バス向け軽量リールを比較インプレ「ヴァンキッシュ 2500S(シマノ)」



近年、軽量化の勢いが止まらないスピニングリール界。ここにDAIWA、シマノ、アブガルシア3メーカーの超軽量スピニングリールが集結。実際の使い心地をルアマガ編集部員が本気でインプレッションしてきたぞ! 今回はシマノ、ヴァンキッシュ 2500Sを分析!

インプレする人たち

O木(おおき)

元大型釣具量販店の店員という経歴を持つルアマガプラス編集部員。バス・ソルト問わず、幅広く釣りを楽しむことをモットーとする。最近バスが釣れなくて厄払い考える34歳。こだわり強めのA型。

ムーバブルファッティ福重

体重100kgを超える才能の塊。その割に身のこなしは軽い。図体の割には繊細な釣りが好きな34歳。空気の読めないB型。

ティーチャー大場

11年間勤め上げた中学校英語教員の職を辞し、地元・山陰を飛び出して釣りへの情熱だけでルアマガに突撃入社した男。最近自分の年齢がわからなくなってきた35歳。マイペースなAB型。

【シマノ】ヴァンキッシュ2500S

圧倒的「巻きの軽さ」は今なおトップランナー!!

自重ギア比ハンドル1回転最大ドラグ力ラインキャパベアリング価格
165g5.378cm4kg5lb×100m/PE0.6号×200mボール11/ローラー162,100円(税込)
HAGANEボディ&ギア/マグネシウム合金を使用した軽量かつ強固なボディと、精密冷間鍛造によって製造された高精度で頑強なギア。どんなに過酷な状況でも安心して使い続けられる堅牢性というシマノの設計思想が込められている。
ロングストロークスプール/スプールの糸巻き部分の縦幅を長くすることで、キャスト後半のラインの減り量を抑えることができ、キャストフィーリングと飛距離の向上をアップさせている。

【福重のインプレ】さすがの快適感はまさしくシマノのお家芸!

福重:ドライでエアリー。ヴァンキッシュの巻心地を言い表すならまさにこの表現がぴったりだと思います。それだけ快適で、個人的には今回の3台の中では1番巻き心地が好みでした。『マイクロモジュールギアII』はやっぱりすごいですね! 流石シマノ! ステラとはベクトルの違う極上の巻き心地と言えそうです。ちなみに巻き心地に影響があるほどではないのですが、ボディ内部の隙間が多いからなのか、ロッドのガイドとラインが擦れるノイズをより感じやすい気がしました。

ガンメタカラーがロッドとの相性抜群!

高機能リールのボディカラーって、シルバー系がすごく多いですよね(笑)。たしかに高級感は出しやすいのかもしれませんが、ロッドと組み合わさるとなるとちょっと浮く様な…。その点、ヴァンキッシュの場合、リールシートやEVAグリップ、ブランクス等のベースカラーとなるブラックとすごくマッチするので、タックルに一体感が出るんです!

今回福重が使用したメガバスのデストロイヤーもリールシートやブランクスはブラック。ヴァンキッシュとの一体感は気持ちが良かったです。

【大場のインプレ】フェザリングのしやすさで選ぶならシマノ一択!!

大場:僕はプライベートではDAIWAとシマノの両方を使うのですが、シマノの方が圧倒的にフェザリングが上手くできるんです(個人差あり)。その理由としては、スプールの直径が大きく、『ロングストロークスプール』も搭載されているのでスプールエッジに人差し指が触れやすいこと、他機種に比べてベールが開く角度が大きく邪魔にならないこと、などが挙げられると思います。あとは、ベールの開閉音! カチッと開いてパシンッと閉まる、あの音がたまらんのです!

巻きの軽さは今でもトップクラス!

19年に発売されたヴァンキッシュですが、巻き始めの初動の軽さと止めたい時に軽い力でピタッと止まる軽快さは今でもトップクラス。巻き心地はドライで無抵抗感のある滑らかさです。僕は3年以上使っていますが、ノーメンテで今でもゴリ感は出ていません。強いて不満点を言うなら定価60,000円以上のリールなのでもう少し見た目の高級感がほしいかな。

写真のように一般的なスピニングリールよりもベールの開閉角度が大きく、フェザリング時にベールが邪魔になりにくい構造になっている。

【O木のインプレ】高次元のスピニングフィネスを求めるならコレ!

O木:ヴァンキッシュといえば圧倒的な「軽さ」が代名詞のリールですが、一度使ったユーザーが虜になる理由がわかる気がします。スペック以上に感じられる自重の軽さに巻き心地の軽さ、それに加え、剛性やロングキャスト性の高さを考えれば、スピニングフィネスにおけるアドバンテージの高さは尋常じゃないです。ボディ形状は少し大きめですが、その存在を忘れさせるほどの軽さが間違いなくあります。

ロングストロークスプールはフィネスのハイレベル化にも貢献!

ARC+ロングストロークスプールはロングキャストに優れている点ではありますが、スプールが大きいことでフェザリングもしやすい。慣れれば色んな角度からのキャスティングでも意のままにフェザリングが出来るのでスピニングのアキュラシーキャストのレベルがぐっと上がるかと思います。

自重の軽さに加えて、この巻きの軽さ。フィネスでのアドバンテージは計り知れない。


プラス1 インプレ!

大口径&深溝ドラグノブが超快適!

ドラグを調整したい時やスプールを外したい時にノブがつまみにくかったり、滑りそうになったりした経験はありませんか? ヴァンキッシュのドラグノブは大口径かつ凹みが深いのでめちゃくちゃ回しやすいです。地味な点ですが編集部ではかなりの高評価。

スプールエッジぎりぎりまで大口径化されたドラグノブ&深溝設計。これは使いやすい!

O木イチ押し! こんな人にオススメ!!

O木:フィネスを極めたいアングラーにこそ使ってほしい!
とても軽い力で「巻く」と「止める」ができるリールなので、繊細にライトリグをシェイクしたり、ラインスラックをコントロールしたりする釣りではアドバンテージが高いと思います。フェザリングもしやすいので、フィネスを極めたければこの1台で決まり!

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!