2022バス釣りハードルアー読者投票ランキング上位5個の使い方を解説!【T.O.Y.2022】

2022年のタックルオブ・ザ・イヤーがついに決定! そこに選ばれたルアーの顔ぶれを見れば、なるほど確かに釣れるとされるルアー。その結果には誰もが納得するに違いない。しかしそれらのアイテムを使いこなしている人はどれほどだろうか? 2023年、来たるべくシーズンインに備え、定番ともいえるルアーの使い方をおさらいしよう!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

【1位】ビーブル(ボトムアップ)

ビーブルの武器は、強いけどナチュラルな存在感。いわば『生命感』

このルアーを解説してくれる人は川村光大郎さん!

川村光大郎(かわむら・こうたろう)

日本独自の文化とも言える『陸っぱりバスフィッシング』の最先端をゆく、日本を代表するプロアングラー。その熱い情熱は様々なメソッドを生み出し、多くのファンを生み出している。ボトムアップCEOにして最多陸王ホルダー。

ブレード

パワフルに水を撹拌し、それでいて、高速回転するオリジナルブレード。回りだしが早く、スローリトリーブでもしっかりと回転するので、スピナベサイトで用いるカーブスローロールのようなシビアな使い方で差が現れる。

スプリッター

ビーブルを象徴するオリジナルパーツ。第三のブレードとも呼べるこのパーツにより、従来のスピナーベイトでは出し得なかった「横揺れ」を実現した。また、優れたレンジキープ能力や、水押し効果にも貢献している。

ヘッド~アーム

アームから滑らかに繋がるヘッドはすり抜けやすく、涙型の断面による低重心化により高速巻きでもバランスを崩さない。アームは、水平に近いナチュラルな視覚効果と、スカートの中で針先が若干上を向くことでノリが良くフッキングパワーの伝達にも優れる理想的なスイミング姿勢をかなえる。また、スカートは外周のみを生かしナチュラルにフレア。ビーブルならではの振動と合わさることで唯一無二の生命感を醸し出す。

偶然の産物とスピナーベイトの本質

完成されつくされていたと思われていたスピナーベイトというジャンルには更なる進化があった。ビーブルのT.O.Y.受賞は、まさしくそれを実感させてくれる。

川村「全てのパーツにこだわったビーブルですが、最大の特徴はやはりスプリッターです。でも実はこれ、全く別タイプのスピナーベイトを開発していた過程で生まれた副産物だったんですよね。ところが、水槽で泳がせたときの動きが明らかにそれまでのスピナーベイトとは違っていて、スタッフ全員が沸き立ちましたよ。その後のフィールドテストでもすぐに結果が出ました」

ビーブルがたどり着いたのは、唯一無二ともいえる、横方向への揺れ。スカートがたなびくさまが、さながらベイトフィッシュの運動そのものだったのだ。

川村「スピナーベイトに大切なことって、『生命感』だと思っているんです。釣れるスピナーベイトって、スカートに躍動感がある。ビーブルのスカートは横揺れが加わるので、ことさら魚っぽいです。さらに、フレアするボリューム感やスイミング姿勢もナチュラルな方がいいと思います。これらを敵えるには、高性能なブレードだけでなく、アームとのバランスも重要です」

抜群の立ち上がりはベイトフィッシュを再現可能!?

川村「ビーブルは水質に関係なく使える強いけどナチュラルなスピナーベイトなんです。スピナベサイトはあくまでも使い方のひとつ。ベーシックな使い方としては、バンクやカバーの際にキャストして、着水直後からしっかりとブレードをまわしつつのリトリーブ。イメージとしては、水面に跳ねた魚がそのまま泳いで潜っていくイメージですね。ボトムのオダを直接狙うようなシチュエーションでないなら、レンジにいれるのもカーブフォール気味にブレードを回して泳がせていきます」

2017年早春。茨城県の小貝川にて47cmと49.5cmが連発! 初期プロト段階のビーブルがいきなりその底力を見せつけた! 当時の陸王(長門将監・対松本幸雄戦)でも、詳細非公開にてスプリッターは手で隠していたが、グッドサイズをキャッチしている。

川村さんはビーブルをレギュラーアクションのミディアムパワーロッドで使用してる。特殊なロッドが必要なわけではなく、投げやすいロッドであることが重要とのこと。

【2位】TN60(ジャッカル)

ボトムのちょい上の絶妙なレンジ感を身につけよう

このルアーを解説してくれるのは水野浩聡さん!

