ルアーマガジン本誌の名物企画、同一メーカーの同一用途のタックルを3つの価格帯で比較する「3Gインプレッション」が舞台をエリアトラウトに変えて登場。テスターはバスプロとして活躍しているニンジャさんとルアー専門店オーナー駒崎祐典さんの2人。今回はDAIWA『プレッソ LT2000SS-P』の使用感を紹介していく。
●文:ルアーマガジン編集部
プレッソ LT2000SS-P（DAIWA）
巻きの感度を突き詰めたエリアを舞う蝶
DAIWAが誇るエリアトラウトブランド「プレッソ」の名称を持つ専用スピニングリール。ザイオン素材による高剛性＆軽量ボディ、超浅溝スプール、ローギア設定と、専用機らしく軽さと感度に特化。魚の引きに合わせて作動する新世代ドラグシステム（ATD）など、DAIWAの持つ高い技術も導入されている。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 自重 | 150g |
| ギア比 | 4.9 |
| 巻き取り長さ | 64cm/ハンドル1回転 |
| 最大ドラグ力 | 5.0kg |
| 標準糸巻き量 | 2.5lb・100m（ナイロン）、0.3号・200m（PE） |
| ボール/ローラーベアリング数 | 12/1 |
| 価格 | 50,600円（税別） |
「POINT.1」外観デザイン
マットブラックがカッコイイ！
シリーズのイメージカラーであるオレンジを生かしつつも、前のモデルよりもオレンジが控えめになっているので、他のシリーズのロッドとも組み合わせやすくなった気がします。
どんなロッドにも合う
以前のオレンジが強かったカラーはプレッソのロッドとしかマッチしなくて賛否はあったんですが、良い意味でユーザーの意見に寄ってくれたのか、どんなロッドでも合いますね。マットブラックはコルクにもEVAにも合います。
「POINT.2」回転・巻き心地
吊るしでも必要十分
吊るしの状態でもとても軽くて、育てる必要もないくらい。もっと軽いリールもありますが、僕には必要十分。初動もいいです。
専用機らしい仕上がり
エリアトラウトでDAIWAのリールが苦手って人がいるのはマグシールドからなんですよ。でもプレッソはギア部のベアリングをオイルチューンにしてるので巻き感はさらさら。ザイオンボディで軽いし、金属に比べると堅牢さはないんですが、それが良い意味で違和感があって、巻きで感じやすい専用機らしい仕上がりです。
「POINT.3」ドラグ
ATDの安心感たるや……
やっぱりATDは良いです。フリームス等の下位グレードにもATDは搭載されてますが、元気のいい魚をかけてもより安心感がありました。自分のやりたいようにドラグが操れる。ライトなエステルラインでも問題ないです。
ハイエンドと同等の性能
非常にいいです。今日も何本ヒットしてもバラシは1本もありませんでした。走られた時には追従してくれて、でも止めたい時には止まるとか。ハイエンドとそん色なく、特にいじるところはないくらいです。
「POINT.4」糸ヨレ・キャストフィール
ネガティブさは一切なし
糸ヨレも項目にする必要がないくらい。ネガティブさは皆無です。キャストフィールもいい感じですよね。チューンで更に良くなる可能性は秘めてますが、このままで十分パーフェクトに近いと思います。
吊るしでも満足
糸ヨレはまったくないことはないでしょうけど、吊るしでも問題ありませんね。それこそチューンすればもっとよくはなりますが、十分です。キャストフィールも何も問題ありません。
「POINT.5」総合的使用感
エリアトラウトの実用最高峰
改めて値段を見ると安くはないですけど、エリアトラウトだときちんと使えば10年は持つし、使った分だけ育つので、長く使うと決めて買えば決して損はないです。だからこそ本当は初心者こそ使って欲しい。実質的にはエリアトラウトで使うには最高峰だと思います。
頑張れば手が届くのがキー
ハイエンドを5台6台となるとさすがに厳しいですが、プレッソは実売だともう少し安くなるので揃えやすい。頑張って手が届く価格帯でいてこの性能。ここまで仕上げてくれているので、買いしかないですね。
まとめ対談
ニンジャ「今回使った中ではベスト。実用機としてリアルに使いたいですね。巻きの軽さにキャスタビリティ。吊るしでもいいですけど成長したらどんなに素晴らしくなるか、期待感もあります」
