4月からスタートした当連載、今回は、もりぞーさんが得意とするフリーリグを、東京湾のボートチニングで試したらどうなるの? ということで、大阪から東京まで遠征したもりぞーさん。 多摩川の河口周辺で実釣を行いました。ボートと陸っぱりで、フリリグチニングゲームって攻め方って変わってくるの? タックルやルアー、操作方法などをしっかりと解説して頂きました!
【Profile】
森浩平(もり・こうへい)
今、大注目のフリーリグチニングゲームを確立したアングラー。ベイトタックルを活用するスタイルで、デイ・ナイトあらゆる状況で釣果を叩き出す。ホームフィールドは大阪の淀川。DAIWAのフィールドテスターとして「シルバーウルフ」ブランドを担当。
東京湾ボートチニングとひと言で言っても、スタイルは様々
ルアマガ+をご覧になっている皆さま。ダイワフィールドテスターとして大阪の淀川をホームに活動中のチニング伝道師“もりぞー”こと森浩平です。
先日(6月上旬)、ルアマガさんの実釣取材で東京湾チニングを堪能してきました。
フリリグスタイルは東京湾でも有効で、ショア・ボート共に好釣果に恵まれ取材は大成功。ボートは良型のキビレとクロダイを30枚程釣って即撮影終了。余った時間で中川編集長とカメラマンさんにボートチニング体験して貰ったくらいです!笑(動画&記事、お楽しみに!)
さて、今回頂戴したお題は『東京湾ボートチニング』についてです。
東京湾ボートチニングとひと言で言っても釣り方は様々。
本来ならオレンジフィッシングボート石﨑船長やGloryFishingの世良船長といった、東京湾のボートチニング事情に精通したプロガイドに聞くのが1番なのですが、今回はあくまでもりぞー目線かつ東京湾シャローフラットエリアにおけるボートチニングということでご容赦願います。
ロッド:7ft台がオススメ!
基本的にショアと共通でOK。ただし、長すぎると扱いにくい(ボートのサイズや乗船人数に寄ります)のでリグの操作性を重視したハリのあるフリリグスタイルに適応した7フィート台のロッドがオススメ。
(シルバーウルフAIR76MLB-SもしくはMX76MLB-S。スピニングならMX76ML-S)
5mより浅いエリアに限れば飛距離面や風耐性などショアに比べるとタックルに対する要求値は下がるので、バスロッドの流用ではじめるのもあり。
その場合は10〜14g程度のシンカー重量を扱えるハリとバイトを弾かないソフトなティップを併せ持ったベイトフィネス系ロッドがベター。あまり短いロッドだとフッキングストロークが不足するため、6ft後半のレングス長を選ぶのが無難です。
ただし、広範囲を探れるかどうか/遠距離で得たバイトを的確に掛けられるかどうかで釣果が大きく変わるのも事実なので、同船両隣がボコボコ、自分だけ沈黙…とかって状況(俗に言うチヌハラスメント笑)を避けたいなら専用タックルを持ち込むのが良いでしょう。
手持ちに良さげなロッドがなくて不安という方は、レンタルタックルを用意している遊漁船もありますので、船長に相談してみるのも手ですね。
リール:高ギア比のものを選択!
足場が動く関係で、ラインスラックのコントロールがオカッパリ以上に釣果を伸ばす重要なファクターになりますし、バイトゾーンを探り終えたらリグを高速回収して再キャストといったように手数を増やすことで釣果に繋がる面もあるので、ベイト、スピニング共になるべく最大巻取長の大きい、高ギア比のものをオススメします。
(シルバーウルフSVTWPEスペシャル ルビアスエアリティLT3000S-CXH)
ライン:メインラインはPE0.6〜0.8号、リーダーはフロロカーボン3号!
メインラインはPEライン0.6号~0.8号を使用。あまり太いと風や潮の影響を受けて着底が分かりにくくなるので注意。自分は潮馴染みや風耐性を考慮して中比重(ナイロンライン相当の比重)のPEライン「磯センサーSS+Si」を愛用しています。
リーダーはフロロカーボンの3号をヒトヒロ程度が基準。3号以下はラインブレイク等のトラブルが増えるので、3号を下限にしつつ根ズレでラインブレイクする恐れのある場所を攻める場合は3.5~4号に上げるのもいいですね。(磯センサーSS+Si 0.8号150m、リーダー: タフロン グレイトZカスタムEX 3号~4号)
シンカー:タングステン素材7〜14gのフリリグシンカー推奨!