水野浩聡(みずの・ひろあき)

中部エリアの河川やため池などをホームに活躍。明るいキャラクターとわかりやすい釣りで人気。TNバイブは彼が10代の頃から投げ続けてきている思入れの強いルアーだ。

水野「飛距離が出る、レンジも刻める、根掛かりしない、巻きやすいから手数が増える。この4つの特徴があるTNバイブは、足場が限られるオカッパリの釣りではとても有利になります。アウトメタルでボトム感度も良いので水深や底質まで把握でき、まさに投げる魚探のような役割もしてくれますよ。秋から冬の長い期間活躍し、真夏以外はいつでも出番の可能性があります。フラット地形、遠浅、皿池、川のインサイド、岬、リップラップ、ウィードの上など、面で釣るシチュエーションで使ってください。巻くコツとしては、キャストしたらまず着底させ、1キャストの中で3~5回くらいボトムタッチするような速度とレンジ感で巻いてきてください。このスピード感を身につければ、地形変化も捉えられますし、バイト数もどんどん拾えるようになっていきます」

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JACKALL(ジャッカル)

【3位】レベルバイブブースト(レイドジャパン)

メタルバイブでは強すぎるという状況にブーストがマッチ

このルアーを解説してくれるのは金森隆志さん!

金森隆志(かなもり・たかし)

オカッパリの新たなスタイルを作り上げたスター。レイドジャパンでは、ルアービルド・ロッドビルドの才能も発揮し、ヒットアイテムを多数リリースしてきた。

金森「メタルバイブの強い波動を嫌うシチュエーションがあるというのを昔から感じていて、そう言った場合に釣れるバイブレーションが欲しいよねってことで作ったのがレベルバイブブースト。樹脂ボディでフィネスに使えるコンパクトバイブですよと。なので、バスが溜まっているようなピンスポットで、メタルバイブだと単発で終わってしまうのに、レベルバイブブーストならバイトが続く、ということも多いです。オーソドックスな使い方としては、メタルバイブ同様のリフト&フォールがまずひとつ。そして、ただ巻きでもよく釣れるというのがメタルバイブとの大きな違いです。軽いモデルならシャローを素早く引いてこれますし、一般的なサイズのバイブレーションだと大きい、うるさい、という場合にも良いですね」

【4位】ポップX(メガバス)

アクション後のポーズが最大の食わせどころ

このルアーを解説してくれるのは杉村和哉さん!

杉村和哉(すぎむら・かずや)

奈良県出身の琵琶湖プロガイド。巻き物を中心としたストロングなスタイルでデカバスを追い、ガイドは予約がすぐに埋まってしまうほど人気。

杉村「ポップXは中学1年生の頃にGGオイカワを買った時からずっと大好きで、自分の中で一番特別なルアーですね。そしてもちろん今でも第一線で使っていますよ。使い方としては、着水したらまず5秒ポーズ。そこからショートトゥイッチで5回スプラッシュさせて1ポーズ、というのが基本のリズムです。アクション中のポーズは3~5秒で、ここにバイトが集中します。ポップ音でバスを寄せてポーズで食わせるので、ポーズでしっかり待ってあげるというのがかなり大事になってきます。浮かべておくだけでもそれが釣れる誘いになっているのがポップXなので。スプラッシュ音がナチュラルで、かつ移動距離を抑えたアクションになっていて、虫パターンにも使えるのがポップXで、小魚と虫の二面性を持ったルアーですね」

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メガバス(Megabass)

【5位】ソウルシャッド(ジャッカル)

あらゆるスピードで巻いても直進性を維持

このルアーを解説してくれるのは小野俊郎さん!

小野俊郎(おの・としろう)

ジャッカル代表として、老若男女に愛される数々のルアーをリリース。繊細なフィネスな釣りからパワーフィッシングまでこなすオールラウンダーだ。

小野「ソウルシャッドの出現によって、シャッドのただ巻きという、現在のシャッドテクニックのスタンダードとも言えるジャンルが確立されました。巻きでの安定性を重視した作りなので、リーリングでボトムにリップが当たってもしっかりと直進してきてくれます。なので、まずはただ巻きやストップ&ゴーで使ってみてください。スローリトリーブから超高速リトリーブでも泳ぎが崩れないので、あらゆるシチュエーションに対応するルアーになっていますよ。めちゃくちゃ横っ飛びするタイプじゃないけど、もちろんトゥイッチやジャークを入れて使ってもいい。フィールドも季節も問わず、いろんな場面で使えるのがソウルシャッドですね。オープンウォーターで使うならスピニング、カスミ水系やカバーまわりを通したい場合はベイトフィネスタックルで使い分けてもらうといいですよ」


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