
手堅い1尾から抑えの1尾、最後の頼みの綱……。タックルオブ・ザ・イヤーのソフトルアー部門は、そういった役割を担ったルアーが多い印象だ。つまりしっかりと使い方を覚えれば、釣果への早道であることは間違いない!
【1位】4in ヤマセンコー(ゲーリー・インターナショナル)
ヤマセンコーという生物は逃げるのも隠れるのも上手
これはゲーリーワーム共通でもあるが、カラーバリエーションの豊富さも魅力的。シンプルなルアーだからこそ、カラーにはこだわりたい。
このルアーを解説してくれる人は河辺裕和さん!
ゲーリーヤマモト氏と河辺さんが同時に行き着いた究極のシンプル形状。
河辺「ヤマセンコーを作ったのって、実はゲーリー(ヤマモト)なんだよね。でもたまたま自分もその頃8inグラブをテールカットして使ってて、そういう形の物が欲しかった。それでゲーリーに相談したら『モウツクッテルヨ』って(笑)。ゲーリーがどうしてあの形にたどり着いたのかは聞いていないんだけど、自分の場合は当時流行っていたスラッゴー(ランカーシティ)のダートアクションを、もっと深い場所でやりたかった。それで8inのテールレスグラブを使って琵琶湖のトーナメントでも準優勝したりしてたから、そんな使い方のできるワームを作ってもらおうかと思ったんだよね。そんなわけだから多分、『センコー』の名前の由来はダートアクションの奇跡が描く稲妻のような『閃光』からきてるんじゃないかな? すごくシンプルなあの形状、もともとはキャップ付き万年筆の形状がベースだったらしいよ」
シンプル形状=不自然に動くパーツがない
河辺「ヤマセンコーのキモはシンプルにスティック形状なところにあると思うんだよね。もっというと、勝手に動くパーツがないってことだね。食べられちゃう生き物ってさ、素早く逃げた後、見つからないようにできるだけじっとしているんだよ。エビとかゴリを観察していてもそうだし、釣り人もクマと遭遇したらできるだけ動かないようにしてやり過ごすでしょ(笑)。バスからしたらきっと、『コイツは見つかった途端に動かなくなったな……隠れたつもりになってるけどバレバレだぞ!』って思うから食べちゃうし、勝手に動いたら偽物だと見切っちゃうんだろうね。センコーさんはダートアクションで逃げて、極力動かないことで隠れ上手なわけ」
ノーシンカーを中心に使えないリグは無い……!?
河辺「オフセットフックをセットして、フォールさせたり、ダートさせたり、ズル引きさせたりが多いかな。ノーシンカーワッキーもいいね。逆向きにつけてネイルシンカーとかをうまく使えばバックスライドもさせられるよ。でも正直、使えないリグを探すほうが難しいくらいなんでも使えるかな。浮かせられないくらい(笑)。自重があって重いからミディアムくらいのベイトタックルがいいかな。ラインはノーシンカーなら10lb、あとはリグに応じて太くしていけばいと思うよ」
河辺「プリスポーン以降なら産卵エリアをノーシンカーのズル引き、アフターくらいならノーシンカーワッキーをアシ際でトゥイッチ&フォール、夏になったらジグヘッドやテキサスでストーンと落として食わしたり水面をノーシンカートゥイッチで逃したり、秋以降ならジグヘッドのスイミングで横方向に誘ったり……。1~2月以外は出番があるワームだよね」 [写真タップで拡大]
センコーでカバー撃ち
【2位】フリックシェイク 3.8in(ジャッカル)
あらゆる釣りのフォローベイトとして真価を発揮
このルアーを解説してくれるのは秦拓馬さん!
秦「いろんな釣りのフォローとしてとても優秀なのがフリックシェイク。例えば、ビッグベイトでチェイスしてきたバスを直接狙ったり、テキサスリグなどでカバーを狙う場合の取りこぼしを釣っていったり、スピナーベイトでサーチしていて、魚が濃いなと感じる場所の食わせとして入れていったり。いきなり本命として投げるのではなく、フォローベイトとして使うことが近年多いですね。リグは、3.8inなら0.6gのジグヘッドワッキー、ノーシンカーワッキー、0.45gのネコリグの3つがおすすめですね。どの釣りもシェイクしながらのスイミングがメイン。シェイク幅と速度を調節しながら、その状況にマッチさせるようにアクションさせてください。シェイクの大きさでリグやシンカーの重さをローテしていくのがキモですね」
【3位】カバースキャット 3.5in(デプス)
ラインも沈み込ませてジャークさせるのがコツ
このルアーを解説してくれるのは冨本タケルさん!
冨本「カバーを攻める使い方ももちろん釣れるんですが、自分はディープに沈めて釣る使い方を紹介しますね。サカマタシャッドのノーシンカーをボトムでジャークする釣りをカバースキャットで試したのが最初です。水深1mから15mくらいまでやりますね。まずワームが完全に沈むまで待ってから、数回ジャークさせてフォールの繰り返し。最終的にラインがボトムに這うように沈んでいくことを意識してラインスラックをコントロールしてアクションさせましょう。1年中釣れますが、水温が下がって動きが鈍くなったバスも特に強いですね。この釣りは根掛かりに強いので、琵琶湖以外でもいろんなフィールドで使えます。ガレ場やオダまわりなどでぜひ試してみてください。フックはエリートツアラーワーム34R(がまかつ)の#5/0がおすすめですよ」
【4位】エスケープツイン(ノリーズ)
エスケープツインはカバーだけでなくオープンエリアも大得意
このルアーを解説してくれるのは伊藤巧さん!
伊藤「エスケープツインはカバー撃ちはもちろん釣れるんですが、オープンウォーターで使ってもらうとこのワームの良さがよりわかってもらえると思います。リグは5~7gのテキサスリグで、シンカーはフリーに。初場所で水深や地形がわからないような時に、沖に遠投してズル引きやスイミング気味にアクションさせて使ってみてください。クロー系なんだけど小魚っぽいアピールにもなるのがエスケープツインなので。水が澄んでいる場合はバンドウカワエビやゴマエビなどのクリア系カラーを使ってもらうといいですね。フックはダブルエッジ #3/0(リューギ)で、これはエスケープツインのポテンシャルを最大限引き出すように設計したので、ぜひ組み合わせて使ってください」
【5位】沈み蟲 2.6in(一誠)
よく飛んでフッキング良好な逆手付きの高比重ワーム
このルアーを解説してくれるのは赤松健さん!
赤松「沈み蟲の使い方は大きく分けて2種類、バックスライドとズル引きですね。バックスライドでカバー撃ちで使う場合は0.9gのネイルを後方に入れて使用。ズル引きの場合はノーシンカーでもいいし、水深に応じてネイルを入れるのもよし。フォールで見せて、そこで食わなかったらズルズル引いてくるという、とても簡単な使い方でよく釣れますよ。エリアもシチュエーションも限定せず、どこでも使えるのがこのルアーのいいところですね。ディープに沈めてボトムジャークさせるのもいいですし、川でボトムを転がすようにドリフトさせるのもよく釣れますよ。めちゃくちゃ飛ぶし、全然根掛からないし前方が細いのでフッキングがいいのも沈み蟲のいい点です。フックはマルチオフセット#2/0(オーナーばり)を使ってます」
『ルアーマガジン』2023年5月号 発売情報
『ルアーマガジン』2023年5月号
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※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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