DAIWAスピニングリールの最高峰「イグジスト」が2022年に満を持してフルモデルチェンジした。現在日本で最強のトーナメントアングラーであり、世界最高峰の舞台へ挑む若きバスプロ・藤田京弥が愛用するのが、品番「LT2500S-XH」、自重160g、ギア比6.2のハイギアモデルだ。藤田京弥が、日本のJBトップ50とアメリカのB.A.S.S.オープンというトーナメントで酷使するなかで、イグジストに感じるものとは
【Profile】
藤田京弥(ふじた・きょうや)
昨年はJB戦で10勝の偉業と共に、最高峰トップ50をはじめ3つのシリーズ戦で年間優勝を獲得。もはや国内に敵なしの天才アングラーは2022年、国内と世界の「二刀流」での頂点へと挑む。1996年4月2日生まれの26歳、埼玉県出身・山梨県在住。
藤田京弥が語る「NEWイグジスト」の特長とは!?
──藤田さんはトーナメントの現場では、インテリジェンスの高い大型のバスをライトラインで掛けて獲る戦術が必要な場面が多いと思います。22年モデルのイグジストを酷使するなかで、どんなことを体感していますか?
藤田「18年モデルのイグジストと比べて、凄く変わったと僕が感じることは、自重160gという軽さでありながら、全体の剛性が明らかに上がったところです。トーナメントという過酷な環境で長時間フルに使っていますが、ガタやブレがなく、かっちりした感じがキープされています」
──多くのアングラーにとって、リールをお試しで使える機会はないと思いますが、店頭で手にすれば、軽さと剛性が高いことは感じられそうですね。
藤田「手にした瞬間にわかります。剛性の高さは、伸びがないPEラインを使ったときにより明確に感じます。PEラインでパワーフィネスをやるときは、さまざまな衝撃がPEラインを通じてリールに伝わりますが、まったくガタつきがないです」
スピニングリールにおける「剛性の高さ」が釣りにもたらすメリットとは?
藤田「リールの剛性が高いと、釣りの精度が上がり、より繊細な釣りが可能になります。特に、ローターやベイルアームがたわまないことが、ドラグの性能を引き出すことに直結しています。22年モデルのイグジストには、圧倒的に性能がいい『ATD TYPE-L』という新しいドラグが入っています。これは、僕が約2年間テストさせてもらって開発したドラグです」
──どんな味つけのドラグなのでしょうか?
藤田「バスの多彩な引きに追従して、滑らかに効き続ける『ATD』ドラグの特性はそのままに、ドラグの初動レスポンスを向上させたのが『ATD TYPE-L』です。とりわけライトライン使用時に求められる、よりスムーズな効きを重視したチューニングを施して、ラインへの負荷をさらに低減させました。
──そもそも上位機種に搭載されていた「ATD」ドラグが充分に高性能ですよね。
藤田「はい。その『ATD』ドラグをベースにして、ライトラインで大型のバスを掛けたときに、バスのダッシュに対応するために、ドラグが粘りすぎず絶妙なテンションでラインが出てくれるようにセッティングを煮詰めたわけです」
──トーナメントで、インテリジェンスの高い大型をねらうときに、ライトラインが必然の場面で「ATD TYPE-L」が活きてくるんですね。
藤田「大型のバスはファイト中に一気に走ったかと思うと、ロッドの曲がりに負けて、頭をこちらに向ける場面があります。そのときロッドを曲げたままバスを引き寄せるのですが、ドラグが滑ってラインが出すぎると寄せられません。なので、リールから『チ、チ、チ、チ……』と少しだけラインが出続けて、バスと引き合うテンションが抜けない状態ををキープしたい。バラシが発生するのは、ファイト中にラインテンションが抜けたときです」
──ラインが出すぎするとバスを寄せられないし、ラインが出ないとファイト中にラインのテンションが抜けてしまう瞬間がありますよね。
藤田「フックが完全に刺さっているときはラインがゆるんでもバレませんが、ライトリグで掛けたときはハリ先がバスの皮膚に乗っているだけとか、マスバリが少しだけ刺さっているだけ、という状態が多くて、ラインのテンションがゆるんだ瞬間に外れやすいです。
バスを引き寄せられて、なおかつ絶妙にラインが出て、一定のテンションをかけ続けられるドラグ。それが『ATD TYPE-L』です」
──藤田選手といえば、クイックドラグの使い手というイメージがあります。クイックドラグとは、ドラグのテンションを調節するときに、ドラグノブを2~3回転させるところを、通常の1/4~1/2回転で調節できる機能。バスにフックを掛けるまではドラグを強めに設定しておき、バスを掛けた直後にクイックドラグノブを少し回すだけで、ドラグテンションを弱めてバスがダッシュしたときに適度にラインが出るように調節できます。それがイグジストには設定されていませんが。
藤田「イグジストにはクイックドラグが標準装備されているモデルはないのですが、DAIWAのカスタムパーツを販売するSLP WORKSから、後づけできるクイックドラグノブが発売されています。ノブを交換するだけで簡単にクイックドラグ化できるので、僕はそれを装着しています」
藤田「そのドラグノブが以外と安くて、機種によって2,500~3,500円で買えるので、興味がある方は使ってみたほうがいいと思います。瞬時にドラグ調整ができるクイックドラグノブは、僕の釣りには絶対に必要な機能です(笑)。全体的な剛性の高さと『ATD TYPE-L』という高性能ドラグ、クイックドラグノブの相乗効果で、ドラグワークは僕のイメージどおりです」
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──藤田さんは、イグジストで何lbのラインを使いますか?
藤田「メインはフロロカーボンの3~4lbです。スモールマウスねらいでは2lbを使うこともあります。PEラインは、0.2号から1.5号まで使います。2022年4月のJBトップ50遠賀川戦では、底に障害物が多いのでイグジストで5lbラインを使って優勝しました」
NEWイグジストの「巻き感」や「トラブル対策」は?
藤田「巻き感は軽くてなめらかですね。回転中に上下動するスプールが軽量であること、ローターやベイルアームも軽くて慣性が小さいので、回し始めが軽くて、止めるときはピタッと静止します。全体的な剛性の高さによって『巻き感度』が高くて情報量が多く、なにより巻いていて気持ちいいです。ベイルアームを開いたときの『カチッ』とする感覚も僕の好みです。
ライントラブル防止という点でも進化があります。スプール下部のエッジに糸落ち防止のネズミ返しをつけることで、ラインがメインシャフトに巻き込むトラブルを軽減しています」
藤田「1日釣りをしていると、1回はラインの巻き込みが発生していたものですが、これがほぼゼロになりました。あとは、ラインローラー部分のツイストバスターが第3世代に進化して、さらに糸ヨレを防いでくれます。
最新のイグジストは、とにかく実物がかっこいいので、店頭で手に取ってほしいですね。軽さ、剛性の高さ、巻き感が一瞬でわかると思います!」
NEW「イグジスト」藤田京弥的・使用感まとめ
- 軽いのに剛性が高い。
- 巻き感度が高く、なめらかで軽い巻き心地。
- ドラグが「ATD TYPE-L」に進化した。
- ライントラブルが軽減。
- クイックドラグノブを後づけするカスタマイズがおすすめ。
藤田京弥選手の愛用番手は「 LT2500S-XH」
【スペック】
- ギア比:6.2
- 巻取り長:1回転で87cm
- 自重:160g
- 糸巻き量:4lb150m、PEライン0.6号200m。
- スプール径:45mm
- ハンドル長さ:50mm
- ボールベアリング:12ヵ所、ローラーベアリング1個
- メーカー希望小売価格:101,000円
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