夏の到来とともにバスアングラーを熱くさせるのがトップウォーターの釣り。今年投げるトップウォータープラグをあれこれ考え、楽しんでいることと思います。釣り人を楽しませてくれるトップウォータールアーの数も膨大。何を選んでいいか迷うことがあるかもしれないということで、定番となっているトップウォータープラグを集め、それぞれのジャンルに必要とされる要素を検証してみました。今回は「バズベイト」8種を検証です。
検証テーマ「バズベイト」
バズベイトの特徴
表層系ルアーの中では唯一とも言える、巻き続けないと沈んでしまうルアー。スピナーベイトのように複数のパーツから構成されていますが、中でもペラ周りのパーツ重要なファクターとなっています。パッと見の形状的には大きな違いが生まれにくいルアーではあるものの、千差万別なその性能を検証しました。
検証タックル
- ロッド:MLクラスベイトロッド
- ライン:フロロカーボンライン14lb
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検証ルアーの一覧
ルアー名【ブランド】 | 画像 | 通販 | 重さ |
---|---|---|---|
ガーグル 【ジャッカル】 | Amazon | 3/8oz | |
ゲーリーバズ 【ゲーリーインターナショナル】 | Amazon | 1/4oz | |
ジャマイカボア 【メガバス】 | Amazon | 1/2oz | |
02ビート 【O.S.P】 | Amazon | 3/8oz | |
ボルケーノグリッパー 【ノリーズ】 | Amazon | 3/8oz | |
マスタブラスタ 【レイドジャパン】 | Amazon | 12g | |
マツバズ 【デプス】 | Amazon | 1/2oz | |
ラウドバズ 【エバーグリーン】 | Amazon | 3/8oz |
【検証】サウンド
多くのアングラーがバズベイトを使用する際に気にするであろう要素が音。ルアーにもよりますが、水面を撹拌する音やワイヤーとペラが擦れる音、ペラとその他のパーツがぶつかる音など構成する要素は様々です。今回の検証では、純粋に音の大小を計測するとともに、その音質に関しても考察しました。
【検証方法】騒音系アプリを用いて、約1m先を通過するバズベイトの音を測定
圧倒的クラッカーサウンドの02ビート
アプリで計測した結果、もっとも音量が大きかったのは02ビートでおよそ84dB(デシベル)。これは救急車のサイレンの音量に相当するとされます。クラッカーによる硬質なヒット音がその最大の要因となっていると考えられます。
次点ではジャマイカボアとボルケーノグリッパーが70dB後半。ジャマイカボアは水中でヒットするタイプのクラッカータイプであることからこの数字になっていると考えられる一方、クラッカーサウンドの発生しないボルケーノグリッパーは、その独自デザインのプロップが強烈に水を撹拌して大きな音を出していると考えられます。
逆に音量が最も小さかったのはガーグルで、やはり特殊形状のプロップが影響していると考えられます。
【検証】直進性
ペラが一方向に回る関係上、その影響でリトリーブコースに特徴が生まれるバズベイト。カバー周りで使うのなら狙った通りのコースを通せることに利点がある一方で、曲がることを活かしたコース取りという考え方もあります。どちらが優れているとは簡単に言い切れないものの、その傾向を検証してみました。
【検証方法】バズベイトをリトリーブし、その直進性を観察する
02ビートとガーグルが限りなくまっすぐに引ける
直進性が高いバズベイトと実感できたのは02ビートとガーグル。02ビートはクラッカーがペラの回転方向に対してカウンター的な抵抗になることで直進性を高められていると考えられます。ガーグルは特徴的なペラが大きな抵抗とならず、真っ直ぐ引くことができるようでした。
また、ボルケーノグリッパーもかなりの直進安定性を持っていました。
逆に最も曲がりが大きかったのはマツバズですが、こちらはペラの回転方向が異なる2モデルを展開していることからも、その曲がりを考慮した使用を想定していると考えられます。
【検証】立ち上がり
その性質上、キャスティングして着水した直後からルアーは水中に沈んでいってしまうバズベイト。そのため、できる限り最速で着水と同時に巻き始めるのがセオリーともいえます。その点はルアー側でも考慮している場合が多く、実際は最速で巻き始めることができなくても有効なリトリーブは可能な場合が多いようです。その性能に差異があるのかどうかを検証しました。
【検証方法】バズベイトをリトリーブし、着水後の立ち上がりを観察する
02ビートとグリッパーが抜群の立ち上がりを見せる
圧倒的に立ち上がりが良かったのは02ビートとボルケーノグリッパー。着水直後にリトリーブさせることによる立ち上がりも抜群で、少し沈んだ状態からの浮き上がりも群を抜いていました。02ビートは『サーフィンヘッド』、ボルケーノグリッパーは4枚フィンの『グリッパーブレード』という、メーカーの創意工夫の恩恵が大きいようです。
その他のモデルも決して立ち上がりが悪いわけではないのですが、これら2モデルが特出している印象。なお、もっとも立ち上がりが悪かったのはガーグルで、フレキシブルに動くアッパーアームと片羽のプロップによるものと思われます。
【検証】アーム
ペラのあるアッパーアームとヘッドのあるロアアームからなるバズベイト。そのワイヤーの長さや形状にも注目してみました。
【検証方法】各ルアーのアームを観察
革新的なガーグルに注目!
アームに関してもっとも特徴的なバズベイトはガーグルでしょう。約20mmのアッパーアームにはスイベルで片羽のプロップが取り付けられています。フレキシブルに動くことでキャスタビリティを向上させるのが狙いのよう。
アームの長さはそのままサイズ感に直結するため長さを計測したところ、ロアーアームが最も長いのはジャマイカボアとゲーリーバズの80mmで、とくにジャマイカボアはフックも大きいため、今回紹介するバズベイトの中では最も大きなシルエットをもつこととなります。
逆に最も短いのは55mmのボルケーノグリッパーです。02ビートも2番目に短かったことから、ロアーアームの短いモデルほど直進性が高いことが示唆されました。
【検証】ペラ
バズベイトの心臓部とも呼べる「ペラ」その形状や大きさ、セッティング方法は様々だが、改めて注目してみました。
【検証方法】各ルアーのプロップを観察
個性豊かなペラはどれも魅力的
各ルアーのペラは非常に特徴的です。シンプルながら完成されたゲーリーバズ、片羽のガーグル、4枚のフィンがついたグリッパー、クラッカーの付いた02ビート、アルミパイプが組み合わさったマスタブラスタ、ラトルチャンバー付きのジャマイカボア、傾斜の付いたペラ先端とビーズが擦れ合うラウドバズ、偏った重心を持つペラのマツバズ……。
それぞれの特徴をここで書き切ることはできませんが、いずれも水噛みやサウンド発生のために作り込まれていることがわかります。
なお、ペラサイズが大型だったのはジャマイカボア、グリッパー、ラウドバズ、ガーグルは最小で、そのほかの4モデルのペラがほぼ同サイズでした。
【総括】バズベイト
実験結果を元に考察すると、ボルケーノグリッパーと02ビートが突出して扱いやすいと考えられます。しかしその他のモデルに関しても全くもってストレスなく使える設計になっており、好みの差が大きく出るルアーであると考えられます。次回はヘッド形状に関しても考察してみたいところです。
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