アーバンチニングエキスパートもりぞーさんによるチニング連載、第6回目は、今年発表となったシルバーウルフ関連等の新製品についての考察がテーマだ。
●文/写真:森 浩平(もりぞー)
【森 浩平(もり・こうへい)】
大阪府在住。アーバンチニングの第一人者で、クロダイ・キビレの年間キャッチ数は年間2000枚を越すことも。ベイトタックルスタイルとフリーリグの有効性にいち早く着目し、この釣りを普及させてきた。愛称はもりぞー。
3年ぶりとなった、リアル開催フィッシングショー
ルアマガ+をご覧になっている皆さま。ダイワフィールドテスターとして大阪の淀川をホームに活動中のチニング伝道師”もりぞー”こと森浩平です。
3年ぶりのリアル開催となった釣りフェスティバル横浜、フィッシングショー大阪でダイワブースにお越し下さった皆さまありがとうございます!
多くの方に新製品を手にとっていただきチニングトークが出来て、私も楽しい時間を過ごせました。横浜はプライベート含め初参加だったのですが、ダイワとしてもシルバーウルフブランドの展示は初とのこと。そのことからもチニングの輪の全国的な拡がりを感じましたね。
さて、今回は23年シルバーウルフ新製品について紹介したいと思います。
シルバーウルフAIR
私が監修するチニングエキスパートモデル、シルバーウルフAIRには軽量高感度のAIRコンセプトを最大限活かした72MLB-Sと83MB-Sのベイトロッド2本が追加されます。
シルバーウルフAIR 72MLB-S(DAIWA)
ショートレングス化することでアキュラシーと感度、操作性に磨きをかけたハイレスポンスモデルとして設計。76MLB-S同様に、推奨リグウェイトを振り抜ける張り感を持たせながら、若干パワーを落としてライトリグへの適性を上げています。
- 全長:2.18
- 継数:2
- 仕舞寸法(cm):113
- 自重(g):89
- ルアー重量(g):4~18
- ナイロンライン(lb):4~12
- PEライン(号):0.4~1.0
ライト〜フィネス領域のリグを使う場面、湾奥やボートなどショートレングス有利な場面、トップウォーターをはじめライトプラッギングetc…。正確で繊細なアプローチが要求されるシーンに是非使って欲しいです。
フルキャスト時の放出抵抗を考慮しつつ、バットガイドの位置を限りなくリールシートに寄せることで、1.8gシンカーなどベイトフィネス領域のリグを使用する際の風による影響を抑えるガイドセッティング。
シルバーウルフAIR 83MB-S(DAIWA)
オープンウォーター攻略のためのロングモデル。ロングロッドはそのレングスゆえにレギュラーアクション寄りのマイルドな仕上がりになりがちですが、AIR83MB-Sは遠くのバイトゾーンにリグを届けることが可能な鋭いキャストフィールと、遠投先で得たバイトに対して的確にフッキング可能なレスポンス、激流の中で掛けた年無しクロダイやランカーキビレに対し極力ラインを出さずにコントロール可能なパワーを実現したチニングエキスパート仕様です。
ロングロッド=遠投性能にフォーカスされがちですが、それだけでは不十分なんですよね。遠投した先で得たバイトを感知して、的確に掛けられなければ釣果には繋がりませんし、遠投性能を重視するあまり中・近距離で得たバイトを弾いてしまうティップ設定でも駄目。
その他、ラインコントロールやリグの操作性、障害物を交わしてラインブレイクを回避する。そういったことも総合的に考慮してセッティングを詰めています。
柵越しや近・中距離シーンでの捌きやすさ、ウェーディング時におけるライフジャケットの干渉を考慮したグリップ設定。
シルバーウルフ(2023年5月発売予定)
チニングロッドのエントリーモデル「シルバーウルフ」がフリーリグスタイルに完全対応してモデルチェンジしました。
私も実釣使用しましたが、高弾性素材を採用している上位モデルに比べるとマイルドではあるものの、上位モデルとコンセプトを共有化してベイトもスピニングも掛け調子で作り込まれていますね。ベイトモデルはベイト初心者でも曲げ込みやすくリリースポイントを掴みやすいセッティングを施しているなと感じました。
