DAIWAのボートシーバスロッド、ラブラックスAGS BSが最新の技術を纏ってリニューアル。ラインナップは現在のボートシーバスのトレンドを受けて新たな番手が加わり、より強力で盤石な仕上がりとなっている。このロッドの真価を試すべく、監修したアイランドクルーズキャプテン・遠藤正明さんとキャスティングスタッフの小出慎さんに初秋の東京湾で実釣インプレッションを行ってもらった。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
遠藤「新技術の搭載と設計の見直しでロッドが飛躍的に進化した」
ラブラックス AGS BS 64MS(DAIWA)
ラブラックス AGS BS 66MB(DAIWA)
2022年の秋、ボートゲームロッドの人気シリーズである『ラブラックスAGS BS』がフルリニューアルされた。ロッドの開発には遠藤さんの声も大きく反映されている。具体的にどのような要望を出していったのだろうか?
遠藤「まずはブランクスですが、HVFナノプラスという高密度カーボンだけでなく、X45フルシールドというねじれ剛性の高い製法も加わっています。軽くなったし、それでいて強いブランクスになっています」
そして、トラブルレス性も重視した点。往々にして魚の時合いは短いもの。短いチャンスタイムにトラブルが起きては話にならない。
遠藤「ライントラブルに関してはガイドを吟味することで軽減することが可能です。67MLSと69MSはガイドを小さくして、数を増やしてもらいました。こうすることでキャスト時にラインがスムーズに出るようになって、キャストの抜けが良くなって飛距離が向上。抜けがいいのでトラブルレスにもなっています。特にトップのガイド絡みが劇的に減少していますよ。ジョイント部分は逆並継ぎから並継ぎにしたりと、細かい変更もしています」
軽量なブランクスに軽量なガイド。素材が幾らで軽くなってもバランスが悪ければ使いにくいし、トラブルも起きてしまう。それを番手の長さやパワーごとにバランスを吟味し、DAIWAのファクトリーチームが形にしていった。そして、出来上がったロッドは遠藤さんの期待値を大幅に超えるものだった。
遠藤「前作のラブラックスとは全く別物のロッドになっていますね。前回から引き継いだ同じ長さの番手でもだいぶ軽くなっている。これは実際に持ってもらえばすぐにその違いがわかると思います。私が自信を持っておすすめする、ボートシーバス、そして青物も含めたキャスティングゲームの最高峰と言えるロッドになっていますよ」
品名 | 全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | ルアー重量 (g) | 適合ライン PE (号) | カーボン 含有率 (%) | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
67MLS | 2.01 | 2 | 105 | 84 | 1.6/8.9 | 5-25 | 0.6-1.2 | 99 | 42,000 |
64MS | 1.93 | 2 | 101 | 99 | 1.6/9.4 | 7-35 | 0.8-1.5 | 99 | 43,000 |
69MS | 2.06 | 2 | 107 | 89 | 1.6/9.4 | 7-35 | 0.8-1.5 | 99 | 46,000 |
72MHS | 2.18 | 2 | 113 | 107 | 1.6/10.4 | 10-40 | 1.0-2.0 | 99 | 49,000 |
68MB | 2.03 | 2 | 106 | 106 | 1.6/9.7 | 7-35 | 0.8-1.5 | 99 | 45,000 |
67HB | 2.01 | 2 | 105 | 113 | 2.0/11.6 | 10-60 | 1.2-2.0 | 98 | 47,000 |
66XHB | 1.98 | 2 | 104 | 123 | 2.3/12.8 | MAX 130 | 2.0-5.0 | 98 | 49,000 |
遠藤正明さんもロッドの開発に大きく貢献
ガイド
ガイドはAGS TYPE-SとTYPE-Rのハイブリッド仕様(66XHB以外)。MHパワー以上の番手は、太いリーダー対応するために大型化。逆にライトな番手はガイドを小さく個数を上げ、トラブルレス性をアップ。
ブランクス
オープンエリアでの遠投性や、ジャーキングやドッグウォークの操作性を増すためにシャープさを重視。キャストでは最後にひと伸びするような爽快なキャストフィールを実現している。
オープンエリアでの遠投性や、ジャーキングやドッグウォークの操作性を増すためにシャープさを重視。キャストでは最後にひと伸びするような爽快なキャストフィールを実現している。
軽快なキャストフィールでオープンエリアを制圧
ストラクチャー周りのピン撃ちだけでなく、ナブラを狙ったロングキャスト、オープンエリアを流していくような場面が増えているのが近年のボートゲーム。アキュラシーだけでなく遠投性能をアップさせたのが新しいラブラックスAGS BSだ。
キャプテン遠藤さん流「ラブラックス AGS BSの機種別使い分け」
67MLS
「ナイトゲームで小さいプラグを使う場合はこれ。柔らかいからといって弱いわけではなく、ランカーが掛かっても安心のパワーがありますよ。ピンポイントを狙った釣りにもマッチします」
64MS
「スピニング4本中一番短いモデルで、これはロッド操作を優先した短さ。トップウォーター、ジャーキング、ワインドなど、ロッドを細かく操作する釣りにぴったりの番手です」
69MS
「いろいろなルアーを使うことができる、スピニングのオールラウンダー。遠投もできるし、壁際のシューティングもやりやすい。ボートシーバスロッドに悩んでいる人はまずこれから使ってみてください」
72MHS
「25gミノーや30gバイブレーションをフルキャストでき、3~4kgの青物が掛かってもしっかり寄せられるパワーがあります。シーバスもサワラもやりたいという方におすすめです」
68MB
「これは穴うちもキャスティングもできるベイトのオールラウンドで、前モデルから引き継いだ番手。トップウォーターやバイブレーション、ミノーまで、操作もキャストも気持ちよく決まります」
67HB
「コノシロパターンの大型化するルアーのために追加した番手。ビッグペンシル、ビッグミノー、ジョイント系といったルアーに対応し、ビッグベイトの中でも50gクラスの大きさが使いやすいモデルです」
66XHB
「100gを越してくる大型のルアーを正確に気持ちよく使うためのロッドです。硬いだけでは魚をバラしてしまうので、粘り強く曲がり、溜めの効くようなブランクスになっています」
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