伊豫部健さん直伝「初夏のオカッパリ巻き&撃ちバス釣りメソッド」【FISH it EASY! SIDE-B特別編】



バス釣りは、春から初夏にかけての今時期が1番楽しめる季節……ということで、オカッパリ大好きなイヨケンこと伊豫部健さんに、「大江川&五三川」のようなハイプレッシャーなフィールドでもアグレッシブな「巻き」と「撃ち」のスタイルでナイスバスを獲る、その技を伝授してもらったゾ!! 巻いて掛けろ!! 撃って獲れ!! イヨケン直伝の「岸×カバーフィッシング」の極意を公開!!

【Profile】

伊豫部健(いよべ・けん)

1979年3月21日生まれ。愛知県常滑市出身&在住。中学2年の時に地元知多半島の野池で初めてバスを釣った感動を胸に、アメリカからヨーロッパに至るまで世界の第1線で活躍するプロアングラー。バス釣りの原体験であるオカッパリも大好き。座右の銘は「Never Give Up」と「FISH it EASY!」。

「フィールドどう読む?」オカッパリは足でかせぐのだ!!

今回選んだのは中部地方屈指の人気フィールド、大江川&五三川。平日でもアングラーがいっぱいな中、抜きん出るにはやはり「足」。常に三歩先までチェックを入れながら、怪しいと感じたスポットにはルアーを入れていこう!

ただし大事なのは「ドコ」を「どうやって」狙うかの見極め。やみくもに乱投しても、時間を無駄にするだけなのだ。

季節ごとでバスのツキ場は変化することを覚えよう

伊豫部「今日こそは仕留めるからね!!」

動画ディレクターに鼻息荒く語るイヨケン。実は先の取材でまさかのボウズを食らい、もう後がアリマセン。ホントに大丈夫?

伊豫部「前回食らった教訓から、再撮の今回はやることを決め打ちしてきてるから大丈夫ッス!!」

手にはバンタムの新竿が2本。それぞれクランクベイトとジグ。巻きと撃ちのタックルセットだ。

伊豫部「ちょうど今は晩春からのポスト、そしてこれからはアフター回復からの初夏。1年を通して、バス釣りが1番面白くなる季節。とはいえ、春は季節の進行が速いうえに、岸から狙えるスポットが限られる。まずは現場をよく観察して、バスが着きそうな障害物や地形の変化を探していくことから始めていかないとね」

可能性は無限だが時間は有限。確実にバスを仕留めていくには、まず、バスがどこにいるのか、その見極めが重要なのだ。

魚探などないオカッパリの釣り。最大の情報源はなんといっても「眼」。周りの風景、見える障害物などからの推測の他に、水中を覗くことで得られるモノもある。そのため、偏光サングラスは必需品なのだ。

狙うべきストラクチャーはこれ!

産卵で疲れた身体を癒す場は、身を隠せる分かりやすい障害物。かつ「浅・深」「明・暗」「広・狭」が隣接するエリアは有望だ!!

ゴロタ石&岩

シャローからディープにかけてまんべんなく広がる、ボトムの大小様々なゴロタ岩石。大きな岩と岩の隙間、消波ブロックとの境目、ディープ隣接シャローエリアの岩など、変化があるところにはつきやすい。ハードボトムとして捉えることもできる。

乱杭

ボトムからタテに伸びる垂直系の障害物代表。護岸整備された河川には、ショアラインと並行して打ってあったりもする。杭の周辺には木製の矢板やオダ、瓦礫やゴロタ石なども沈んでいる場合も多く、複合的な障害物としても有望だ。

レイダウン

レイダウンとは、枯れた植物の幹や枝などが地上から水中に向かって沈んでいる植物系障害物のこと。太陽光を遮る形で複雑なシェードを形成していることから、多くの魚にとって、鳥などの外敵から身を隠すにはもってこいのカバー。

アイソレート系

沖にポツンと立っている杭、単体で沈んでいる岩、岸から離れた位置に屹立している立木などを指す。ブレイク沿いや沖を回遊しているバスが休憩場として立ち寄ることがある。こちらもピンスポットモノとして狙うべき対象カバーだ。

「オカッパリどう攻める?」アラバマも投入しちゃいマス!!

実はオカッパリアラバマスタイルも実践していたイヨケン。「いわゆるバマストです」。足元のカバーにピッチングやフリッピングでテンポよく入れていく釣り方だ。

巻き&撃ちを織り交ぜて1日で計7kgオーバー!!

