
アジング(アジのルアー釣り)を愛好する人の間では「満月の夜はアジが釣れない」という説がよく囁かれている。そこには、様々な理由があると思われるが、では、皆既月食だとアジは釣れるのか、釣れないのか? 過去2回、皆既月食時にアジングの実釣取材をしていた編集スタッフが、そのときの釣果を元に検証!
●文:ルアマガプラス編集部
満月・大潮はアジングの釣果が伸びにくい?
アジングをやっていると、満月・大潮はアジが釣れない(釣れにくい)という話しをよく耳にする。実際、雑誌(『ルアーマガジンソルト』)でもその内容を取り上げたこともあった。
その理由は複数あると思うが、多いのが「アジが捕食する走光性プランクトンやそれをエサにするベイトが、満月の光によって広く散ってしまい、結果、ポイントを絞り込みにくくなり、釣果が落ちる」という理由。
暗さに目が慣れると、満月の光が意外に強烈だということに気づく。外灯の明かりが釣果に影響するのだから、満月の光も釣果に影響を与えても何ら不思議ではない。
つまり、満月の強烈な光が、アジングの邪魔をしているのではないか? というもの。
であれば、皆既月食の日はどうなのか? 満月の光の影響がなくなれば、アジは釣りやすくなのではないか?
実は、すでに過去2回の皆既月食時に、アジングの実釣取材の経験がある。いずれも、アジングに精通したエキスパートが取材対象なので、釣りの技術に関しては申し分ないはずだ。
では、過去2回の、皆既月食時の釣果を振り返っていこう。
1回目:2021年5月26日(水)スーパームーンの皆既月食時の釣行
この日は、DAIWAの渡邉長士さんと、アジングの実釣取材を行った。場所は東北の日本海側。ちなみに、取材担当者も渡邉さんも、当日は皆既月食だということは全く把握していなかった。
ただ、実釣取材は非常にスムーズに進行し、釣果も十分なものが得られた。
当初、渡邉さんも取材スタッフも、当日が月食だということを全く認識しておらず、実釣中にたくさんの人が、夜空のある方向にスマホやカメラを向けて撮影していたのを見て「あっ、今日って皆既月食か!?」と気づいたという状況だった。ちなみに、その際に月が欠けていくタイミングで撮影したのが、下の写真だ。
2021年5月26日(水)の皆既月食時に撮影。
2回目:2021年11月19日(金)ほぼ皆既月食時の釣行
実釣の対象者は、ジャッカルの石川文菜さんと石川仁希さんで、場所は大阪湾。アジングで満月は不利に働くことは、先にも言及した。この点について、石川仁希さんはかなりきにされていて、釣果に良くない影響が出るかも知れない、と実釣前に説明していた。
アジが夜に釣りやすいのは、主に走光性のプランクトンが常夜灯に集まり、それを捕食する小魚やアジが、外灯などの明かりのまわりに集まるからで、日中は広範囲に散っていたアジが、特定のスポットに集中するので、効率良く釣ることができる。
しかし、満月のような強い光が夜空にあると、常夜灯効果が薄れてしまい、アジが釣りにくくなるというのが、アジング実釣時に満月が敬遠される主な理由。
石川文菜さんと石川仁希ともに良型のアジをキャッチ。
ところが、大阪湾という激戦区にも関わらず、当日は良型のアジが連発。事前に石川仁希さんがプラをして下さったこともあり、月の影響を感じさせないどころか、プラよりも良い釣果が短時間でえることができた。
実は、このときも、皆既月食のことを知ったのは、取材後だった。実釣中、空を見上げたときに、石川仁希さんが心配していた満月ではなく、三日月だったので、石川さんの勘違いだったのかな、と特に気にもとめず実釣を進行していた。
つまり、皆既月食中と釣果が出たタイミングは符合することになる。
2022年11月8日(火)の皆既月食。果たしてアジングの釣果は?
満月がアジングの釣果に影響をあたえるのかどうか、そして、皆既月食のタイミングでアジングをするとどうなるか? 2度の皆既月食中の取材を通して言えるのは、皆既月食中にアジはよく釣れるということ。
ただ、いずれも皆既月食を認識して、検証目的で実釣をしたわけでないので、あくまでも結果的にそうだったということであるが。
ちなみに、2022年11月8日(火)は皆既月食が起こる。各地で、満月が影で覆われるタイミングがあるので、気になる方は是非、皆既月食中のアジングを試してみて欲しい。
東京での皆既月食
月食中の各地での月の高度
よく読まれている記事
和田真至さんは10年ぶりとなる某ダムへ遠征。いちから魚を探していき、パターンを見つけて乱獲モード! こんな秘境がまだ残されているんですね…。 目次 1 10年振りのリザーバーへ!2 今回のMVPはフリ[…]
人気陸っぱりバス釣り対決『陸王』本戦出場への道が2025年も開幕!その名も『陸王U-30』。出場資格はメーカーがサポートする30歳以下の若手アングラー。優勝者1名は夢の舞台『陸王』本戦への出場権を手に[…]
凄腕アングラーには誰しもひとつやふたつ、苦労話や驚きの体験談があるもの。一昨年のJBトップ50で年間優勝を果たした若手バスアングラー・梶原智寛さんも特殊な経験の持ち主。一本芯の通った、精神力の強さを感[…]
「ZENON」や「Revo」といった、アブ・ガルシアのハイクラスベイトリールのコンセプトでもあるエルゴノミックデザインを、スプール径33mmの採用でバーサタイル性能が高い“MAX”シリーズにもついに導[…]
全国のバスフィールドを飛び回る川村光大郎さん。今回はすでにリリースされている、ショアコンペティション・ファイヤーフラッシュF-spec(62UL)の実釣解説の撮影で室生ダムへ。ロッドへのこだわりと、当[…]
最新の記事
- 【陸王U-30優勝!】「オカッパリとボートだと見え方がガラッと変わる」優勝した鈴木翔選手のプラクティスとは?
- 「なんてインチキ臭い…」素人丸出しのセッティングが釣れる!? 20年経っても釣れる“うなわっきー”とは?
- 「本当にスゴい」「効果は抜群でした」雨でもミラーがバッチリ見える“超撥水フィルム”が登場。これからの秋雨シーズンに持っておきたいアイテム。
- まさかの2万円台!? 東レの“T1100G”を使用した高性能ブランクス。『価格破壊レベル』のエギングロッドがメジャークラフトから登場。
- 【難しいタイミングがうれしくなる!】釣れないシーバスボイルに新回答!圧倒的飛距離を叩き出す個性派プラグが小さくなった!