[冬アジング]ポイント選びの基準となる水温は何度? 実釣場所も詳しく紹介! 藤原真一郎・ラグゼ

近場で手軽、少しの変化が大きな差を生む面白さをもつアジング。季節が冬へと進み寒くなるとオフシーズンかと思いきや、実はデカアジが狙えるチャンスでもあると話す藤原さん。その秘密に迫るため、藤原さんと釣り場へGo!

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●文:ルアーマガジンソルト編集部

2024 シーバス特集

冬アジングを論理的に解説!

藤原真一郎(ふじわら・しんいちろう)

激戦区大阪泉南をホームとし、全国各地のフィールドでも数々の実績を上げるライトゲームのスペシャリスト。現場での豊富な実釣経験を持つ行動派でありながら、魚の生態に関する学術書を読み研究する頭脳派でもある。ラグゼプロスタッフ。

水温を基準にアジの居場所を絞り、回遊するでかアジを狙う!

一段と気温が下がり冬の気配が近づくと、アジングのポイント選びや釣り方はどのように移り変わるのか?

藤原「私のホームである大阪湾では、一部の局所的な例を除いて、冬はオフシーズンになります。広い意味でエリア(釣り場)を選ぶことが必要です。わかりやすいエリアとしては、オフシーズンがない年中アジが釣れている場所が良い。たとえば夏の水温が高い時期のみアジが釣れているような場所はエリアから外れます。より快適な場所へ移動してしまいます」

年中アジがいるオフシーズンのないエリアは、どういった場所ですか。また、どうやって見つけているんですか?

藤原「水温が大きく関わっていると考えています。水温が15℃を下回らないところや、外洋に面しているエリアです。こういったエリアにアジが回遊し集まってきます。加えて冬は傾向として、良いサイズが釣りやすくなります」

どうしてサイズの良いアジが釣りやすくなるのですか?

藤原「水温が高いエリアは、エサとなる小魚やプランクトンも集まってきます。これを求めた大きいサイズのアジが接岸してくるためです」

アジの釣果に大きく影響する回遊についても藤原さんに話を伺った。

藤原「学術書などの文献をみると、夜間に直線距離で最大2.7kmの移動が観測された例があるほど、広範囲に回遊しているとされています。また回遊にパターンが見られることもなく、いつも同じ群れが同じタイミングで動いているとは限らないようです」

ほかにもエリアを選ぶ際は、風の向きや天候なども考慮する。

藤原「風の影響も結構大きいので、向きや風の質でポイントを選びます。暖かい南風はよい状況に働くことが多いですが、冷たい風は水温が下がり良くない場合が多いです。少しの違いでも風裏となる場所が良いと思います」

取材日前日の天候は雨でしたが、こういったことも影響しますか?

藤原「雨が降ると川の水が多くなり濁りが出たり、水温が下がったりする。雨の当日は良いことが多いですが、翌日はあんまり良いことがないですね」

天候が安定した日続いているほうが、安定した釣果にもつながる。

藤原「特にシャローの釣りとなる陸っぱりの釣りは、水温や風の影響、川の水の影響も受けやす口なります」

このように水温や天候を考慮したエリア選びが、釣果アップにつながる。アジの群れを見つけることができれば、冬はサイズ狙いの釣りつながっていく。

水温は15℃以上のエリアを目安に下回ると、アジがいない可能性大

アジは温暖な水温を好み、水温が低くなると暖かい場所や水温が安定している場所へと移動していく。魚の習性に関わる文献から、藤原さんは15℃以下になるエリアにアジは少ないと話す。

また、適した水温の限られたエリアにアジが集約されていることで、小さいアジよりも体力的に勝る大きなアジの行動が目立つことも、冬に大型のアジが狙える理由と考えられる。

藤原「大阪湾のような内湾では10℃を下回る時もある。アジは13℃くらいまでその場に残りますが、釣り辛い状況になる。温排水が出ているところや水深がある場所などで狙えなくはないが、基本的にはオフシーズンのエリアになります」

冬は良型のアジの確率が高まるシーズンだと、藤原さんは考える。

では、15℃がポイント選びのキーとなる水温となるんですね。具体的には、どういった場所がいいのでしょうか?

藤原「関西では紀伊半島など外洋に面している15℃を下回らないエリアが狙いやすくなっていきます。冬場でも釣れるエリア、基本的には年中アジが釣れているような場所です。そういった場所では冬にその場所の最大サイズが釣れるといった傾向になります」

冬場のアジングは厳しいイメージがあるかも知れないが、水温15℃という基準でポイントを絞り込んでいけば、良型アジと出会える可能性が高まるという実績もある。皆さんのホームフィールドでのポイント選びでも、参考にしてみてほしい。

ジグ単・近投用とフロート・遠投用の2タックルで幅広い状況に対応!

タックルはジグ単用と藤原さんの釣りの代表でもあるFシステムで沖を狙う遠投用の2タックルを用意。ジグヘッドのウェイトは0.2gから1.8gを使用。水深のある場所によっては3gまで使用することや、深場でもスローな誘いにしか反応しない状況では、軽いものも必要となる。

藤原「ジグ単のみで成立する時期と比べて、冬はより水深の深い場所や沖まで探ることが必要になります。そのため遠投用タックルや、スローな釣りが効果的なこともあるのでジグヘッドのウェイトも軽いものから重いものまで幅を広く用意します」

【ジグ単・近投用(左)】
ロッド:ラグゼ宵姫華弐S59FL-solid(ラグゼ)
リール:イグジストLT2000S-P(ダイワ)
ライン:アジの糸エステルナイトブルー0.35号(サンライン)
リーダー:トルネードVハード1号(サンライン)

【フロート・遠投用(右)】
ロッド:ラグゼ宵姫華弐S86H-solid(ラグゼ)
リール:イグジストLT2000S-H(ダイワ)
ライン:スモールゲームPE-HG0.5号(サンライン)
リーダー:トルネードVハード1.5号(サンライン)
リグはフロート(端糸)側を10cmほど、メイン(ルアー)側を1.5mほどとったFシステム

「ルアーマガジンソルト2023年1月号」はアジング特集!


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