ハゼパターンでシーバスを狙え! アフターシーバスは落ちハゼを食っている【リライト調査隊が調査】

東京湾では1月~2月になるとバチ抜けパターンでアフターシーバスを狙うアングラーが多いと思う。しかし、たとえいい潮を選んで行ったとしてもバチが抜けていない…バチはいるけどシーバスからの反応がない…という悲しい状況があるのも事実。そんなときに試してもらいたいのが「ハゼパターン」だ! リライト調査隊のBOSS吉田がとっておきの釣り方を教えてくれたぞ〜。

●文:BOSS吉田(リライト調査隊)

実釣&解説は「リライト調査隊」! 今回はBOSS吉田が単独釣行

reLight調査隊(りらいとちょうさたい)

オールマイティに釣りを楽しむBOSS吉田を筆頭に、酔っ払い釣り初心者担当カツ、真面目な釣りバカ担当高橋五段、の3人組。釣りの楽しさを伝えるべく淡水、海水問わずルアーフィッシングを中心に活動。ハゼ~GT・サメまでやろうとしている生粋の釣りバカYouTuber。

BOSS吉田

元釣具店店員であり、釣りのジャンルを問わずあらゆる釣りに打ち込むフィッシングジャンキー。最も得意な釣りはシーバスだが、並行してハゼクラにも力を入れており、一過言あり。2019年から続く「Hz-1GP(ハゼワングランプリ)」に連続参戦中で、毎年優勝するほどの実力者でもある。それ以外にもエサ、ルアー問わず幅広い釣りに精通!

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東京湾の年始めはバチ抜けパターンの序盤! でもダメなときはどうする? 「ハゼパターンを試してみましょう」

1月~2月になると「アフターシーバス」というキーワードをよく耳にするようになる。この時期になると、シーバスマンはバチ抜けパターンアフターシーバスを釣ろうと意識することが多いと思うが、バチ抜けでは潮回りの選び方が非常に重要になってくる。

でも、潮をしっかりチェックして行ったのにバチが抜けていないとか、バチはいるけどシーバスからの反応がないとか、釣果が伴わないことも多々ある。そんな経験をお持ちのシーバスマンも多いのではないだろうか?

そんな時、狙い方を変えると急に反応が出るようになったり、良型シーバスに出会えることがある。それが今回紹介させていただく「ハゼパターン」だ。

盲点だった! ハゼパターンとは

身近な存在のハゼ。

エサ釣りからルアー(ハゼクランク)まで幅広い釣り方で釣れるハゼ。その手軽さもあって、多くの釣り人に親しまれている。

5月前後に海から遡上を始め、河川へと入ってきたハゼはどんどん成長、8月頃には釣りのターゲットとしてちょうどいいサイズになり、秋になるとさらに成長。ハゼ釣りの最盛期を迎える。

その後冬に産卵のため海へと下るが、ハゼ釣りとしてはオフシーズンにあたる。今回紹介するのは1〜3月のシーバス釣り。果たして、そのタイミングでハゼパターンが成立するのか!?

厳冬期のシーバスはバチやアミだけでなく、ハゼやエビ、カニも積極的に捕食している!

東京湾奥のシーバスは、10月~2月頃に産卵のために東京湾を南下。千葉県側や神奈川県側を通って東京湾口(観音崎付近)を目指す個体もいれば、そこまで南下せずに河口から数kmの深場で留まる個体、河川の流心深場にしか移動しない個体など、移動する距離は様々で、移動した先で産卵行動を行う。

陸っぱり、ウェーディングで射程圏内に入らない場合が多く、産卵に入ると釣り難くなる。その後、産卵を終えたシーバスは体力に乏しく、遊泳スピードも遅くなるため、やせ細る。当然ながら、イワシやイナッコなど回遊力のあるような魚類を追い込んで捕食することが難しくなる。この産卵後のシーバスのことをアフターシーバスと呼ぶ。

