[サワラの基本]アタリがあっても止めずに巻く!その理由は…?船長の解説に思わず納得! 大阪湾・インショアゲーム

エギングエキスパートの湯川さんとジギングエキスパートの山本さんが、狙うはハイシーズンを迎えた人気魚種、サワラとタチウオだ。本格的なインショアゲームは初めてというお二人の実釣を通して秋の大阪湾インショアゲームの魅力をたっぷりとお届けしよう。

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●文:ルアーマガジンソルト編集部 ●協力:(株)シマノ

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アングラー紹介

湯川 マサタカ(ゆかわ・まさたか)

豊富な経験と鋭い洞察力でアオリイカを的確に追い詰める日中エギングのスペシャリスト。空気を切り裂く鋭いシャクリから“侍JOE”の異名を持ち、ベストな釣りを引き出すためのタックル選びにも強いこだわりをもつ。シマノインストラクター。

山本 啓人(やまもと・ひろと)

幼少期からエサ釣り、バス、ソルトルアー全般を楽しむ過程でジギングにたどり着いたオフショアのエキスパート。豊富な実釣経験による理論と海況に抗わない自然体で釣りに臨み釣果を上げる。

角井 良隆(かどい・よしたか)

大阪府堺市が拠点のチャーター船、シーマジカルのキャプテンの一人。シーバスやタチウオなど大阪湾のボートゲームを知り尽くし、とくにサワラ狙いで一家言持つ。的確なアドバイスで釣らせる人気の船長だ。

エギング&ジギングのエキスパートが大阪湾インショアゲームを楽しむ

大阪湾のインショアゲームに繰り出すのは、エギングエキスパートとジギングエキスパートのお二人。

湯川「そもそも、インショアって何ですか? オフショアとは違う?」

山本「ボートで岸の近くを釣るゲームです。オフショアのジギングは、ポイントまで航程30分から下手すれば5、6時間かかることもある。そういう意味では同じボートフィッシングでも手軽に楽しめますね」

湯川「エギングしててもショアから届きそうで届かない沖のボイルって結構多い。それが狙えるってことやね。楽しみですね」

近畿圏在住のお二人も大阪湾のインショアゲームは初挑戦。サポートするのは大阪湾のインショアゲームに対応するチャーター船、シーマジカルのキャプテン角井さんだ。

角井「ボートで5分、10分走ればもうポイント。機動力のある船でキャスティングゲームを楽しんでいただこうと思っています!」

出船前に角井キャプテンの話を聞き、胸を躍らせるお二人。実釣でどんなゲームが展開されるのか?

【村田基さんの東京湾インショアゲーム記事はコチラ】

大阪湾インショアゲームは年間通して幅広い魚種が狙える

大阪湾インショアゲームは秋がハイシーズン。ターゲットはサワラとタチウオ?

角井「日中はサワラ、青物のキャスティングゲームが盛り上がります。夜はシーバスが面白いです。タチウオは秋口から12月頃まで狙えますが、大阪湾は秋だけでなく年間通して様々なターゲットが手軽に楽しめます」

通年楽しめるのはいいですね。季節ごとに、狙えるターゲットが変わってくるということですね。

角井「主なターゲットで言うと、春は湾内にイワシが入ってシーバスがメインになります。夜はアコウ(キジハタ)狙いの人で賑わいます。夏は水温が上がって、チヌのトップウォーターゲームがアツくなりますね。夜は夕涼みがてらアジングも楽しめます」

ボートアジング、いいですね。冬のターゲットとしては、どのようなものがありますか?

角井「冬はライトゲームでメバルやガシラ。チヌのボトムゲームも面白いですね。あとアジ、メバルのライトゲーム以外はシーバスロッドやライトなジギングロッドでも楽しめます。湯川さんにも山本さんにも同じことを伝えてあるので、お二人がどんなタックルを用意したのかも楽しみですね」

ほかの釣種からタックルを流用できる手軽さも、インショアゲームの魅力と言えるだろう。ちなみに、実釣時のターゲットは秋の人気魚種サワラ(サゴシ)とタチウオがメイン。サワラ狙いでメジロ(ワラサ)、ハマチ(イナダ)、サバなどの青物が混ざる。

秋の大阪湾インショアゲームは沖より釣れる!?

