手つかずの大自然でホッキョクイワナを狙え!釣りビジョン「極北カナダ 鱒釣旅」[Fishman・赤塚ケンイチ]

ベイトロッドメーカー、フィッシュマンの代表を務める赤塚ケンイチさんは、世界を釣り歩く旅人でもある。今回、まだ見ぬ魚を求めて旅に出たのは、北極圏までおよそ800kmのツンドラの大地。ルビー色に輝く川の芸術といわれるマスがターゲットだ。果たして出会うことはできるのか?

●文:ルアマガプラス編集部 ●画像出典:Fishman Youtubeチャンネル/釣りビジョン

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赤塚ケンイチ(あかつか・けんいち)

ベイトロッドメーカー、フィッシュマン代表。渓流のトラウトから海外怪魚まで海水淡水を問わずベイトタックルで挑み続ける。卓越したキャスティング技術を持ち、ロッド開発のためのフィールドワークで東奔西走の日々を送る。

今回紹介する動画はコチラ

世界第2位の国土面積をもつカナダ。今回赤塚さんが目指した旅先はカナダ西部のケベック州北部に位置するヌナヴィクだ。先住民イヌイットの居住地域で、ヌナヴィクは当地のイヌイットの方言で“生きるための場所”を意味する。地中には豊富な鉱物資源が眠り、ホッキョクグマやオオカミなど様々な動物が生息するツンドラの大地を流れる川で、赤塚さんがホッキョクイワナはじめ美しいトラウトを求めて旅する。

この記事はYouTube『FIshman TV』のムービーをチャプターごとに構成。赤塚さんは現地で出会う大自然の豊かさと厳しさ、そして魚の美しさに感動。釣り旅の魅力が堪能できる。Youtubeの動画の完全版の視聴は、釣りビジョンの番組サイトをチェックしてみてほしい。

【チャプター2 】目指すはホッキョクイワナのポイント

赤塚「(地面が)すごいふかふか。数万年分のコケがね、柔らかいマットのように沈むんですよ。これが地味に疲れますね」

映像は解けた氷土を踏みしめ釣り場へ向かう赤塚さんの姿から始まる。大地にはマッシュルームやワイルドベリーが自生し甘い香りが漂っている…のナレーションが伝える極北の束の間の夏。長い冬を迎える前に現れるのが、海から遡上し婚姻色で赤く染まったホッキョクイワナだ。

ロッジから歩くこと10分、アウトレットに到着。流れ込み下のプールにたまるターゲットを狙う。

赤塚「さぁ、極北カナダファーストポイント。ヨレにアークティックチャーが差してきているとのことで、スプーンの18gくらいかな、まずはこれでやってみます」

赤塚「いや、すごい。これは強烈だな」。顔の前で手を振る赤塚さん。極北の夏は蚊の数も尋常ではない。日本とは違う風土。さらに産卵期のサケマス類に口を使わせるのは難しい。赤塚さんはどう攻めるのか。

赤塚「(流れの)強いところのヨレをメインにスプーンを横断させているんですがまったく反応がないですね。そんなに浅くないので、今のところ中層をイメージしながら…」

極北の釣りがはじまる。

【使用ロッド】

ビームス クローラ6.6L+(フィッシュマン)
●全長:201cm(6ft6in)●自重:143g ●継数(本):3 ●仕舞寸法:75.7cm ●ルアー:6~28g ●ライン:PE1~3号

【着用アイテム】

夏用5フィンガーレスグローブ・グレー(フィッシュマン)
●サイズ:S~XXL●カラー:グレー、オレンジ、ブルー●価格:3700円(税別)

【チャプター3 】ファーストヒットは…

赤塚「よしっ、ヒット。なんだろう。喰ったね。わっ赤い。もしかしてレッドチャー? なんだ? 本命ですね。やった! えっ? そうだね。シーラン(降海型)のブルック(トラウト)も居るらしいけど。(アトランティック)チャー?」

