「でかアジを釣りたければ、でかアジの好むシチュエーションやタイミングを意識するべき」とは、ティクトのトミー敦さん。今回彼が訪れたのは、関西でもトップクラスのアジングフィールド・淡路島。ロコアングラーとのコラボ実釣と併せて、“でかアジ”を釣るための最適解について解説してもらった。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
淡路島ってどんなフィールド?
2週間前の居残りを狙いつつ、新しく入ってくる大型の群れを狙う!
ここ数年はでかアジラッシュ!
アジング人気と共に、そのフィールドのポテンシャルに注目が集まるようになったのが、兵庫県の淡路島。
トミー「毎年、どこかのタイミングで大型のアジが入ってくるんですよね。関西圏でもトップクラスのポテンシャルと人気を誇る釣り場です」
淡路島では晩秋から春にかけて大型アジが狙えるシーズンになるという。
トミー「特に、産卵前の秋、産卵が絡む春はでかアジに期待が持てます。でかいアジが入ってくることで、島外から訪れるアングラーも年々増えているようですが、裏を返せば、それだけプレッシャーの高いフィールドということも言えます。とくにここ数年は、尺絡みやそれ以上の群れが入ってきて長い期間滞在することが多かったので、今年も期待大!?」
季節ごとの特徴は?
トミー「秋であれば水温が安定したタイミングでイワシなどのベイトの群れと一緒にショアラインにアジが入ってきます。もちろん、ベイトフィッシュだけでなく、シャローでアミがわくこともあるので、そのタイミングも欠かせません。これに対して春はサイズが大きくなりますが、単発が多いイメージですね」
季節ごとのクセもあるが、これからの時期はでかアジ期待度マックス!
トミー「最近は環境の変化もあって、秋に抱卵する個体がいたり、産卵時期も安定していませんが、全国的にも秋から春にかけては産卵が絡むシーズンです。淡路島だけでなく全国的にでかアジの可能性がありますよね!」
今回の狙いは?「居残りの大型アジを狙いつつ、回遊も待ちます」
トミー「2週間くらい前にデカい群れが入ってきていて、結構釣れていたそうなんです。ただ、ここ数日はサイズが下がってしまったようなので、デカイ群れの居残り組を狙いつつ、新しく入ってくるでかアジに照準を絞ろうかと」
でかアジが好むシチュエーションは?
トミーさんのこれまでの経験を踏まえると「外洋に面していて地形変化があることが大前提。潮が激流のように流れている場所が好ましい」とのことだ。潮の流れの速い瀬戸内海は最適な海域なのだそう。
でかアジの指針となる「瀬」を見つけろ!
トミー「漁師の方から話を聞いたこともあるのですが、釣り場の近くに“瀬(馬の背状の地形)”がある場所も有望です。ボートアジングやバチコンなどでも、そうした場所を狙うことが多いですよね。その瀬に付いた大型のアジが、シーズンになるとベイトを追うようにしてショアラインに入ってくる」
アジはタチウオを嫌がる?「常夜灯が効いてくればアジは手前に寄ってくる」
トミー「周辺でタチウオを狙っている釣り人が多かったのですが、案の定、たくさん入っていたようですね」。
まさか外道ラッシュの展開に…!?
トミー「電子ウキが沖に並んでいますね…。この魚がいるとアジは釣りにくいんですが、徐々に常夜灯の光が効いてくれば手前のシャローに入ってくる可能性も高くなる。夕マズメはキャロで広範囲を探りつつ、常夜灯が効いてきたタイミングでジグ単も織り交ぜて攻略していきます」
【タックル1】遠投用のキャロタックル
夕マヅメから釣りを開始したトミーさん。まだ常夜灯が効き始めて間もないタイミングでは、アジが広範囲に散らばっていると想定し、まずはキャロ用に持ち込んだパックロッド「ミニマリストリベルテ」の7ft7inモデルで、点灯したばかりの常夜灯周辺に狙いを定めた。
トミー「7ft7inはリベルテの追加モデルになります。6ft2in、7ft2in、8ftと3アイテムが最初にリリースされましたが、7ft7inというレングスを求める声が非常に多かったんです」
汎用性を持たせつつ、竿としての性能にもこだわった5ピースのパックロッドで、旅先でも大活躍のアイテムだ。釣りのジャンルにとらわれず、自由に使える上に、仕舞寸法50cmとかなりコンパクト。まさにミニマリストに最適なモデルとなっている。
カマスやメッキなどのライトプラッギング、ライトロックフィッシュ、秋エギングまでかなり幅広い釣りに活用することができる。今回は遠投用のロッドとして活用した。
【タックル2】近距離戦のジグ単タックル
常夜灯が効きはじめると、岸際にアジが寄りやすくなる。このタイミングでトミーさんは近距離戦用の5ft5inのタックルにチェンジした。タックルを拝見させてもらうと、なんと現在テスト中のプロトモデルとのことだ。
トミー「UTRシリーズの中に5ft5inのモデルがあって、それを今リニューアルしている最中なんです。名竿ですが、発売してからもう8年くらい経過していて、その間、ロッドの開発技術は格段に向上しました。現代のアジングに合わせた仕様にすることはもちろん、当時に比べてカーボンの質も向上しているので、新しい素材への入れ替えも進めています」
5ft5inをリニューアルするにあたり、どんな狙いがあったのだろう?