これからチニングに挑戦される方にはぜひ選択肢に加えていただきたい。そんなロッドに仕上がっています。
【シルバーウルフ全機種解説】
76MLB-S:フリーリグをはじめ、小型のプラグまで対応するチニングのメインアイテム。使い所を選ばないので、ボートの釣りにも対応。
83MB-S:広大な遠浅エリアや足場のフィールドに最適なロングモデル。フリーリグから小型トッププラグ、バイブレーションなどに幅広く対応します。
73LML-S:ボトム系ルアーから、小型プラグをはじめ、軽量なフリーリグまで対応するフィネスモデル。しなやかな穂先を搭載するので、チヌ魂でのズル引きや、ルアーを落とし込むような縦の釣りにもベストマッチ。
76ML-S:ワームからプラグまで幅広いルアーに対応するスピニングモデル。フリーリグからトップウォータープラグ、ルアーを落とし込むスタイルまで使いどころを選びません。
シルバーウルフ アーバンシュリンプ 2.4in
3月発売予定のアーバンシュリンプ2.4は、2.8の単なるダウンサイズ版ではありません。最初は2.8をそのまま小型化したものを作ったのですが、アピール不足か、釣果・操作感共に大きく下がってしまいました…。
そこで、操作している時の抵抗感を増すためにサイドアームを長くし、アピール量をある程度維持するためにアームのボリュームをUP!小さいけど、小さすぎない。小場所だけでは無く、オープンウォーターでも使える「攻めのダウンサイズワーム」に仕上がりました。
推奨フックはオフセットならシルバーウルフフックSSワイドオフセット#3、ストレートならシルバーウルフフックSSストレート#1、#2です。真冬のトリプルヒット。ボートチニングでもgood!
シルバーウルフ ラフトリック(DAIWA)
淀川・武庫川チヌトップ界隈で伝説的な人気のローカルハンドメイドペンシル「イマペン 鮎90」をベースに、インジェクション化したチニング専用ペンシルベイト。
従来のチニング専用トップウォータープラグが、飛距離を必要としない小場所やシャロー、穏やかな水面での使用を前提とした小型のボディサイズであるのに対し、ラフトリックの水絡みとアクション、キャスト時の空気抵抗を考慮して導き出したシルエットとセッティングは、河口域のオープンエリアに吹き晒す爆風時でも安定した飛距離を稼ぎ出し、波の発生する水面においても上滑りせずに強く水を押しつつアクション。大型のウェイトボールが生み出すワンノッカーサウンドと共に、クロダイにアピールします。
飛距離が必要なオープンエリア、風波でガチャつくラフウォーター、潮位上昇と共に「時合いが終わった」とされていた高潮位タイミング。従来の小型ポッパーやペンシルでは出切らなかったシチュエーションでも存在をアピールし、クロダイに水面を割らせることが可能になりました。
「デカすぎでしょ」「ビックリして逃げちゃうよ」「こんな大きくちゃフッキングしないよ」
シーバスシーンにビッグペンシルベイトが登場した時、懐疑的な意見がとても多かったですよね。それが今はどうでしょうか?普通に受け入れられていますよね。
自分はチヌトップシーンでも同じ事が起こると確信しています。
トップシーズン開幕しましたら是非、ご自身のフィールドでラフトリックを投入してみて下さい!
バレンタイン大潮
さて…皆さん冬チニング堪能していますか? 例年フィッシングショーからバレンタインデー前後は1年で最も水温が下がる時期。
この「下げ底」から、気温水温が上昇に転じるタイミングでチヌ・キビレの活性爆上がりのフィーバータイムが訪れます。気温が上がるだけでなく、日照時間も長くなるため水温が上昇し、プランクトン濁りが発生。
この時期から昼の潮が大きく動くようになりますし、南風が吹くと更に状況は良くなり、透明度が高いと警戒して口を使ってくれなかった個体も濁りが入るとイージーに口を使ってくれます。
安定して水温15度を超えるまではボトバンとそのバリエーションという、いわゆる「冬の釣り」中心の組み立てなのですが、水温上昇と濁りという「春」の要素が加わると…もう凄いですよ!
2月バレンタインデー以降の「冬爆」そして「春爆」が今から楽しみですね!
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