夏になるとファミリーフィッシングやカップルで気軽に楽しめるハゼ釣り。のべ竿の仕掛けで玉ウキ釣りやミャク釣り、リールで投げ釣りなど様々な狙い方で楽しめる釣りだ。エサは一般的にゴカイ、特にアオイソメがよく釣れるとして人気だが、最近ではボイルホタテやサクラエビといった食用品で代用するムーブメントも活発。
今回はリライト調査隊BOSS吉田がもっとコスパよく釣れるエサはないかと考えて投入した「生ハム」を使ったハゼ釣りの様子をお届けする。効果は想像以上で、地元釣り人も驚愕のペースで釣れてしまい……これは「最強エサ」かも!?
●文:吉田光輝(reLight調査隊)
reLight調査隊(りらいとちょうさたい)
ロブルアーハゼクラテスターをやりながらオールマイティに釣りを楽しむボス吉田光輝を筆頭に、酔っ払い釣り初心者担当カツ、真面目な釣りバカ担当高橋の3人組。釣りの楽しさを伝えるべく淡水、海水問わずルアーフィッシングを中心に活動。ハゼ~GT・サメまでやろうとしている生粋の釣りバカYouTuber。
ちなみに吉田さんはハゼクラの数少ない公式釣り大会「Hz-1グランプリ」で、和やかな雰囲気の中で黙々と大型ハゼを狙い撃ちして大人気なく優勝をもぎ取っていく釣技の持ち主。
今回の釣り場は「旧中川」
ハゼの新エサ「生ハム」の実力を試すべく、訪れたのは旧中川。
旧中川は、荒川に繋がる江戸川区、江東区、墨田区の境を流れる1級河川で、上流の木下排水機場から下流の荒川ロックゲートまでの区間で6.68kmあり、普段は荒川に繋がる水門が閉められているため、海と接続しているものの止水域のような水面になっている。ハゼの生息数がとても多いことでも知られ、新エサを試験投入するにはうってつけだ。
旧中川は川岸全体が遊歩道として整備されているため、釣りの他に散歩やジョギングをされている方も多い。上流側には平井駅、下流側には東大島駅と電車のアクセスが良好なことに加えて、周辺にはコインパーキングも多いため、車でも訪れやすい。周辺にはコンビニもあり、トイレが設置されている所もある。近所の方には釣り好きな方が多く、色々な情報交換ができる程度にハゼ釣りが親しまれている穏やかな空間であることも魅力のひとつだ。
竿と仕掛けはオーソドックスな「のべ竿&玉ウキ仕掛け」
旧中川は多くの場所で水面に安全柵となるロープが張ってあり、流心を狙う事ができない場所が多い。しかし奥を狙わなくても、足元の水深60cm以内でハゼが釣れる。
このため長い竿はいらず2.7mの「のべ竿」に「玉ウキセット仕掛け」で十分釣りができる。
玉ウキからハリまでの長さは、足元を狙うなら30cm程。少し深いところを狙うなら60cm程。狙う水深にあわせて、底にエサが着くくらいの長さにウキ下の長さを調節すると良い。
こ、これは最強エサなのでは……
さて今回用意したエサは、コンビニで200円ほどで購入する事ができる「生ハム」だ。安価で日持ちもして、なにより虫エサが触れない方でも安心して使える。……釣れるのであれば。
ハゼ釣りでのエサとしての使い方は、生ハムを小さくちぎって丸めたら、針先に縫うように2回通すだけと、とても簡単。
ではその実力は……水に入れた途端、ハゼがワァ~と寄ってくる。身質が柔らかいため、喰い込みが良いらしく、頻繁にアタックされる。何度も攻撃されてもハリから外れず、エサ持ちもよさそう。
匂いなのだろうか味なのか、ハゼを寄せる力が強く、片時もエサから目を離さないようにする必要があるくらいにハゼが群れてきた。これはとんでもない特エサを見つけてしまったのでは……。
怒涛の連発!
