わずルアーフィッシングを中心に活動。ハゼ~GT・サメまでやろうとしている生粋の釣りバカYouTuber。

ちなみに吉田さんはハゼクラの数少ない公式釣り大会「Hz-1グランプリ」で、和やかな雰囲気の中で黙々と大型ハゼを狙い撃ちして大人気なく優勝をもぎ取っていく釣技の持ち主。

テッポウウオとは?

テッポウウオは、東南アジアとその周辺の熱帯域に生息している体調15cm~30cm程の魚です。極めて風変わりな特徴として、水鉄砲のように口から水を噴射して木の枝にいる昆虫などを撃ち落として捕食しているため、この名がついたようです。

汽水域の塩性湿地に植物が繁茂したマングローブ林地域に多く生息している魚で、水族館などでも人気が高い魚ですが、そんなテッポウウオが日本の在来種で西表島にも生息しているのです。しかも現地ガイドによると、西表島のテッポウウオは世界でも大型の部類に入り、最大40cmにもなるとか……。今回はそんなテッポウウオを狙って釣るという計画です。

狙いはこのようなマングローブ林。西表島は日本では貴重な原生マングローブ環境が広がっています。ちなみにマングローブとは河口汽水域に生える植物の総称で、マングローブという名の木ではありません。

日本の怪魚テッポウウオ釣るぞ計画

リライト調査隊ボス吉田は、数年前からテッポウウオを本命としたマングローブ釣行を計画していました。が、なにせ南の島! 天候に恵まれず過去2回中止になるという不運が続いていました。今回は3度目の正直での釣行。しかも、リライト調査隊メンバーの2人、カツと高橋も同行していたので今回は! と意気込んでの挑戦となります。

しかし、前日の天気予報では雷注意報もある土砂降り予報……。西表島ガイドと連絡を何度も取り、天候が悪化するようであれば中止、もちそうであれば西表島に渡ってから考える方向で話がまとまっていました。

そして当日、西表島にフェリーで到着すると!? 奇跡の晴れ! 南の島の天気予報はあてにならないとよく言われますがこういうところもこの釣りの難しいところでしょうか。

釣行当日は奇跡のような晴れ。千載一遇の好機。

テッポウウオの狙い方

狙い方は基本的にマングローブ林の根際や枝の下、水に沈んだ倒木や岩の際ギリギリにルアーをキャストしていきます。水深0cm~30cm程の場合は虫系ルアーなどのトップ系。水深1m前後を攻める場合は、少し潜ってくれるシャッドミノーやハゼクランクのようなクランク系、スプーンがおすすめです!

河の流れでボートが少しずつ動いていたり、風の影響もあるので、キャスト精度が求められてきます。活性が高い場合は、投げて巻くだけで魚は釣れるそうですが活性が低い場合はピンポイントキャストが鍵となってきます。

西表島のマングローブ林は岸から攻略できません!

テッポウウオはマングローブ林が広がる浅場に生息する魚。しかし西表島のマングローブは密度の濃い原生林になるため岸からのアプローチができません。このため、カヤックかボートのような小振りな船を使って狙うことになります。

今回は船外機付きボートガイド船へ釣行サポートを依頼。しかしボートにはガイドさん以外に2人しか乗船できないということで、「モイ」と「タウラス」の2社にガイドを依頼して2人と1人で別れて乗船する形にしました。

フェリー乗り場まで迎えに来てもらえるので、ガイドさんの車に乗り込み出港する小さな港まで向かいます。ガイドさん同士とても仲良しなので和気あいあいと準備ができます。

それでは出発!

いざ出港! マングローブフィッシング!

海側から川を遡上して釣り場に向かいます。艇を進めていくとすぐに人工物は一切見当たらない西表島ならではの大自然がどーんと広がります。岸際は人が入る隙間もない密度で絡みあうマングローブ林、石灰岩の尖った岩が水面から顔をのぞかせるいかめしい原生風景がどこまでも続き、とても日本とは思えない大迫力で、釣りをする前から心奪われてしまいます……。

島の90%を覆う原生のマングローブ林。日本のマングローブ林の1/4が西表島に存在しています。

前日の雨の影響で活性が低い、そんなときは

テッポウウオがいるという釣り場に到着、さっそくルアーを投げていきますが……前日の雨で淡水が多く入り活性が低くトップ系ルアーへの反応が悪い状況。こんなときは、少し潜ってくれるハゼクランクが有効です。

ルアーのお腹側(ベリー)にオモリシールを貼ってオモリチューンを施したクランクベイト(バービーR)をキャストしていたボス吉田に1尾目がヒット!

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ついに来た! テッポウウオ!

川を遡っていくと、Vの字にマングローブの根っこが生えていていかにも魚が潜んでいそうな場所を発見。水深もかなり浅く見えたので虫系トップルアーのこぶん(バスデイ)をキャスト!

