
ルアーマガジンリバー本誌に登場してくれたハンドメイドルアーブランドと、代表ビルダーを紹介していく連載企画。今回は奥多摩をホームグラウンドとする中本哲央さんがてがける「麗’sルアークラフト」にお邪魔しました。
●文:ルアマガプラス編集部
「麗しき」扁平ヒラ打ちミノー誕生の秘密…
中本哲央さんが展開する麗’sルアークラフトは、ハンドメイドルアーの販売を始めてから今年で10数年目。
地元の釣り具店でひっそりと売られていたハンドメイドミノーは、口コミでじわじわと広がり今では各地の有名プロショップの店頭に並ぶようになった。
中本「地元にバサーハウスへブンっていうお店があって、最初は趣味で作っていたバスルアーを少しだけ置かせてもらっていました。お店ではトラウトルアーも扱っていて、店長さんから提案があったんです」
その提案とは、偏平なヒラ打ちミノーの製作だった。今でこそ一般的な認知度は高いが、当時は中本さんもピンとこなかったという。
中本「元々釣りはトラウトもバスもやっていたんですが、その頃からトラウトミノーの製作にのめり込んで、作っては多摩川や桂川に行ってテストを繰り返しました。出来上がったのが55Sというモデルです」
麗’s 55S
美しいだけじゃない! 遊び心が生み出すこだわりのカラーリング
中本「受注生産なので、不可能な注文以外はすべて受け付けるようにしています。以前、○○○○風カラーの注文があったんですけど、これが案外よくってね(笑)。そんなお客さんたちのアイディアを形にしていくうちにレパートリーが増えました!」
麗’sのミノーは、性能のよさもさることながら塗装にもこだわる。中本さんはこれまで数々の難問にトライし、そのほとんどをこなしてきたそうだ。
オイカワやヤマメ、イワナといったリアル系塗装はもちろん、ポップなデザインも得意としている。
中本「現場でよく感じるのですが、釣れない時間って退屈。でも、ルアーを動かすだけで楽しい! って思えればそれでいい」
もちろん性能もピカイチ
麗’sのミノーは体高を持たせたフラットなデザインが特徴だ。ロッドワークに機敏に反応し、激しいヒラ打ちでトラウトにアピールすることを意識して設計されている。
今では10種類以上がラインアップされているが、これらは渓流・本流用が中心で、水馴染みのよさを優先したシンキング系のモデルが中心だ。
“流れを読んでドリフトさせながらトゥイッチを加えてアクションさせる”という中本さんのスタイルが、すべてのミノーに反映されている。
また、アップストリームにおけるトゥイッチングでアグレッシブに瀬を流すもの、深い場所まで落としこんでボトムの魚を誘い出すもの、さらにダウンでリップに水を噛ませながらじっくりアピールするものなど、攻略のバリエーションも非常に豊かである。
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