シンカーはタングステン製のフリリグシンカーを推奨。鉛に比べ圧倒的に高感度で着底もわかりやすく、リグ操作も容易。根掛かり回避や環境負荷の面からもオススメです。
基本的にはPEARリングの7g、10g、14gがあればOK。
10gをメインに着底が分かりにくければ14g。無風時等、よりソフトなアプローチをする際には7gがあれば安心。根掛かり多発エリアではフリリグSSがスタック回避しやすいです。
(バザーズワームシンカーTG PEARリング/フリリグSS)
フック:オフセットタイプとストレートタイプを使い分け!
根周りが荒いところ、藻やゴミが多いところはオフセットフック。底が砂地など根掛かる可能性が低く、藻やゴミの無いところはストレートフックを使用。アーバンクローラー、アーバンシュリンプにはオフセット#2、ストレート#1/0を組み合わせるのが基本。
ワーム:「マッチ・ザ・バイト」で使い分け!
ワームはアーバンクローラー、アーバンシュリンプ、KJカーリーチニングカスタムを状況に応じて使用。甲殻類パターン、ベイトフィッシュパターン等ありますが、自分としてはあまりベイトを意識せずに「マッチザバイト」状況によって深いバイトを得られるアプローチからの逆算でワームチョイスすることが多いです。
ワームカラー:当日の水色を基準にチョイス!
グリーンパンプキンを基準に濁っていればグリパンチャートやキャスティークチョイスなどシルエットがハッキリ出るカラー。透明度が高ければサンドシュリンプやウォーターメロン、ライトグリパンブルーなどボディが透過しているカラー。ナイトゲームではレッドクローやエビミソレッドゴールド、グリパンオレンジなど赤・オレンジ系が強い事が多いです。
アクション:リトリーブ(ただ巻き)とボトムバンプを使い分け
基本的には巻きとボトムバンプの使い分けで攻略可能。巻き速度やロッドアクションの強弱を状況に応じて調整。活性が高ければ巻くだけで引ったくって行きますが、そうでない場合は速度変化や、ストップなど喰わせの間を意識することでヒットに繋がる事が多いです。
状況によって深いバイトを得られる動かしかたが変わるので、いかに素早くその日その状況でのパターンを見つけ出せるかが釣果を伸ばすキモ。そういう観点からもシンカーやワーム、フックの選択肢が広く、状況に応じた選択が可能なフリリグでのアプローチは理に適っていると言えます。
ショートバイト多発でなかなか深いバイトが得られなかったり、そもそもバイトすらないという状況では素直に船長のアドバイスを聞きながら同船者と協力してアタリパターン見つけるのが吉です。
釣果UPのコツ:自然なアクションを演出できるよう意識!
注意すべき点は、ショアと違い足場が動くと言う事。ボートの進行方向に投げるのか、進行方向と逆に投げるのかで適切な巻き速度が変わります(進行方向なら早く、進行方向と逆なら遅く)し、ボトムバンプ等ロッドでのリグ操作も船の進む速度や波による上下動を考慮して、ティップを送る、ラインを張り過ぎないようにするなど自然なアクションを演出できるよう意識して調整すれば深いバイトを得られます。
気軽に楽しめるが、実は奥が深い! それがボートチニングの魅力
これがチニングの本質だと自分は考えています。エリアトラウトなんかがそうであるように入り口は気軽。”何となく”でやっても釣れるときはそれなりに釣れる。
でも、フリリグスタイルでの検証を進めていくと、隣同士で釣っていても、シンカー重量に形状、ワームの色に形状、アクション差、タックルセッティングの差で片方連発、もう一方はノーバイトとか良くある話。
気の合う仲間と一緒にボートに乗って、ワイワイ釣りをするなかで状況に応じた最適解を導き出すことが出来れば深いバイト、圧倒的な釣果という明確な答えが返ってくる。最高に楽しいですよね。
今回は、状況にアジャストして数を伸ばしたり、サイズを狙う事を優先させるうえでのタックルチョイスやコツを書きましたが、船長に相談の上で(同船者の迷惑にならない範囲で)コダワリのタックルだったり、やりたい釣りだったりを突き通すのも大いにアリです。
それぞれのスタイルで東京湾ボートチニングを楽しみ尽くしましょう!
連載第1回目はコチラ!
東京湾ボートチニングゲームのエキスパート「オレンジフィッシングボート」
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