すいすいカヤックで三重県三瀬谷ダムのロクマル狙いバス釣り旅! タックルや装備品&グルメ情報も全公開

バスボートやレンタルボートと違ったスタイル、カヤック! オールを漕いで完全人力だが、水上をとことん満喫できるのが魅力だ。ちょっと足を伸ばしてリザーバーを楽しむカヤックアングラーに迫ってみた!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

カヤックちょい旅アングラー2人のプロフィール

トントン

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三重県鈴鹿市、白子駅前で「だいどんでん」を始め複数の飲食店を切り盛りする。トーナメントスタイルとハンドメトップを愛する変人。最大魚は65cm、5,500g。

ケンちゃん

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同じく鈴鹿市で理容店「ヒューガ」でハサミを振るうケンちゃん。トントンの先輩で小学校からの付き合い。「彼を更正させたのはバス釣りです」最大魚は65.5cm、5,500g。

今回の行き先「三瀬谷ダム」

三瀬谷ダム(三重県)

JBトーナメントも開催されるフィールドで、レンタルボートはなし。オカッパリか持ち込みボートで釣りが楽しめる。遊漁券は必須で、日釣りは700円、年券は3,000円。遊漁券は店頭でも買えるが、ウェブサービス「フィッシュパス」なら時間を気にせず購入でき、朝イチから釣りが可能だ。

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カヤックは自然をダイレクトに味わえるうえ、警戒心低いバスが釣れまくる!

ロクマルを求めて池原ダムに通い込んでいたというトントンとケンちゃん。なぜカヤックを?

トントン「ロクマルの釣りがプロ野球なら、カヤックは草野球かな。のんびり、でも真剣。流れていく景色もスローで、フィールドを五感でより味わえる」

ケンちゃん「トントンに誘われてやってみたら、意外とハマって。カヤックじゃないと釣れん魚がいるのが新発見だった。特に大きいバス、賢いヤツはエレキの音を嫌う…憎んでるといえるくらい」

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自然を身近に感じながら、ロープレッシャーに釣れるカヤック。

トントン「S・カシワギ(柏木重孝)さんにカヤック釣りに誘われて、釣りに行く前日に買った(笑)とあるタイミングから、県内の三瀬谷ダムで1ヵ月、自炊と車中泊で毎日ひたすらカヤックで釣り」

三瀬谷ダムといえば古豪のトーナメントレイク。手練れの猛者がアルミボートで攻めまくっているはずだが…。

トントン「それがめちゃくちゃ釣れるわけさ。エレキの音がしないから警戒されないし、超シャローに音もなく侵入できる」

ケンちゃん「かなり低いオーバーハングなんかにも、入っていけるもんね」

トントン「そう! この人、そういうピンスポットにササっと入ってデカいのを一撃で釣りまくっとって。そりゃハマるわ」

減水&クリアップの三瀬谷ダム…さて、どうなる!?

早朝に準備を始める。忘れ物厳禁!
ケンちゃん「なんか静か…ボイルがないなあ」 [写真タップで拡大]

光が差し始めた朝のスロープで、いそいそと準備するオッサンがふたり…。

トントン「サップ(スタンドアップパドル)のお客さんが来る前に、上流へ行こう」

せっかちなトントンとマイペースなケンちゃんだが、朝マズメはダッシュすることに。ひとしきり漕いでは、手早くトップでワンチャン狙い。

トントン「どわ!? 出た!」

ケンちゃん「ピックアップ途中の船際バイトやったね!」

前日の夕方にトントンがプラに入ると、この釣果。 [写真タップで拡大]

トントン「意外と渋いし、大型が見当たらない…」 [写真タップで拡大]

さらに上流へ。涼しげなリザーバーの空気を切り裂いて、汗だくの中年カヤッカー…! お目当ての最上流に着くと、焦って初投でバックラッシュしてしまうトントン。たっぷり時間を使って直し、ラインを回収し始めると…ティップがゴゴンと震える!

トントン「食っとる!」

ケンちゃん「ロング放置メソッド炸裂や!」

トントンの放置メソッドにたまらず飛びついたのは、49cmの良型! ブルーノシャッドテールのキャロで獲った1尾だ。
トントン「水深が深い岩盤の岸と、ゴロタ岸に挟まれたサンドバーで食ってきた。朝のフィーディングだね」 [写真タップで拡大]

禍福は何とやら。嬉しい1尾はなんと50弱!

トントン「サンドバーへフィーディングにきてたヤツやな。あとはケンちゃん、頼むで!」

ふたりでいれば爆笑につぐ爆笑! せっせと上流に向かいながら、話も弾む。カヤックは水面が近く、照り返しが強いので日焼け対策も怠りなく。 [写真タップで拡大]

ラーメン大行列!……じゃなくてヌードル入れ食い状態!!

