
観光客やサーファー、釣り客などで賑わう湘南の海。ここで地引網を入れると、どんな魚が獲れるのか? 先日行われた地引網イベントの成果をチェックしてみよう。
●文:ルアマガプラス編集部
LFC地引網イベントとは?
LFCとはルアマガフィッシングクラブの略で、内外出版社が水辺で楽しむための各種イベントを主催するプロジェクトだ。今回の地引網イベントも、このLFCプロジェクトの1つ。イベントの詳細については、下記の記事をチェックしてみてほしい。
鎌倉市由比ガ浜にて地引網&BBQイベントが開催されました。11月19日にLFC(ルアマガ・フィッシング・クラブ)初の地引網&BBQイベントを開催いたしました。当日は秋晴れと呼ぶにふさわしいお天気!スタ[…]
この記事では、上記記事ではお伝えし切れなかった、地引網で捕れた魚について、詳しくみていきたいと思う。
場所は鎌倉市・由比ヶ浜。
由比ヶ浜は、鶴岡八幡宮から南に直進した先にあらわれるビーチだ。テレビなどのメディアでも見かけることも多いだろう。この、超有名な砂浜で地引網をすると、一体どんな魚が獲れるのか? 地引網は、何が入るかわからない、福袋的なドキドキ感もある。
由比ヶ浜は、三浦半島の付け根の西側にある。滑川が注ぐ小さな湾。
地引網を行ったのは11月の中旬頃。天気は快晴。地引網を行うには絶好のコンディションなのだが、気になるのは海に鳥があまりいないという点だ。地引網をするのに、鳥がどう関係あるのか? と、疑問に思われるかもしれない。ここで言う鳥というのは、海鳥やトンビなど、海の小魚を捕食する種類のことを指している。つまり、こういった鳥がいないということは、海に地引網の獲物となる魚が少ない可能性があるということ。
海が穏やかなため、地引網を行いやすいコンディション。網の準備中の風景。ちなみに、地引網を使って魚を捕る行為は漁業法で規制されているため、漁業権者以外が行うことはできない。今回は、地元の網元「長四郎網」の加藤さんの立ち会いのもとにおこなわれた。
しかし、実際に網を入れてみると、沢山の魚が獲れて大成功。では、実際にその内容を1つずつ紹介していこう。
みんなで力を合わせて網を引く。
人力だけでは限界があるので、巻き上げ機でも網を引く。
成果の大半はイワシ。その中に、レアな魚も混じった。
捕れた成果物は一旦全て桶に入れて、そこから分類していく。全てではないが、主だった10種類の成果を見ていこう。
網が近づいてきた。一体、何が捕れているのか…?
これが、今回獲れた魚。見えているのはイワシ。いいサイズで美味しそう…。
1.【イワシ】
捕れた魚の大半を占めていたのはイワシ。この魚が多いということは、イワシを主食とするフィッシュイーターが入ってくることも期待できる。
2.【カンパチ】
これは嬉しい! ブリ、ヒラマサに並ぶ、青物御三家の1つ。寿司のネタとしても大人気の高級魚を捕獲!
3.【クロダイ】
釣りのターゲットとしても人気の高いクロダイも網に入った。いいサイズで、魚体のコンディションも良好。
4.【アイゴ】
日本の沿岸部に広く生息する魚で、関東では市場価値も低いとされているが、実際には上品な白身で高級魚として珍重されている地域もある。海藻を主食とするため、磯焼け(海藻がなくなり、磯の生物が減ること)の原因として見られることも。
5.【イトヒキアジ】
これはイトヒキアジの幼魚で、成魚は1mほどになる。成長するにつれて、その特徴的な長いヒレは短くなっていく。相模湾では幼魚がよく獲れるが、市場の価値はあまり高くない。でも、美味しい魚だ。
6.【ダツ】
細長く伸びる口と鋭い歯が特徴的な魚ダツも、複数尾網に入った。
7.【シロギス】
日本の沿岸部に広く生息する小型の魚。特に、砂浜を好み、底にいるゴカイなどの生物を捕食する。食味は良い。
8.【ロウニンアジ】
釣り人からはメッキなどと呼ばれる、ロウニンアジの幼魚。温暖な海域を好み、成魚は1mをゆうに超え、ゲームフィッシングのターゲットとしても有名。
9.【コンゴウフグ】
コンゴウフグの幼魚。かわいい。
10.【サメ】
種類は不明。
秋の相模湾で捕れる魚は何なのか? ごく浅い一部の限られたエリアではあるが、海の豊かさが感じられた結果となった。ちなみに、漁業権を持たない人が網を使用して魚を捕ることは禁じられているのでご注意を(一部例外あり)。
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