半信半疑の赤塚さんがガイドに確かめると、ガイドは「チャー」と返答。

赤塚「Yeah,Yeah,Yeah!!」

開始数投でキャッチしたホッキョクイワナ。しかしまだ季節が早かったようでルビー色には染まっていない。

赤塚「みてください、まだオレンジスポットで、ベリーもまだほんのりオレンジですけど美しい。これが蛍光色の真っ赤みたいに染まったやつが多分居るんです。で、背中もさらにグリーンバックで」

ルビー色に染まった個体ではないが、ファーストヒットで美しいホッキョクイワナをキャッチ!

【チャプター4 】次なるポイントへ

赤塚さんは水系が変わる旅後半のエリアを期待しつつ、次なるポイントを探る。

赤塚「よしっ。やった。あっ、魚が違う。レイク? ええ、レイクトラウトだよ、渓流で」

キャッチしたのは本来、湖に生息しているレイクトラウト。こんな驚きの発見があるのも旅の魅力だ。

赤塚「渓流レイクトラウト。まさかですね。ブルックトラウトは居ると聞いていたけど。これはうれしいなぁ。レイクのポテンシャルを知ってるんで、まだまだ大きくなる魚。それこそIGFAのワールドレコードは70lbを超える。上流のロッジの前の湖にはかなり大きいのが居るらしいんで、今回の旅の間に挑戦してみたいなと思います」

リリース後、同じプールを探る。

赤塚「チェイス。目の前のでかい岩の裏に何か隠れている」

またレイクトラウトが姿を現すのか?

【チャプター5】ヒットしたのは美しい魚体のあの魚

赤塚「よしっ、強い。なんだ。赤い。小さいけどブルックトラウト。やったぜ、3魚種目。すげーきれい。映像でわかるかな。このピンクスポットとイエロースポット。そしてオレンジベリー。それと背中の唐草模様。ランディングのときにこの背中をみて興奮しましたよ。ブルックきた! みたいな。やったぁ、すごいうれしい」

キャッチしたのは美しい北米原産のマスだ。

赤塚「いやぁ、きれい。日本でも何回か釣ったことはあるんですけど、ちょっと違いますね。ここの最大魚は50cmくらいらしいんですけど、さらにお腹のオレンジが濃くなるんですって。ブルックの大型はイワナと違ってファットボディで、うーん、面白いんじゃないかな。じゃあリリースします」

辺境の釣り旅は何が釣れるのかわからないからこそ、魚との出会いがより一層感動的だ。

【チャプター6】DAY2 連発劇のはじまり

赤塚「すごいポイントですね、この川幅。(魚が)相当ストックされているんじゃないでしょうか。きっとパラダイスでしょう」

実釣2日目に入ったポイントは、2つの流れがぶつかってプールを形成。赤塚さんは1投目にオールレンジを探れるスプーンをチョイス。

赤塚「一発目で良いのを獲りたい。カウントさせようかな。バイト、バイト。またバイト」

フォール中にも魚が好反応をみせる。

赤塚「よし、喰ったな。あれ、(初日と)同じサイズだな。いやー、やばくないですか、この色。何度見ても美しい。すごい、ここ。パラダイスですよ。(流れの)ヨレのところにフォールして2バイトですよ。ちょっと巻いたらググンッと。外れてまた追い喰い。別の魚が喰ってるのかもしれないね。とんでもないプールだ」

ヒットしたはブルックトラウト。そこでミディアムダイブのミノーにチェンジ。サイズアップを狙う。

赤塚「83mmのちょっとレンジが入るプラグで。もうひと回り大きいのを連れてきてくれないかな。うぉー、すごい追ってる」

【チャプター7】え、喰うの?