ケンちゃん「カヤックだと、ボイルが起こりやすく、しかも長く続くんやけど…今日は全く。ボイルシューティングしたかった!」

減水に伴うクリアアップで、水温も低下。そのせいか、バスからの反応はかなり薄い…。ならば、とケンちゃんはゴミだまり周辺でサイトフィッシングを始めた。

ケンちゃん「こういうゴミ溜まりは水流の関係で、水温が変化してバスやベイトが溜まりやすい。見えてるヤツは片っ端からアプローチしていきます!」

岩盤やインレットなどで、いつもは見えているビッグサイズが今回皆無…。ならばと少しでも見えているバスを釣っていく。

ケンちゃん「食った食った! 小さいけどメッチャ引く?」

菊元流サイト術!「菊元俊文プロに教わった、動かさないサイトフィッシングが功を奏しました!」とケンちゃん。こちらはボウワームヌードル8in。ネコリグや、小さめのオフセットフックをリグる「菊元リグ」が炸裂! ラインの水切り音をださないよう、そっと操作するのがキモとのこと。 [写真タップで拡大]

トントン「ヌードルでしょ、それ。爆食いやん!」

ボウワームヌードルは新作12inも含め、バスがなんの迷いもなく食ってくるのだ。

トン&ケン「イエーイ!」

35cmくらいのバスだったが、オッサンふたりが、大喜びしてハイタッチ! これもカヤックならではの、スロー釣りライフ的な楽しみの一端だ。

カヤック乗るべし慈悲はない――装備品と使用タックル

カヤック使用艇

釣り用に開発されたカヤックは使いやすい

トントンのメイン艇は、ペスカドールプロ10.0(モンベル)。フィッシング用カヤックだ。ケンちゃんが借り受けたのが、トライブ9.5(モンベル)。どちらも重さは20kg台だ。

トントン「ペスカドールは船底の最後尾にスキッドプレートが付いていて、擦り減っても交換可能。スロープでズリズリしても問題なし!」

使用パドル

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安くてタフなパドルはバスに向く

トントン「軽いパドルは疲れないしいいんだけど、高いし気を使う。パドルで岩を押したりするので、頑丈なのがいい。1万円前後が目安かな。派手な色なら忘れ防止&仲間に発見してもらいやすい。また流されるのを防止するのに、リーシュコードを付けてもいいかも」

立って釣りも可能な超安定なカヤック「ボナファイド」

エキスパートアングラー吉田遊さんも乗っているフィッシングカヤック。船体の安定性はピカイチで、安心して立って釣りができるほど。魚探などの取り付けも考慮された拡張性もトップクラス。最高峰のシリーズだ。

ネットは「ランディングに潜む危機回避にゼヒ」

ケンちゃん「引きの強い個体だと、船を引っ張れまくられたりクルクル回ったり。ネットは必要です」トントン「ハンドランディングでフック刺さって、片手で漕いでスロープまで戻ったことがある」

カヤックフィッシングに持っていくと便利なアイテム

カヤックはあまり荷物が積めないので、ルアーは厳選すべし。タックルも、ロッドホルダーなどを利用して最大3セットまでが無難だ。スマホもカメラ機能を使うなら、落とさないような工夫が必要。

防水バッグには、キーや財布、救急セットなどを用意。

トントン「あとマルチツールとかもあるといい。また水上でアブやブユなどは避けきれんから、虫除けはマスト!」

暗くなってからの後片付けに役立つのがLEDランタン。モバイルバッテリーとしても使える。万が一流されて暗くなってしまっても、救難用に。

ガンクラフトのミニクーラーボックスは、500mmのペットボトルを立てて6本収納可。ふたりのお気に入りだ! [写真タップで拡大]

使用タックル

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上2本はケンちゃん

  • ロッド:オライオンOCSC-67Mカンタータ(エバーグリーンインターナショナル)
  • リール:ZPIアルカンセNSR・ZELOSカスタム(ZPI)
  • ライン:バスザイルマジックハードR14lb(エバーグリーンインターナショナル)
  • ロッド:オライオンOCSS-63UL-STフリーウィル(エバーグリーンインターナショナル)
  • リール:ステラ2500(シマノ)
  • ライン:バスザイルマジックハード4lb

下2本はトントン

  • ロッド:ワイルドサイドWSC-ST610ML(レジットデザイン)
  • リール: SVライトリミテッド(DAIWA)
  • ライン: シーガーR18 10lb(クレハ)
  • ロッド:コンバットスティックテムジン・カレイドインスピラーレGTザ・コブラIGCXT-66M(エバーグリーンインターナショナル)
  • リール: アンタレスDCHG(シマノ)
  • ライン: シーガーR18 10lb(クレハ)

