
パズデザインが新たにローンチしたブランド「TAGIRI(タギリ)」から、2022年度新たに「スプーン」がリリースされた。名前は「CHIDOR(チドリ)」。千鳥足のようなアクションから命名された36mmの小粒ボディには、その愛らしい見かけとは裏腹に、魚を釣るためのこだわりが凝縮されていた。今回はCHIDORIのアクションのさらなる詳細や使い方を開発者である吉島さんに解説して頂く。
●文:ルアマガプラス編集部
吉島一郎(よしじま・いちろう)氏。パズデザインのスタッフの中でも、渓流&本流釣り歴30年以上と、トラウトの経験値と知識はNo.1。営業活動の傍ら、実釣テストや製品開発を精力的に行ってきた。今回紹介する「CHIDORI」を始め、「TAGIRI」ブランドの中心人物でもある。
様々なスプーン形状の研究から導き出した究極の答え
千鳥アクションと応用のアップストリーム
長年の渓流釣り歴の中で、実際にいろいろなスプーンを使い込んできたという吉島さん。CHIDORIを開発するにあたり、さまざまなスプーン形状を復習するように見直し、研究を進めてきたそうだ。本筋の話をする前に、代表的な形状のスプーンを紹介してくれた。
吉島「一番オーソドックスなスプーンの形状かもしれません。ワイドなボディは強い波動が出やすく魚を寄せる力があります。でも魚のスレの進行が早いのもこの形状の特徴です」
吉島「まさに柳の葉っぱのように細身のタイプのスプーン。コロラドに比べて魚を寄せる力は弱いものの、魚の目の前にくればスムーズなバイトが期待できるアピール弱めのタイプ」
吉島「特殊なパターンですが、ベンドタイプのスプーン。ハスルアーですね。僕もかなり愛用していましたが、魚を寄せる力は弱め。こちらはレンジキープの仕方の研究材料になりました」
CHIDORIの開発に際し、インスパイアされたというオールドスプーン「ヤムトランド」
吉島「数あるオールドスプーンの中でも、泳ぎやレンジキープ能力など総合的にお気に入りなのが、ベーての『ヤムトランド』というスプーンです。長年使い込んでみて、ウィローリーフとコロラドのちょうど中間に位置する形状で、カップの深さやボディのカーブも理想的だなと感じています。今回のCHIDORIにも、このスプーンが持ついい部分を、個人的に理解して取り入れたりしています」
吉島「喰わせを意識すればやはりボディは出来る限りミニマムにしたかった。さらに、そこにアピール(集魚効果)も追加したい。必然的にアクションの波動を強める流れになりましたが、ただ波動を強くしても魚の反応はイマイチでした。追ってきてもバイトまで持ち込めない」
そこにプラスしたのが、名前の由来でもある「千鳥アクション」だ。
プロトタイプのスプーンを曲げたり削ったりしながら、最適な泳ぎを目指した。
吉島「波動を強くしても一定の泳ぎでは喰わせまで持ち込めませんでした。そこに、時折破綻するような千鳥アクションを加えることで、一瞬のバイトチャンスになることがわかったんです」
リトリーブするだけで自動で左右に破綻するアクション。ここがキモになったそうだ。そんなCHIDORIだが、どんなシーンで有効なのだろうか?
吉島「扱いやすさを求めた結果、レンジキープ能力にもかなりこだわりました。基本は表層狙いで、アップクロスからダウンクロスまでを流速に合わせてただ巻きするだけ。とにかく使い方が簡単なので、ビギナーの方にも納得いただけるかと思います」
また、竿先を下向きにしてトゥイッチするように使うとアップストリームも攻略できるとのことだ。
基本は表層レンジをキープしながら千鳥アクションで誘う
自動的に左右に破綻するような動きが入るので、ただ巻いているだけでいい。チャラ瀬を見つけたらアップクロスにキャストし、下流からゆっくり引いてみよう。
ミノー感覚でトゥイッチを加えると適度に水の抵抗を受け、アップストリームでもしっかり流せる。この時、竿先は下に向けてアクションさせるのがおすすめ。
吉島「ミノーでは引けないくらいのチャラ瀬を引けるのも強みです。とくに平水時や渇水時などポ浅瀬の中のポケットを意識した攻略がおすすめ。大型も狙えます」
日本各地のヤマメ&アマゴを千鳥足アクションが魅了した!
吉島「ここで紹介している魚の写真はほんの一部ですが、本州から北海道まで幅広いフィールドでテストを行なっています。中でも釣果が目立っていたのがチャラ瀬です。水深5~10cmくらいのところでも魚はいましたし、CHIDORIだからこそ攻略できるポイントだったりします。目の前に淵が見えたら一目散にそこを目指すのではなく、まずは手前の瀬もじっくり狙っていくのもコツですね!」
2022シーズンの釣りに、予測不能な千鳥アクションが、大きな変化をもたらしてくれるに違いない。
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