待望! ジャッカル新アラバマリグ『ラスターブレード115/185』を加木屋守さんが完全解説

破壊的な釣果で知られる通称アラバマリグ。その構造はまるで傘のように四方へとワイヤーが開くことから世界で“アンブレラリグ”と呼ばれている。国内で広く知られるようになって早10年が経過。多くのアングラーが待ち望んでいた進化系アンブレラリグがジャッカルからついにリリース。詳細は加木屋守さんが解説していく。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

加木屋守さんのプロフィールこちら

加木屋守(かぎや・まもる)

国内最高峰トップ50で活躍の後、その眼を世界へと向け2022年から米国参戦を開始。太平洋を挟んだ日米両国のフィールドを駆け巡るサムライアングラー。YouTube“マーモチャンネル”主宰。

「ラスターブレード」はワンフックアラバマの新ジャパンスタンダード!

米国トーナメントに端を発して、国内でも注目され始めたのが今から10年ほど前のこと。ベイトフィッシュの群れを演出してターゲットを寄せ、より大型を仕留めることができる新たなるワイヤーベイトがアンブレラリグだ。

その破壊的威力は一躍脚光を浴び、今やだれもがその存在を知ることだろう。

これまでの一時、国内で鳴りを潜めた感があるのは、国内トーナメントの多くで使用禁止となったためだ。しかし、近年再び注目されるようになったのは各団体で『ワンフックアラバマの解禁』という背景がある。

加木屋「長らくプライベートで試してきた結果、全てのワイヤーにルアー(のフック)が付いているより、中央に1つの方がバイトを集中させやすい傾向を感じていました」

こう語るのはアンブレラリグに造詣が深い加木屋守さん。全周にルアーを装着する場合が良いときも少なからずあるものの、多くの場合は一極集中型がベターだという。

加木屋「周囲にブレードを装着したことで、集魚能力が向上します。そして、寄せた魚をセンターで食わせるという構図ですね」

1つのルアーで寄せと食わせを兼備する稀有の存在。

加木屋「最も革新的なのは、開閉可能な構造です。開いたままの状態では収納スペースに難がある。折り畳み傘のようにコンパクトになって、レンタルボートや陸っぱりでも携帯しやすくなっていますね」

アンブレラリグの新時代を築くのがジャッカルの『ラスターブレード』。今後のジャパンスタンダードがここにある。

『ラスターブレード 115/185(ジャッカル)』

18枚の輝きと波動で寄せるワンフック仕様、陸っぱりにうれしい折り畳み可能型!

現代日本のフィールド事情に応える新時代のワンフックアラバマが登場。周囲を取り囲む6本のワイヤーにはそれぞれ3枚、合計18枚のブレードが装填。ベイトフィッシュを彷彿とさせるフラッシングを発生すると同時に水を攪拌して釣れる抵抗感を生み出す。また折り畳み傘同様にコンパクトな収納が可能で、従来は懸念だった収納スペース問題を解消。陸っぱりでも携帯しやすい画期的な次世代スタンダードだ。

項目スペック
アームの長さ115mm/185mm
ブレードカラー各3色(ガンメタ、ゴールド、シルバー)
価格3,850円/4,400円(税込)

ラスターブレードの特徴

【ウエイトアイ】アイ付きシンカー接続で深場攻略や遠投性能に貢献

センターパーツの直後には、お好みでウェイトを接続できるアイを搭載。「リザーバーなら5~10gのフリーリグシンカーをスナップで接続。8~10mで使うことも」と加木屋さん。深場攻略はもちろん、遠投能力もプラス。