トントンおすすめ三瀬谷ベストルアー5

ABポッパー【アカシブランド】

トッパーご用達ブランドながら、高密度発泡樹脂ボディに、リューギのピアストレブルを搭載した本気ポッパー。「ペラが付いていて、多彩に動いてくれる。朝イチにピックアップでいいバイトが出た!」

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シャワーブローズ77.7【エバーグリーンインターナショナル】

驚異的な飛距離とスプラッシュを絡めた自在アクションが突出したトップウォータープラグ。「三瀬谷のバスは、昔からペンシルベイトが強いし、水面をチドるような動きが大好き。コイツはチェックが早くて助かる」

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バリキシャッド【ガンクラフト】+マキサスブレード5/0【デコイ】

「バリキシャッドはどんな水域でも使える。普段はキャロで使っていて、流れがあればネイルを入れる」ただ巻きで流していきたいならマキサスブレード。ブレードのアピールが加わり、低重心で泳ぎが安定する。

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スローシャイナー【ドランクレイジー】+マキサスブレード5/0【デコイ】

「バリキシャッドはどんな水域でも使える。普段はキャロで使っていて、流れがあればネイルを入れる」ただ巻きで流していきたいならマキサスブレード。ブレードのアピールが加わり、低重心で泳ぎが安定する。

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ブルーノシャッドテール【ディスタイル】

49cmのバスを釣れてきた今回の殊勲賞。「こいつはボディ断面が逆三角形に近くて、お腹が太いデザイン。だからか、流れに強くルアーが回転しにくい。キャロかネイルリグ、ウエイテッドフックでリグる」

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ケンちゃんおすすめ三瀬谷ベストルアー5

ボウワームヌードル 12in【エバーグリーンインターナショナル】

スリムシェイプで釣れまくりのボウワームヌードル8inに、新作12inが追加! ロングワームの魅力にバスは抗えない…。

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ボウワームヌードル 8in【エバーグリーンインターナショナル】

ケンちゃん「小さめのオフセットフックをセットして、針先から先端部までの間にネイルシンカーを仕込む菊元リグ。全然根がかりせず、めっちゃ釣れます! もちろんネコリグも最高です」

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ウエイクマジック【エバーグリーンインターナショナル】

ダウンに投げて、水流で自動アクションさせるカレント技も有名。多元的な誘いは、それぞれ驚くほどナチュラル。

ケンちゃん「サウンド、波動、キラメキ…どれもバスを狂わせます。リザーバー必携のルアーです」

エレキのないカヤックだと、ウエイクマジックの威力が大きく増す!

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鮎邪ジョインテッドクロー178【ガンクラフト】

合川ダム生まれのジョイクロは、ここ三瀬谷でも定番のS字系ビッグベイト。

ケンちゃん「岩盤エグレに流し込んで、エグレの天井にステイさせたら、真っ黒ないかついモンスターが…キスバイト【泣】!」

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ラストエース168【エバーグリーンインターナショナル】

ヨコヨコ、スライドリグで投入! カバーフィネスHD3/0【デコイ】にシンカーはMSトーナメント1/32ozだ。

ケンちゃん「これは左へと泳ぐ、通称左殺しアクション。水押しで集魚力は高し!」

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三瀬谷ダム旅情報&グルメ

ダイニング大黒屋・本店

トーナメンター御用達の宿は、ご飯も最高!

トントンさんも足繁く通うダイニング大黒屋は、旅館としても利用可能。ランチと夜に営業していて、鮮魚系はもちろん、総菜にハズレなしと評判だ。名物・さんま寿司もぜひチャレンジしてほしい。

美人女将が切り盛りする、家庭的な隠れ名店!

「初見で入りづらい感じやけど、めっちゃ美味くて常連になった(笑)」とトントンがオススメする憩。看板メニューのお好み焼き、焼きそばもパワープッシュだが、ランチの定食や夜の居酒屋メニューも鉄板とのこと。

バーガー&ドーナツ ブーケ

三瀬谷ダムを見下ろしながら食べるのはどっち?

おしゃれなログハウスで、手作りのドーナツと本格派のハンバーガーが楽しめる。テラス席があり、湖を一望しながら食事できるぞ。ドーナツはふわふわもっちり、ハンバーガーは肉々しくジューシー!

奥伊勢 宮川温泉

奥伊勢フォレストピアにある温泉施設!

宿泊施設やアクティビティが緑深いロケーションに配されたリゾート。その敷地内の宮川温泉は、日帰り利用も歓迎な温泉。ひとっ風呂浴びて、三瀬谷フィッシングの疲れを癒やしてみては? コインランドリーも併設。

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道の駅 奥伊勢おおだい

駅や役所も近いロケーションにある道の駅。道の駅としては大きくはないが、食堂や特産品など要点を押さえつつ質の高いサービスを提供している。地産品などを求めるならゼヒ!

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『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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