駒崎「イグジストもほかのメーカーのリールもそうですけど、汎用機としてリリースされている以上、どこか無理が出てくる。それをDAIWAではFCみたいに補ってはいますが、これは専用機ですからね。エリアトラウトに求められるスペックが全部詰まってる。ボールベアリングがオイル仕様とか大きいところもありますが、何気にシャロースプールで下巻きがいらないとか、準備段階からアングラーのことを考えてくれている。悪い訳がないんですよね」
ニンジャ「エリアトラウトに特化して何年もやっているだけはあって、ユーザーの声をしっかり聴いてくれているなという気がします」
駒崎「それをこの価格で出してくれているのがさらに良くて、ちょっと頑張れば手が届く、極めて現実的なリールです。機能的にもコストギリギリ詰め込んだ、納得感のあるリールですね」
ニンジャ「なんでもできるけど、個人的には巻きの釣りで使いたいかな」
駒崎「それこそ巻きから操作系からいける。エリアトラウトの釣りを体現するリールです」
ココが推し！
そつのない専用設計！
やりたいことができる！
テスターの2人をご紹介
センドウ・タカシ（千藤卓）
バスプロとして活躍する傍ら、エリアトラウトにも本格的に取り組む。ニンジャの愛称で知られるマルチアングラー。
駒崎祐典（こまざき・ゆうすけ）
東京都足立区のルアー専門店「アングラーズショップマニアックス」のオーナー。
ニンジャさん使用ロッド＆ルアー
ルアー
スプーン上段左から、ディッシュ0.3g（ディスプラウト）、ノアB2.6g（ロデオクラフト）。真ん中、ブング0.6g（ティモン）。下段左から、アキュラシー0.9g（なぶら家）、ハイバースト1.6g（ヴァルケイン）。
プラグ上段左から、アンフェア35F（ラッキークラフト）、ミート33DR-F（ノリーズトラウト）。真ん中、ダブルクラッチ45F（DAIWA）、下段左から、チェルシーF（ロブルアー）、DSベビーバイブ（ディスプラウト）。
駒崎祐典さん使用ロッド＆ルアー
ルアー
スプーン上段左から、ノアB2.2g、ノアS1.4g（ロデオクラフト）。真ん中、ハントグランデ1.3g（ニュードロワー）。下段左からハイバースト1.6g（ヴァルケイン）、鱒玄人ギー0.6g（ノリーズトラウト）。
プラグ上段左から、シャインライド（ヴァルケイン）、RCディープクラピー（ロデオクラフト）。真ん中、イーグルプレイヤー50スリム/GJ（ディスプラウド）。下段左から、オペラF（ムカイ）、イーグルプレイヤーMR（ディスプラウト）。
インプレに使用したライン
スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号
今回全てのリールに巻いたのは、バリバスの「スーパートラウトエリア ES2 エステル0.3号」。メリットとデメリットが相反するエステルラインのデメリットを解消した新コンセプトラインだ。
『スーパーエステル』の登場によって、エステルラインが市民権を得てエリアゲームの進化は加速中。そして『ES2』の登場によって、エステルラインのメソッドの多様化が加速しています。エリアゲームの転換期を覗く[…]
今回インプレで利用した釣り場
東山湖フィッシングエリア
東名御殿場インターからすぐの人気エリア。多くのトラウトが放流され、数釣りから大物まで、コンディション抜群の魚たちと遊ぶことができる。営業時間、券種、釣果情報などはWebサイトへへ。
| 項目 | 情報 |
|---|---|
| 管理釣り場 | 東山湖フィッシングエリア |
| 所在地 | 〒412-0024 静岡県御殿場市東山1077 |
| 電話番号 | 0550-82-2161 |
| Webサイト | https://www.higashiyamako.com/ |
『エリアトラウト ギア＆マニュアル』発売情報
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日進月歩するエリアトラウト専用アイテム群。ルアー、ロッド、リールはもちろん、ラインやフックでゲーム展開が激変するシビアな世界だ。そこで先鋭化するNEWアイテムを、ルアーマガジン編集部ならではの徹底した取材と美細なビジュアルでコンテンツ化！ また最新ハウツーを盛り込んだ「エリアトラウト入門」パートも充実。基礎情報も更新されまくりの必読書です！
- 発売日：2022年11月16日
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