赤塚「え、喰うの、これ? 喰った!」

足元まで追ってきた魚にロッドティップで8の字を描きながらミノーを泳がせるとバイト。

赤塚「すごい。世界にはこんなところ、あるんだね。参りました」

反応が薄くなると、今度は川に立ち込みアプローチを変えてみる。

赤塚「そうそう来れないところだから、お腹いっぱい釣らせていただきますよ。すごいなぁ。すごい元気」

ブルックトラウトの連発劇。赤塚さんの実釣前のコメントどおり、まさに楽園が待っていた。世界にはこんなフィールドがまだある。赤塚さんが地球の果てまで魚探しの旅に出る意味がわかる。

さらに実釣は続き、赤塚さんは流心の川底付近に大型のブルックトラウトがたまっていそうと推測。

赤塚「よし、喰った。ブレイクが見えはじめると非常に良く引くんですよね、首を振って。突っ込んで。これは太いね。じゃあリリースします。はい、ありがとう」

赤塚「ハハハハッ、また喰っちゃうんじゃない? ホレホレ、喰った。スプーン大好きですね。すごい。すごすぎるね、ここ」

流心の川底でも足元でもヒット。連発劇は終わらない。

赤塚「こんなに釣れるとこ初めてです。これはすごい。さっきまではカウント3から5くらいで、7から8くらい入れるとどうかな。1、2…7」

カウントダウン後、少し巻いてサオ先で誘いを入れるとすぐにバイト。

赤塚「よし。喰った。レンジ刻めば、なんぼでもですね」

スタートから1時間ほどで数え切れないくらいのブルックトラウトをキャッチ。世界には魚たちの楽園がまだまだ存在する。次は湖でレイクトラウトを狙うプランだが、ツンドラの大地に不穏な空気が流れはじめた。

【チャプター8】 ハリケーンが…

タックルの準備中に「ノーシャワー! ノーグッド(笑)」と赤塚さんがガイドに話す。

スタッフ「どうしたんですか?」(取材スタッフ)

ガイド「一晩、街で待機しなくちゃいけないかもしれないよ」

赤塚「明日、明後日とハリケーンが来て、次に行くロッジもそのハリケーンを食らっちゃうでしょうと(笑)。あまりにも風が強くて波が高いので船で街に戻れない。となると今のロッジに泊まらないといけなくなる。なんとか今日のうちに動いたらどうかなぁ、と思っていて」

ロッジで待機ではなく街に移動。その理由は赤塚さんにとって衝撃的な事実に起因する。

赤塚「今、泊まっているロッジはシャワーがないんですよ(笑)。今のところ2ナイト(2泊して)、頭がかゆい(笑)。だから早く次のロッジに行きたいんだけど。シャワーがなくてあと二日というのはけっこうしんどい」

こういったトラブルも辺境の釣り旅には付きもの。

赤塚「ちょっと早めにレイクトラウトをやって、俺、ちょっと(ロッジに)交渉してみますよ。早めにパッキングをしてもう渡っちゃいましょうって言ってみます。まぁ中学生くらいの英語力でもなんとかなりますよ。知りたい情報は聞けるし」

赤塚さんは旅先でのトラブルシューティングにも長けているようだ。それには言葉だけでなく人懐っこい笑顔も重要。トラブルを楽しむのも赤塚さんの釣り旅のスタイルだ。

【チャプター9】 強くなる風雨に翻弄

ボートで湖に出る赤塚さん。

赤塚「なんか、風出てきたね。これ、はじまってるの、もう? あれ、あそこ雨ですね。凄まじい風。昨日の夕方のやつだ」

ハリケーンの影響で天候が不安定。前日同様、急に天気が荒れはじめる。船上はシートを被せて雨風を防ぐ有様。“夜は夏でも気温が氷点下まで下がる極北の地。湖上でビバークするのは絶対に避けたいところである。無事に帰れるのであろうか。”というナレーションが今後の展開の不安を煽る。

このコンテンツの続きが気になる方は、釣りビジョンVODへ。この番組がフルバージョンで視聴できます。


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