トミー「ショートレングスなんで、近距離戦向きになりますね。港内や常夜灯周りで軽量リグを用いたジグ単の釣りを主に想定しています。全体的にシャープな設計になっていて、プロトの段階ではティップもかなり硬め設計しているんですが、リグの操作性と初期アタリの取りやすさをもう少し良くするために、しなやかでマイルドな調子に変更する予定です」
感度を損なわず、操作性も重視した設計を目指しているという。先端のブランクス径は当時のものより、さらに細く仕上がっていた。
トミー「より先端でアタリを捉えることができるので、テンポよくアジングが展開できます。具体的なイメージで言えば、対象魚は豆から25㎝くらいまで。春から夏、秋の数釣りまで幅広く使ってもらえる1本だと思います」
戦略が奏功しナイトゲームで良型アジをゲット!
狙ったポイントに夕マヅメから入ると、開始早々にアジがヒット!
トミー「27cm前後ってところですね。尺上狙いでしたが、まずまずのスタートといったところですね」。
夕マヅメを過ぎた頃にティクトアンバサダーの石井裕さんも合流。
石井「ちょっと前にデカイ群れが抜けちゃったのと、今日は月明かりが眩しすぎる…。結構厳しいかと思ってたけど、なんとか1尾目が釣れたみたいでよかった…(ホッ)」
トミー「でも、その後が続かないですね。イワシのような小魚がバシャバシャやっていたから、結構イージーに釣れるかなと思ったけど、タチウオが影響しているのか、レンジが下がり気味。かといって当たるレンジの範囲が広いから、安定しない感じですよ」
タチウオを意識して中層から底付近を中心に探っていたという。
トミー「アタリは何回かありました。アジっぽいアタリでしたよ。徐々にライズも増えてきてるから、そろそろジグ単に変更しようかな~と。ただ、左から右に流れていた潮が、いきなり右から左に変わったんですよね…」
潮の流れはどう影響するのだろうかと誰もが思った瞬間、石井さんの竿が絞られ、良型のアジをキャッチ! さすがロコアングラーである。
石井「今、回収の途中でしたよ! 巻きの釣り。ワームは2.5in。活性高そうですね」
石井さんのアジもトミーさんのファーストフィッシュ同様、27cm。立派な体高が印象的な1尾だった。
淡路のロコエキスパート石井さんも到着するなりさっそく良型をゲット!
遅れて合流したティクトのアンバサダー・石井裕さんも、竿を出すなりこの魚。お見事です!
石井「これくらいが今日のアベレージかな? 周りも同じようなサイズだもんね。月夜だから難しいかな~って思ったけど、なんとか釣れてよかったわ」
淡路島ロコのメモリアルフィッシュ
こちらは石井裕さんが釣り上げた30オーバーの釣果の一部。魚を見ると体高の太さに驚かされる。過去最高は36cmだそうだ。
石井「かつての淡路島では30cmオーバーはなかなか釣れなかったんです。自己記録の36cmも2019年の11月ですから」
四国で釣り上げた51cmのギガアジ
こちらは過去にトミーさんがキャッチした、圧巻の51cm! しかもデイ!
トミー「四国での釣果ですが、大型が接岸する秋の夕マヅメのタイミングに、大型が定位するであろうボトム付近をメバスタ3.5g+ブリリアント2.5inで探るとヒットしました。ワームカラーは銀粉ジャコブルーUVでしたね。とにかく興奮しました!」
豆アジからギガアジまで狙って釣ってしまうトミーさん。さすがエキスパートという釣果でした!
圧巻の51cm!
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