厳冬期になると、アフターシーバスの捕食対象として名前が挙がってくるのがバチとアミだ。この2種はベイトとして、パターンとして広く知れ渡っており、遊泳力に乏しく大量に発生する。しかし、ボトム(底)にいて動きがあまり早くないハゼ、エビ、カニも実はこの時期に、積極的に捕食している。中でもハゼを捕食している個体はコンディションの回復が早い傾向にある。

アフターシーバスを狙うタイミング

沖の深場にいたシーバスがいつ射程圏内に入ってくるのか? 水面を覆いつくす程に大量発生するバチやアミが沸けば自然とシーバスも寄ってくるが、その気配がない場合は南風が釣果のカギを握る。泳ぐ力が弱くゆったり進むシーバスは、南風に押された潮に乗って陸っぱりからの射程圏内、シャローエリアに入ってくるのだ。

そして、実は夜の水深 1m〜3m程のシャローには、産卵に入った動きの鈍い落ちハゼも入ってくる。彼らは日中、岩場やカキ瀬の中、砂地などに穴を掘って身を隠しているが、夜になるとボトムにいるエビ・カニを捕食するために出てきて、ボトムに張り付いているのだ。このハゼを拾い喰いしているシーバスを狙うとサイズも期待できる。

狙うべき場所

ボトムが砂泥で岩やカキ瀬、カケアガリがある河口付近。ある程度水深があり水温が安定している運河など。

実釣当日、ボトムに潜むハゼを発見! [写真タップで拡大]

こちらはエビ。ハゼはこれを食うためにシャローに入ってくる。 [写真タップで拡大]

年明け直後の実釣当日もちゃんとハゼが釣れました!

ハゼパターンに最適なルアーをゲット!

スパークテール90+スパーク・ヘッド(共にアクアウェーブ)の組み合わせ

【スペック】
●サイズ:90mm●カラー:19色●入数:5本●価格:860円(税別) [写真タップで拡大]

【スペック】
●サイズ:1/4oz、3/8oz、1/2oz、5/8oz●カラー:シルバー、ゴールド、ガンメタ、グロー、GFシルバー●入数:2個●価格:800円(税別) [写真タップで拡大]

元々は歯が鋭いタチウオのワインド釣法用に作られているのだが、ハゼのシルエットにベストマッチ!ということで、ハゼパターンで使ってみることに。 さらに使ってみてわかったのが、マテリアルが硬く、シーバスワームによく見られる柔らかいものではなく、マテリアルが硬いということ。すぐに裂けてしまうようなことがないので持ちが良くコスパも◎。また、ボディ中央のクビレにより、硬いながらもクビレから折れ曲がるので、口に入りやすい。

アクションは、ただ巻きでボディ全体がウォブリングしながらも、ボディとは別にシャッドテールがプリプリと動きアピール力が非常に高い。ただ巻きやリフト&フォールなど、状況に合わせてテクニックを使い分けられる汎用性の高さにも注目したい。専用のスパークヘッド装着の場合は、ワイヤーをセットしやすい下穴もついているので、簡単に真っすぐセットできる。

根がかりの多いところでは、マテリアルが硬い分、ジグヘッド装着にコツがいるので予めセットしておくと手返しが早くなる。より目立たせたい場合は、ケミホタル20、25をケミホタルホルダー穴に挿入することが可能だ。 ジグヘッドにスパークアシストフックを装着すれば、ショートバイトのフッキング率を上げることができる。

組み合わせ例

ハゼパターンの狙い方

根がかりの多い場所だったので、まずはスパークテール 90(UVピンクシルバーF)に12gのオーソドックスなジグヘッドを装着した。ショートバイトを逃さないためにスパークアシストフックシングル2/0もセット。まずは、 流れが当たる水深3mの砂地のカケアガリの先にキャストした。

素早く糸フケを取りラインを張りながらカーブフォールでボトムまで落とす。 シーバスが群れで入っていて活性が高ければ、ボトム着底と同時にヒットしたり、着底直後の動き出しでバイトが出るもののこの日は数が少なく活性も低め。

ボトムのゴツゴツを感じながら1秒にハンドル1回転の巻き方でゆっくり巻いてシーバスに気付いてもらえるように、ボトムの凹凸や岩にぶつかったら止めてチョン! と跳ね上げる。ハゼがボトムをゆっくり移動する様子、ビックリして逃げるような様子をイメージして巻いてくる。