モアンと波紋が出た後にギュンという強烈な引きでヒット! 水が濁っていて魚が見えません。ガイドさんが「テッポウウオじゃね?」とひとこと。

魚を掛けた吉田は姿が見えた瞬間「テッポウウオだ! 頼む! バレるな! 頼む!」連呼。口が堅い魚でバレやすいのが分かっていたから冷や汗ものです。

タモ入れ成功!「やったぁぁぁぁ!」と大歓喜! ガイドさんも「デカっ! 久しぶりにいいサイズ! 今季初のテッポウウオですよ!」と。尚更嬉しい1尾に出会えて燃え尽きそうでした。

テッポウウオは35cmの良型!

最大サイズに近い良型テッポウウオ!

ガイドさんの話によると、年々釣るのが難しくなってきているテッポウウオ。狙う人も増えてきたのでスレている可能性もあるそうです。その中での良型は嬉しすぎました。

口は水を吐き出しやすいように尖っていて、体高があり、ヒレは太くて鋭く、ウロコは鎧のように硬く、まるで日本の魚感がありません。これがテッポウウオか! と感動が止まりませんでした。

すばやくリリースして帰っていただきました。


西表島でもハゼクラは通用します!

目標が達成できたので、ハゼクラでどこまで釣れるのか試してみることに。するとトップ系ルアーでは追ってくるだけでヒットまで持ち込めなかったナンヨウチヌがハゼクラで連発ヒット。着水した瞬間3~5尾程が振り向くのが見える反応の良さです。

バービーRの2022限定カラー、「リライトハゼ極」と「エビチリ極」両方(6月末発売予定)で連続キャッチ! 石垣島のホシマダラハゼも含め、マハゼより先に2022限定カラー3色テスト成功です(笑)。

ハゼクランクに興味津々だったナンヨウチヌ。

河口に行くにつれて魚種が変わってくる

海水濃度が強い河口付近になるとトップ系ルアーのオットット(ロブルアー)やサラペン(サラルアー)のドッグウォークで水面が割れてヒット!

良型のナンヨウチヌやメッキ(小型ロウニンアジ)、コトヒキやマングローブジャック、バラクーダなどに魚が変わってきます。ルアーのピックアップまで油断ができず、引きも強い魚が多いのでライトゲームを存分に楽しめます。

小型のロウニンアジ。
西表島でも釣れるコトヒキ。

一方、リライト調査隊メンバー、カツ、高橋は?

釣り初心者のカツはヒットするのにバラシの連続で心が折れた戦士になっていた模様(笑)。高橋は、目的の魚であったマングローブジャックを見事キャッチ! その他にバラクーダ、ホシマダラハゼをキャッチしていました。

高橋さんに見慣れない魚マングローブジャック(ゴマフエダイ)。
バラクーダ(オニカマス)がヒット。
西表島でも「ホシマダラハゼ」!

初めてのマングローブフィッシングを終えて

初挑戦のマングローブフィッシングでしたが、ライトゲームを存分に楽しめることはもちろん、釣れても釣れなくても西表島の大自然の中で竿を振る楽しさは想像を遥かに超えた体験でした。1度でも経験してしまうと、また挑戦したくなる強烈な魅力を秘めた釣りといえます。

また、ガイドさん達は現地の釣りに詳しく、気さくで話しやすくて色々なことを教えてくれます。釣りにチャレンジする場合はぜひ利用をおすすめします。

お世話になったガイドさんたち。

西表島で釣りをする際はレインウェアーは必須です

南の島だけあって、晴れていても突然バケツの水をひっくり返したようなスコールが降ります。マングローブ林の枝の間に逃げて少しはやり過ごすこともできますが、スコールはすぐ晴れても何度も降る場合があるので、レインウェアーをすぐ着られる状態にしておかないとびしょ濡れになります。常にレインウェアーは必須といえるでしょう。

今回の釣りレポート

項目釣りの情報
釣り物マングローブフィッシング(ライトゲーム)
狙った魚テッポウウオ
釣った場所西表島、仲間川のマングローブ林
釣行日時2022年5月12日(木)10:00~17:00
釣行費用タウラス(16,500円/2人乗船)、モイ(22,000円/1人乗船)
釣れた魚テッポウウオ:35cm×1尾
セッパリサギ(セダカクロサギ):40cm×1尾
メッキ(ロウニンアジ):25~35cm×2尾
バラクーダ(オニカマス):50cm
ホシマダラハゼ:25cm×3尾
マングローブジャック(ゴマフエダイ):25~35cm×2尾
コトヒキ:25cm×1尾
使用タックルロッドエキセントリック AR-2632M(ロブルアー)
ルアーバービーR(ロブルアー)、オットット(ロブルアー)、こぶん(バスデイ)、サラペン45R(サラルアー)
ライン:PE0.6号
リーダー:フロロカーボン1.7号

今回の釣り攻略情報

  • マングローブの根際や岩際ギリギリにルアーをキャストできるかできないかで魚の反応がまったく違った。
  • 水深0~30cm虫系ルアーなどのトップに高反応、水深1m前後はハゼクラを使用すると連発した。
  • ハゼクラ使用時は、マハゼを狙う時に使う#6シングルフックを細軸から0.54mm以上の中軸に変更して力で折られるのを防いだ。
  • ライトタックルで狙うため、魚の力を分散させる為にフロント、リア、共にシングルフックを2本装着するダブルフックシステムが有効。

reLight調査隊情報

隊員情報

吉田光輝

カツ

高橋

ひろぽん

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