【ブレード】内から外へ、小・中・大絶妙なサイズと位置設定

ワイヤーの外側に向かって3枚のウィローリーフブレードを搭載。メリハリのある絶妙なサイズ感と位置の設定により、釣れる抵抗感を生み出すことに成功している。

【スイベル式ラインアイ】ルアーが回転しても糸ヨレのトラブル回避

センターのワイヤー先端には、回転自在のスイベルを搭載。スナップやリング等で接続した際にルアーの回転を制御して、メインラインの糸よれを防止する画期的な機構だ。

フロントにワイヤーを標準装備。ラスターブレードと接続したらシリコンチューブを被せて絡みを防止。またテールにはアシストフックを搭載して、ジャレ付くバイトも獲る。

ラスターブレードのセッティング方法

スクリューキャップが要。外してアンブレラを広げ、閉めて固定するのが基本。「かなり釣りましたがワイヤーが曲がったり壊れたりはないですね」強度も万全だ。

ラスターブレード115をパッケージから取り出した状態がこの画像。折りたたみ傘の収納時のような状態で、スクリューキャップが同梱されている。

センターアームを軸に動くパーツをラインアイ方向へ押すことで、アンブレラが開く。各アームの開き具合を調整する必要はなく、すべてはこのワンタッチでOKだ。

中央のパーツにスクリューキャップをセットして締め込むことで固定。これで使用中にアンブレラが畳まれることなく、それぞれのブレードが存分にアピール。

最後はセンターアームにお好みのルアーをセットするだけでセッティング終了。スナップ標準装備で、ルアーのアイに接続。瞬時のローテーションにも便利だ。

『スリークマイキー アラバマカスタム(ジャッカル)』

「ワンフックアラバマで最も相性の良いルアーとして長らく愛用したのがスリークマイキー」と、加木屋さんが太鼓判を押すジョイントベイトがアンブレラリグ専用モデルとして登場。タイトアクションかつ中波動で過度なプレッシャーを与えない現代日本仕様のモデルだ。

項目スペック
全長90mm/115mm
重量11.1g/20g
タイプフローティング
カラー各5色
ゴールドフラッシングオイカワ、HLジャパンシャッド、スリークパールマジック、
ダークシルエットオイカワ、スモールスモークシャッド
フックサイズ#6、#10/#4、#6(※腹・リア、全てST36MF搭載)
価格2,860円/3,300円(税込)

トレーラーの使い分け

「万能なのはスリークマイキー。フォール中もアクションしてくれるのでバイトチャンスに無駄がない」と加木屋さん。しかし、条件次第では他ルアーも使い分けるのだという。

iプロップ75SS マルハタカスタム【ジャッカル】

「超クリアウォーターではコレ。タイトなスリークマイキーですが、それでも見切られるような水質のときが出番です」ペラのみが静かに回転するI字の動きがここ一番で活躍。

スリークマイキー 90/115【ジャッカル】

「ラスターブレード115にはスリークマイキーの90、185には115」が加木屋さんの基本。クリアウォーターのみならずマッディでも使用。「シェイクしながらのバマストですね」。

注目! テールにはフェザー標準装備マーモはブレードチューンも!

ラスターブレード開発段階では、アラバマカスタムが存在していなかったスリークマイキー。加木屋さんはオリジナルのテールにブレードを装着して、18+1=計19枚の輝きで見事な結果を叩き出した。試してみる?

リズムウェーブ【ジャッカル】

シャッドテール選択に悩むなら迷わずスタンダードなリズムウェーブ。115ならサイズは3.8inをセット。6本アームの先端全てに装着した本来のアンブレラも実に興味深い。

デッドスローラー【ジャッカル】

かつて「現状あるシャッドテールで最も動きだしが早く、最もスローに引ける」と語ったデッドスローラーもおすすめ。強い抵抗を生み出して、よりスローな展開が可能だ。

加木屋守さん使用タックル

「プラグならグラスロッド◎。ワームならカーボンがおすすめ」

「センターにトリプルフック付きのプラグをセットする場合はグラスロッドの乗せと粘りが欲しいですね」大型ルアーだからと安易にHパワーはご注意。「オフセットフックのワームを使うならカーボンのMH~Hパワーで」

【プラグ用】

  • ロッド:リボルテージ7ftベイトロッドMHグラス ※プロト(ジャッカル)
  • リール:ゼノンビースト6(アブガルシア)
  • ライン:レッドスプール16~20lb(ジャッカル)

【シングルフック用】

  • ロッド:リボルテージRV-C610H(ジャッカル)など

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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