エサとしての性能を色々試したかったのだけど、1投目からすぐヒット! まだ付いている生ハムエサを直して、またすぐヒットで息をつく暇もない!
「おぉぉ~!生ハム連発!!」と感動している暇もない怒涛のヒット。
水の中に入った途端、デキハゼ(ハゼの子供)に食い散らかさられるもエサ持ちが良いため、そのままヒネハゼ(10cm程のハゼ)を釣る事ができる。
狙う場所とアワセ方
旧中川は足元にゴロタ岩が入っていて、岩の間をメインに少し奥の岩がなくなる辺りを狙っていく。生ハムエサが底に着底するとヒネハゼが飛び掛かってくるのが丸見えだ。
足元を狙う場合、ウキを見るより生ハムエサを見ていた方が喰った瞬間にアワセを入れられる。アワセる時は、手首のスナップを使って鋭くクイッ! とアワセる。少し奥を狙う場合は、ウキの微妙な動きを見てアワセを入れると連発する。
狭い範囲でも移動するハゼ
エサを入れて反応するのは1mほどの範囲。マハゼが5尾~10尾程で取り合う事が多い。ヒネハゼを釣ってしまうとデキハゼを蹴散らすようにダボハゼが威張りだす。水の中の社会が見えてとても面白い。
マハゼの群れは少しずつ移動しているため、ダボハゼが威張りだしたら狙う場所を少しズラすと良い。
少しズレただけでマハゼの釣果がガラッと変わる。
1分1尾ペースで釣れ続ける
アオイソメなどの虫エサに比べて、生ハムはエサ付けに慣れると簡単なため、手返しが良くなってバンバン釣れるようになってきた。
散歩していた近所の方と話ながら釣っていると……生ハムエサを投入して「え!? もう釣れたの!? 連発すぎる!」と……爆笑されてしまった。笑ってしまうくらい簡単に釣れてしまう。
「釣り過ぎないでね(笑)!」なんて軽口を交わしつつ、デキハゼを逃しながらで気がついたら100尾を超えていた……(笑)。
生ハムエサに最強説あり!
3時間程の釣行でマハゼ、ダボハゼを合わせて180尾程釣れた。4枚入りの生ハムで使った量は1枚程。1パック108円で購入しているので値段を考えると驚愕のコストパフォーマンスだ。
なにより驚いたのは、ハゼを寄せる力と喰い込みの良さだった。単純に釣りエサとして有用。これなら女性や子供など虫エサが触れない人の救世主になるのではないだろうか。
釣れたマハゼは天ぷらや唐揚げで美味しく
クーラーに保冷剤を入れて持ち帰れば美味しい料理になるのがマハゼ!
小さいハゼは唐揚げに、大きいハゼは天ぷらにするとお酒のおつまみに最高!
釣りも楽しい、食べて美味しいハゼ!
夏の風物詩でもあるハゼ釣り! 是非楽しんでほしい。
今回の釣りレポート
項目 | 釣りの情報 |
---|---|
釣り物 | ハゼのウキ釣り |
ターゲット | マハゼ |
釣った場所 | 旧中川 |
釣行日時 | 2022年7月28日(木)14:30~17:30 |
釣果 | マハゼ:4~17cm×100尾以上 ヌマチチブ:7~10cm×80尾 |
使用タックル | ロッド:のべ竿 2.7m ミチイト:ナイロンライン 1.5号 ハリス:0.8号 仕掛け:ハゼ玉ウキ 3.6m 5号(ささめ針) ハリ:ハゼ鈎5号(ささめ針) エサ:肩ロース生ハム(ファミリーマート) |
今回の釣り攻略情報
- エサに生ハムを使ってみた
- 手返しをよくするため水深60cm以内を狙った
- 狭い範囲で移動するマハゼの群れを見つけながら釣った
※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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