そのままボトムを感じながらゆっくりただ巻きをしていると、水深2mのカキ瀬のキワに入る瞬間にモソッと反応が! 沖から入ってきたばかりと思われるアフターシーバスだった。ハゼを拾い喰いしているシーバスのバイトは、「ゴン」でも「コン」 でもなく「モソッ!」 と何かが引っ掛かったようなバイトのため、鋭いアワセ方ではなくラインを張る様にスウィープにフッキングさせる。

一尾目はこちらのシーバス。早々にハゼパターンが成立した!

場所を少し移動して、今度はしっかりカキ瀬が入っている根掛かり多発地帯の先に同じくスパークテール90(UVピンクシルバーF)をキャスト。カキ瀬に差し掛かる手前でボトムからの上昇軌道で反応させようとスパークテール90を上げた瞬間…モソッとヒット!!

コンディションが回復傾向にあるこれまたヒレピンの綺麗な良型シーバスキャッチ!! ランディング途中で喉の奥から17cm程の落ちハゼが2匹出てくるという、狙っていた通りのパターンがハマって嬉しい瞬間!

狙い通りのパターンがハマり、2尾目もスムーズにキャッチ!

シーバスの口の中。抱卵したハゼを捕食していた。 [写真タップで拡大]

落ちハゼをイメージさせるワーム+ジグヘッドの組み合わせで狙い通り釣果を得ることができた。 [写真タップで拡大]

ボトムを狙うおすすめラインシステム

根がかり回収率を上げるために、PE1号+ナイロンリーダー30Lbのセッティングで挑んだ。

ボトムメインで狙うので場所によっては根掛かりが多発する。ルアーロストを少なくする為にPE1号にナイロンリーダー30Lbがおすすめ。リーダーはヒトヒロと長めに取る。リーダーが太いので、ボトムズル引きで岩や牡蠣殻に根掛かかった場合の回収率が上がる。

また回収できた場合でもリーダーの先がザラザラに傷付いている場合が多く、傷付いた部分はカットしてスナップに結び直すことで、新たに丸々リーダーを付け替えるより手返しが早くなる。太くても伸びるナイロンは、バイトを弾くことなくヒットさせることができる。

ロッド角度は上に斜め 45 度!でヒット率&根掛かり回避率アップ

ロッドを立てることでヒット率&根がかり回収率は上がる!

シーバスがワームをフワッと拾い喰いした時にラインが一瞬緩む。この時、ロッド角度を上に構えおけばラインテンションを保てるため、アワせるタイミングが極端に遅れることがなく、ヒット率が上がる。また、ボトムズル引きでワームを引いているので、根掛かりするような障害物に当たった場合でも瞬時に上に跳ね上げれば回避率が上がる。

当日は4色を準備したが、一番上の「UVピンク/シルバーF」への反応が抜群だった。

とにかくハゼパターンを試してほしい!

ズルズルとボトムを引きずり、散々岩やカキ瀬にぶつけるという酷使した使い方をしながら良型シーバスを釣っても「スパークテール90」ジグヘッドからズレないし、裂けなかった。ロストしない限りずっと使えそうな気がする…。カラーも豊富なので状況に合わせてローテーションつつ、ハゼパターンを楽しんでいただきたい!!

カラーバリエーションも豊富!「レッドヘッド」「パールホワイト」「スーパーグロー」「UVピンク/シルバーF」「UVクリアー/シルバーF」「ライムチャートグロー/シルバーF」「小鰯」「ピンクヘッド/シルバーF」「レッドゴールド」「ファイアーグロー/レッドF」「グローレッドヘッド」「SGグリーン/ブルーF」「ソフトグローピンク/パープルF」「GFクリアーピンク」「GFチャートヘッド」「シラスグロー」「ゼブラグロー」「ピンクゼブラグロー」「パープルゼブラグロー」。

BOSS吉田が解説しながら良型シーバスをキャッチする実釣動画も必見!


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。