秋が深まるとアオリイカの平均サイズがアップ。人より大きいイカが釣りたい! と釣り人なら誰もが思うはず。その希望をかなえてくれるのが谷口さんだ。谷口「秋のエギングでサイズアップを目指すなら、一番重要なのは釣れる場所に入ること。当たり前ですけど(笑)。11月に入ればキロアップのアオリイカが狙えます」。釣り場選びからはじまる谷口さんの秋のでかイカ攻略法を伝授!
●文:ルアーマガジンソルト編集部
桐製エギを巧みに操る四国のエギングスペシャリスト
谷口 大輔(たにぐち・だいすけ)
香川県在住。少年時代は地元の野池でバス釣りにハマり、ルアーフィッシングの魅力に惹かれてフィールドをソルトに拡大。現在は四国をホームに西日本エリアで活躍するエギングのスペシャリストだ。林釣漁具製作所の桐製エギ『餌木猿』の使い手でもある。
実釣フィールド
アベレージより深め、沖め、外めにでかイカが潜む!
実釣は、秋らしくなってきたタイミングで行った。ワンド奥に秋らしいサイズのイカが姿を見せるが、実釣のテーマはでかイカ狙い。谷口さんは良型を求めて釣り場を選択。
谷口「大きな漁港の脇にある小磯の張り出しです。漁港の堤防の先端外向きで水深20mくらい。ディープが隣接するシャローエリアで、天気が良く水色がクリアなので、型の良いイカが回遊して浮いていないかな、と思って」
だが、現場の水面に目を向けると、浮いているのは9月の秋イカアベレージクラスばかり。
【Hitエギ】
谷口「ディープ隣接のシャローは、秋イカ狙いのセオリー的なポイントです。とくに磯はボトムにシモリがあって、小型イカが隠れやすい。カケアガリ沿いを回遊して、捕食でシャローに入ってくる良型のイカもいます」
サイズ的には?
谷口「アベレージよりひと回り大きい、といったところでしょうか。秋が進んでひと潮ごとにイカが成長すると、今度はカケアガリの深いほうでサイズアップが狙いやすくなります」
アベレージが500g前後まで上がってきたらキロアップも?
谷口「愛南エリアなら可能性は十分あります。プレッシャーのかかったシャローの見えイカに気を取られると、ちょっと深いところに居る良型を見逃すことになります。秋のサイズアップは、アベレージサイズよりちょっと深め、沖め。あと堤防や磯の張り出しなど潮通しの良いポイントは外面がキーになります」
例年、10月〜11月に入るとキロアップが釣れる
四国南西部の愛南は、9月に秋イカシーズンがスタート。
谷口「香川など瀬戸内側は9月だとイカの平均サイズが小さすぎ。スタートは10月からで11月に入ると、キロアップも出はじめます。水温が20℃を切るとサイズは上がりますが、釣果は1か0と厳しくなってきて、水温15℃まで下がるとシーズン終了です」
四国の他の地域はどうでしょうか?
谷口「同じ四国でも愛媛や高知の太平洋側は12月に入っても釣れて、例年12月後半は2kgクラスが出ます。ほかの地域も黒潮が絡むエリアか、そうでないかで秋イカのシーズンは似通っているはずです」
秋のアオリイカはグングン成長中! 釣り場選びはベイトの存在がマスト!
谷口「うーん、なかなかサイズアップは難しいですね(笑)」
実釣時は最大400g前後まで。デイゲーム限定。シーズン序盤で良型の個体数も少ない。秋のでかイカ狙いは全国的にみても10月以降が本番ですね!?
谷口「今回もサイトでアベレージサイズを狙えば、数は出たと思います。ただ、それがいつも通用するとは限らない」
というのは?
谷口「近年、人的なプレッシャーの影響で喰わない秋の見えイカが増えてます(笑)。去年からコロナ禍で釣り人が急増して、その傾向がさらに高まっています。だったらちょっと深めやちょっと沖で活発に捕食しているイカを狙ったほうが良いか、と」
みんなが狙わない深場や沖側を狙うことでサイズアップに直結! ブラインドの釣りで地形や流れを読んで、アオリイカの居場所を探して釣るまでの過程も楽しめますね!?
谷口「そう。だから秋のアオリイカのサイズアップは、釣り場が重要になるんです」
それは、カケアガリの下方など、平均サイズの居場所よりちょっと深めやちょっと沖?
谷口「そこにベイトフィッシュが絡んで、イカが足を止める障害物もあったほうが良いですね。秋イカは成長過程で捕食意識が強く、秋が深まるとイカがさらに大きくなって遊泳力も上がる。11月頃にキロアップのアオリイカを狙うなら潮通しが良くて、流れがヨレて小魚が湧くようなポイントを狙います」
谷口さん使用秋エギング タックルデータ
数が釣れるシーズンから、サイズを狙えるシーズンへと移行しつつある今のタイミング。状況を見極めながら、良型のアオリイカを狙ってエギングを楽しんで欲しい。
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