バス釣りトーナメンター&ルアーメーカー勤務ってどんなお仕事? 収入は……【釣り業界のお仕事紹介】

バス釣りの楽しみの究極系ともいえるトーナメント。時にそれは人の人生を狂わせるほどの魅力を持っている。だからこそ、トーナメントを主軸においた生活を送ろうとする人も少なからずいる。国内最高峰トーナメントに参戦する藤田夏輝さんもそのひとりだろう。そんな藤田さんが選んだ道は、大人気メーカー・ジャッカルに勤めながらの二足のわらじだ。今回はそんな藤田さんの仕事のリアル、収入は一体どれくらいなのか? などの気になる事情を徹底調査!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

藤田夏輝さんのプロフィール

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藤田夏輝(ふじた・なつき)

1994年生まれ埼玉育ち。父親の影響で幼少の頃から様々な釣りに触れる。

小学4年生の頃からバス釣りにはまり、現在はJBトップ50などの試合に出場しつつジャッカルに勤務するサラリーマントーナメンター。

初バスはケロール(ラッキークラフト)でキャッチ。

この仕事についた経緯は?

弟と一緒に声をかけてもらいました(笑)。

高校2年のときに河口湖で行われていたヒューマンフィッシングインターハイに出場したのが人生初のトーナメントで、その翌年からは高滝湖のチャプターに出るようになり、徐々にトーナメントにハマっていきました。18才から働いていましたが、とにかくトーナメントに出続けることが目標だったんです。

それで23才のころ、キャスティング岩槻店でアルバイトをしつつガイドを行っていたときに、当時ジャッカルにいた成尾拓史さんに弟と一緒にスポンサードの声をかけてもらったんです。しかも私生活のことも心配してくださって、東京でジャッカルの採用面接をうけることになりました。

メーカー勤務はまったく考えていなかった道ではありましたが、トーナメント出場もサポートしてくれるということで、ほかからの誘いもありましたが、1番面倒を見てくれそうなジャッカルに行くことに決めたんです。

2022年のJBトップ50にも参戦し、最終戦が行われた桧原湖では総合3位にビッグフィッシュ賞をも獲得。年間順位も11位と好成績となっている。会社勤めをしながら、全国トレイルができるのはジャッカルのサポートがあってこそだ。 [写真タップで拡大]

仕事内容や1日の流れを教えてください

実はワーム製造→工場管理→企画開発と点々としているんです。

実はつい先日から所属部署が変わりまして、現在は新プロジェクトの企画開発ということになっています。まさしく来年のフィッシングショーで公開される内容なので多くは話せませんが、新しいルアーの考案やテストが主な仕事内容です。スゴイものができそうなのでご期待ください(笑)。

入社した当初は丁度ジャッカルが新しく作ったワーム工場への勤務でした。そこでワームを作ったり生産ラインの管理をしていました。季節によって温度や湿度が違うと、ワーム作りの素材配合が少しづつ変わってくるので、そこを調整したり、出来上がったものの品質をチェックしたりしてたわけです。

何年かすると、工場勤務のスタッフも増えることになりまして、それに併せてスタッフの採用など、マネージメント的な部分も管理していくようになりましたね。

ジャッカルCEO・小野俊郎さんとフィールドに出てテストをしている藤田さん。企画開発に異動したことで、それまでとは業務が一転。図面作成や海釣りなども勉強しているとか。 [写真タップで拡大]

どんな人に向いている仕事ですか?

サイトフィッシングが得意な人とかですかね。

今ついている開発系でいうと、バスをよく見ている、観察が好きな人には向いていると思います。ちょっとしたことにも気がつけること、バスがルアーにバイトするまでの全てをよく見て学ぶことは釣れるルアーを生み出すきっかけになるはずです。サイトフィッシングが得意な人とかはいいかもしれませんね。

特別なスキルをもともと持っている必要はありません。ジャッカルには全部のことについて教えてくれる先輩がそれぞれいますからね。釣りに関係ない会社に入るくらいの感覚で大丈夫なくらいです(笑)。もちろん、釣りが好きならなおさらいいですけどね!

矜持やプライドはありますか?

常識にとらわれない。そうすれば新しい扉が開きます。

工場にいたころは、安定した品質で生産するのは当たり前で、それをクリアしつつ、計画通りに生産して納品することこそが使命だと思ってやっていました。ちょっとでもそれが遅れるということは、釣れる旬を逃してしまうわけですからね。

今の部署では、ルアーのテストをするようになって、1つのルアーを投げ倒すことで見えてくるものがあることを学びました。常識にとらわれないことが、新しい扉を開くことに繋がるんです。

それから来年もトップ50やマスターズに参戦するつもりで、これは社長の小野も言っておりますが、やはりトーナメントという研ぎ澄まされた場だからこそ生まれるものや、気づけないものがあるんです。現役トーナメンターで居続けることにも仕事的な大きな意味があるんですよね。

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仕事のやりがいはなんですか?

SNSなどで釣果を見かけると嬉しかったです。

工場勤務だった頃はワームカラーを考案したこともあって、SNSなどでその釣果をみると嬉しかったしやりがいを感じていました。

企画開発に移ってからは、自分がこれまで培ってきた釣りの全てを発揮できる環境で、それを評価してもらえるということにやりがいを感じています。

収入について教えてください

年収で高級アルミボート1台分とかですかね。

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ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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