結果を先にお伝えすると、1日でバラシ含めて8バイト7フィッシュ。エサをよく食っているブリブリのバスばかりで、重量的には7kgオーバーという大漁っぷり。この日、特にイヨケンが注視していたのが、地形の変化とカバーの在り方についてだ。

伊豫部「今日は特にハードボトムエリアがアツかった。流れが巻く、岬状に張り出した岩の裏や、岸に寄ったブレイクにかかるレイダウン周辺など、全体地形の何かに絡むカバーに魚が着いていた。そこに朝イチから気付けたのが良かったね」

大江川ではラバージグのチョウチン釣りも披露。

伊豫部「『多分こういった状態でいるだろう』という明確なイメージを持つと攻略しやすいよ。オカッパリではタックルも限定されるから、巻きのヨコ仕様と撃ちのタテ仕様の2本を用意しておけば、大抵フォローできるしね。あとはひたすら手数と足で勝負っすワ(笑)」

浮くルアーor沈むルアー、バスのレンジを見極めろ!

狙うべきカバーの、ヨコを通すかタテに落とすか……知っておくべき要素はバスが着いている泳層だ!!
3D(立体的に)に切っていくのに必要な「浮き」&「沈み」そこに、オカッパリならではの精密さと丁寧さをプラス!!

浮くルアー

クランクベイトに代表される浮くルアーは、まさに「浮き」を上手に使うことにある。レイダウンや護岸際のハードストラクチャーなど、硬いモノに当てて浮かせて、といったメリハリの効いたアクションで攻めよう。バスが上目線な状態だと、さらに食いの要素がプラスされるぞ。

沈むルアー

ラバージグなどの沈んでいくルアーの使い方としては、中層スイミングにおけるキレのある上下動と、ボトムを這わせる際の「止め」にある。メリハリという意味では浮くルアーと似ているが、静と動の差をより顕著につけることができるのが特徴。水を動かす要素の強いトレーラーを装着するのもプラスαとしてはアリだ。

ワールドフラッシュをハーモニカ食いした五三川のバス。「この食い方は、攻めるべきルアーとバスの食性が一致していないと起こらない。まさにアジャストFISH it EASY!ですワ」。

バスに臭いは効くゾ!!

愛用の風格漂うラベル。

ジグのトレーラーやテキサスリグとしてクローワームを使う際、イヨケンが長年に渡って愛用しているのがスパイキットという集魚アトラクターだ。蓋を開けると超強烈なガーリック臭が漂う。

伊豫部「ガーリックの臭いって、バスは好きだと思いますよ。色が変化するのもいいですよね」

アームの先だけディッピングするのがイヨケン流。

伊豫部「アメリカのオレンジクローフィッシュっぽいでしょ」

くれぐれも衣服に付けないように注意しよう(笑)。


結び目は要check!!

ラインの定期的なチェックは怠らないようにしよう。「ルアーをキャストして回収する動作の流れの中で、枝や岩、コンクリートなどの障害物にどうしても擦れたりしてしまう。結び目から1mくらいまでを触ってみてザラついていたら結び直そうね」。いざ、でかバスが掛かったときにラインブレイクだなんて、目も当てられないぞ。

ちなみにイヨケンはダブルユニノットでルアーを結ぶ。「僕はルアーやラインの種類問わず、ほぼすべてこの結び方でやってきてる。最強ッス!!」。

ルールは守ろうゼ!!

昨今の釣りブームの中、全国各地のフィールドにアングラーが増えつつある現状において、ここ大江川&五三川も例外ではない。

伊豫部「フィールドあっての釣りだからね。私有地に入らない。迷惑駐車をしない。ゴミを捨てない。気にかけることが大事だよ」

五三川では養老郡漁協の協力により河川沿いに広大な駐車場が設置されている。

伊豫部「遊漁券や駐車場など、各地で設定されているルールは絶対厳守しようね!」

イヨケンさんの巻き&撃ち岸釣り極意動画も公開中!

イヨケンCHOICEタックルDATA

巻きタックル(写真右)

  • ロッド:バンタム170M+-G/2(シマノ)
  • リール:22バンタム(シマノ)
  • ライン:FCスナイパー 16lb(サンライン)
  • ルアー:バンタム・ワールドラッシュ56F(シマノ)

撃ちタックル(写真左)

  • ロッド:バンタム170MH(シマノ)
  • リール:22バンタムHG(シマノ)
  • ライン:FCスナイパー 16lb(サンライン)
  • ルアー:ストルクロー(10FTU)+ジョインテッドシューティングボールヘッド 1/4oz+TNSオフセット・ヘビーデューティ #2/0(共にハヤブサ)

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!

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