実釣時の秋は大阪湾インショアゲームのハイシーズン。その訳も角井キャプテンに聞いておこう。

角井「秋の大阪湾は湾内にイワシが大量に入ってくるんです。しかも岸寄りに。それを捕食しにサワラや青物が入ってくる。鳥の動きを追うとボイルが起こることも珍しくありません」

そのイワシの濃さはポイントに着くと一目瞭然。魚探には水深10mほどの中層にベイトフィッシュの群れが帯状に映し出される。

角井「この帯が割れたところはサワラか青物が突っ込んでます」

釣り場に着くと魚探にはイワシの群れが帯状に映る。帯の切れ目がサワラや青物に追われた形跡だ。

湯川「うわっ! イワシだらけや!」

山本「船長、早やくやりましょう! 最初は、どんな釣りから始めますか?」

角井「まずはサワラ狙いでブレードジグのキャスティングから。同じ釣り方でメジロ、ハマチ、サバも喰ってきます。あと時合いがきたら、近海のタチウオも狙ってみましょう」

実釣中は岸近くでボイルや鳥山が度々発生。インショアはサワラ、青物の魚影が濃く、活性も高い。

アタリがあってもとにかく巻き続けるのがサワラ狙いの基本!

サワラ狙いで使うルアーはボートサワラ用にチューンされたブレードジグのオシア メタルショットTGボートサワラ。攻め方はチャーター船の場合、キャプテンがアドバイスしてくれるので初めてても安心だ。

オシア メタルショットTG ボートサワラ[シマノ] JU-T32W/JU540W

[SPEC]
●自重:32g、40g
●カラー:全7色
●本体価格:2100円、2380円(2023年3月発売予定)

当日のメインベイトのイワシと比較しても、ジャストサイズのオシア メタルショットTG ボートサワラ。

湯川さんのロッドはボートシーバス用のディアルーナBS S610M。山本さんはスーパーライトジギング用のゲームタイプLJ S610-0をチョイス。キャストと巻きの釣りにも対応するモデルだ。

【湯川さん使用ロッド】

【山本さん使用ロッド】

角井「釣り方は投げて底まで沈めたらひたすら速く巻く。アタリがあっても巻き続ける。これがサワラ狙いの基本です。簡単に言うと高速のタイラバのイメージですね」

湯川「アワせちゃうとダメなんですか?」

角井「サワラはルアーを追いかけてそのまま突っ込んで喰うんで、アワせても間に合わないんです。だから、バイトがあっても高速巻きをキープすることが重要なんです」

釣りはじめると湯川さんにすぐにアタリが!

湯川「よっしゃ! キタよ! あっ、外れた…!」

山本「こっちも喰った! あっ…外れた…」

湯川「アタリが出ると体が反射的にアワせてしまう(笑)」

エギングでは百戦錬磨の湯川さんだが、ボートサワラゲームでは苦戦!? でも、楽しそうだ。実釣開始早々、魚が好反応。船上はいきなり活気づき、すぐに角井キャプテンが操作するルアーにターゲットがヒット! フッキングまで持ち込んだ!

角井「底から5巻きくらいで喰いました。コレはサワラじゃなく青物っぽいですね。しかも結構大きいですよ!」

ファーストヒットは船長の角井さん。推定5kgのメジロ(ワラサ)をキャッチ!

船中ファーストヒットは角井キャプテンが喰わせたメジロ(ワラサ)。ヒットルアーはメタルショットTGボートサワラ32g。推定重量5kg超。こんな青物が、岸がすぐそこに見える海域で釣れる。

サワラ狙いは巻きスピードが重要。トップスピード、高速域の中速、高速域の低速の3段階を試す

角井キャプテンのヒットの後、高速タイラバのイメージをつかんだ湯川さんと山本さんもサゴシ、サワラ、青物のヒットが続く。

湯川「キャストしてリトリーブしてると、ドンッ! ですからね、インショア最高!(笑)サワラは思ったより速巻きが効く。ベイトが上に居たんで表層を巻いたら喰いました」

山本「ちょっとゆっくり巻くと青物が喰ってきますね。タックルがライトだからよく引きます!」

釣りのジャンルは違えど二人のエキスパートにとって、魚の反応があれば攻め方をアジャストさせていくのは容易なようだ。ただ、釣果をみると湯川さんのほうがサワラ率が高いような。

角井「サワラ狙いは巻きスピードの違いで釣果に差が出ます。4人で乗って1人だけ釣れないということもありますからね」

山本「そしたら巻きスピードも色々試したほうが良いということですね?」

湯川「そうです。自分の中でのトップスピードを決めて、それよりちょっと遅い高速の中速。さらに遅い高速の低速と速巻きを3段階くらいに分けて試します。あと1リトリーブ中に速度変化を付けるのも有効です。トップスピードから高速の中速に落とすとか」

山本「僕は常に全速力で巻いてるから速すぎるのかな。ちょっとだけ速度を落としてみます。(数投後)本当に喰った!」

船べりの水中でギラリと光る魚はサゴシクラスだ。サワラ狙いの速巻きスピードはトップスピード(速巻き域の高速)、速巻き域の中速、速巻き域の低速の3段階を使い分け、そのときに反応の良い巻きスピードを見極める。

巻き速度を変えることでサワラの反応を試し、アジャストしていく。

山本「巻くだけのシンプルな釣りやけど奥が深い。こうやって色々試して結果が出るから釣りとしてもすごく面白いですね」

実釣では良型のサワラやメジロも混ざり、2人とも順調に釣果を伸ばす。ヒットルアーはどちらもオシア メタルショットTGボートサワラ32g。

次はタチウオ! メタルジグをフワフワ漂わせるように誘う!

実釣は朝マズメからサワラ(サゴシ)、青物を順調に攻略し、角井キャプテンは次なるターゲットのタチウオを目指してボートを走らせる。

角井「ここ数日はタチウオの活性が低いですけど、今は満潮の潮止まりから下げに入るタイミング。潮が効けばワンチャンスあるはずです」

タチウオを狙う釣り場は、水深22mから3mほど上がるカケアガリ。ボトムの地形変化を狙う。

角井「魚探には底から2mくらいに反応が出ています。ただタチウオの数が少ないのでジグで底付近を重点的にふわふわ誘って、タチウオのやる気を出させてください」

山本さんがサワラのキャスティングで使っていたスーパーライトジギング用ロッドが真骨頂を発揮するシチュエーションだ。

山本「ルアーはサゴシジグ28g。インショアのタチウオ狙いはリアにトリプルフックが付いていたほうがいいですね」

ジギングエキスパートが自分の土俵に上がると、たちまちヒットに持ち込む。

山本「船長の言うとおり、底ベタでふわふわさせていたらガツガツッと喰いました。1/8から1/4巻きピッチメインで底をネチネチという感じですね」

そして、それに続いて角井キャプテンにもヒットが! 岸からほど近いインショアフィールドで、タチウオゲームがこんなに楽しめるなんて、手軽すぎる!

角井「僕は底から2、3シャクリめのフォールで喰いました。ハンドル1/6巻きピッチのジャークで底をふわふわ這わせてやっとヒットです」

山本さんと角井さんが釣果を出す中、湯川さんはテールスピンジグのソアレ ライズショットブレード24gをキャストする。

湯川「ライズショットブレードでショアから何度もタチウオを釣っているし、ボトムでフワフワと誘うならこれでも喰うはずなんだけど…」

だがタチウオの魚影が薄く、活性が低い今回の釣況はメタルジグが有利だったようだ。みんなが同じことをやらず、1人は違う攻め方で反応を見るのも展開的には面白い。

角井「タチウオがたくさん居て、活性が高ければライズショットブレードも良く釣れますよ。今日は、サゴシジグの方が反応がいいみたいですね」

山本さんも角井キャプテンもヒットルアーはコルトスナイパー サゴシジグ28g。ショアキャスティングジグを流用することで十分楽しめる。

ジャンルを取っ払って自由に楽しめる、インショアゲームの魅力

今回の実釣では、オフショアのオシア、ショアキャスティングのコルトスナイパー、ライトゲームのソアレ、シーバスのエクスセンス、バスのバンタムと、シマノがラインナップする幅広いブランドのルアーが登場した。つまり、手持ちのルアーを、即戦力として活用できるのも、インショアゲームの手軽さであり魅力でもある。

「ワールドポップに喰った!!」(湯川)。ボートの近くのボイル発生。届くと判断するとバスルアーのバンタム ワールドポップ69Fフラッシュブーストをセレクト。1投目で喰わせた。

使用タックル

湯川さん使用タックル
ロッド:ディアルーナBS S610M
リール:ツインパワーXD C5000XG
ライン:ピットブル8+ 1.2号
リーダー:オシアジガーマスターフロロリーダー16LB(4号)

(タチウオ用)
ロッド:セフィアXR S79M
リール:セフィアXR C3000SHG
ライン:セフィア8+ 0.6号
リーダー:セフィアマスターフロロリーダー10LB(2.5号)(キャスティングは8LB)

山本さん使用タックル
ロッド:ディアルーナBS S610M
リール:ツインパワーXD C5000XG
ライン:グラップラー8 PE 1号
リーダー:オシアジガーマスターフロロリーダー6号(6号)

(タチウオ用)
ロッド:ゲームタイプLJ S610-0
リール:ツインパワーXD 4000PG(キャスティングはツインパワーXD C5000XG
ライン:グラップラー8 PE 1号
リーダー:オシアジガーマスターフロロリーダー25LB(6号)

今回の実釣をムービーで見る


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