3月中旬、トンジギを楽しむために南伊豆へと向かったショウさん。釣り上げたのはメインターゲットのビンチョウマグロ…ではなく、なんとカジキ（ブルーマリン）！ 興奮冷めやらぬなか、さっそく釣行の模様をレポートしてもらった！ ※HANF公式ブログより転載
●文:ルアマガプラス編集部
南伊豆の遊漁船「もき丸」にてトンジギ釣行！
3月中旬。来週の釣りのスケジュールをあれこれ考えていた時だった。突然届いた1件のLINEメッセージを開いて、思わず度肝を抜かれた。HANFとも親交の深い釣り仲間の「ショウさん」からの突然の釣果報告だった。
「トンジギで、トンでもない魚が釣れました」とダジャレ（笑）からの入りだったが、そこには確かに、”トン”でもないモンスターが映っていた。すぐにショウさんに電話。彼からのレポートを元に、HANF BLOG特別編としてお送りする！
その日の早朝、ショウさんは単独で南伊豆の遊漁船「もき丸」に乗っていた。釣り目はビンチョウマグロ（標準和名：ビンナガ）。胸ビレの長い姿から「トンボ」の愛称があり、それをジギングで狙うことから「トンジギ」と呼ばれる。シーズンとしては11月〜3月頃がメイン、黒潮が接近する海域で狙える釣りで、この南伊豆沖もトンジギのメッカとして知られている。
ショウさんは釣り歴40年以上の超ベテランアングラー。普段はキハダを中心に沖縄エリアに毎年遠征しているそうだ。
まさかの巨カジキがヒット！
ここ連日は10kg前後クラスのビンチョウマグロが好調との情報で期待していたが、今日に限っては「もき丸」も、他の出船している遊漁船もあまり釣果は芳しくない様子。船中では17kg、26kgの良型ビンチョウマグロが2尾、釣れていた。
朝5時の出港からすでに昼の12時を過ぎた頃、未だ自身にはアタリなし。潮の流れの速さは2.2ノット、ドテラ流しの釣りということもあり、船長からの指示があったタナ（水深）100m前後より多めの150m程度に糸を出し、100mの層に長い時間ジグがいるように心がけてみた。経験上、マグロはフォールでのアタリがほとんどなので、フォール中のバリエーションをいろいろ変えてチャンスを伺うイメージで誘っていた。
すると突然、フォール中のジグがふわっと浮いて止まるようなアタリが！
アタった瞬間、慌てて直ぐに巻きアワセを入れる。すぐに強い引きは無く、重い感触。あれ？ 誰かのラインとオマツリしてしまったか!? と思った次の瞬間、ジジジーッ!! と一気に100mくらいラインが出され、その遠く先で、なんとカジキが水面をジャンプ!! 予想外の魚がヒット!! しかもデカそうだ！
体力底なしモンスターとの限界ファイト
船にいた他のアングラーたちには投げていたルアーを回収してもらい、そこから船では自分だけの単独ファイトが始まった。
予想外の大物のヒット。ものすごいパワーで走りまわるカジキ。自分のタックルセッティングはあくまでもビンチョウマグロ用。船長にもフォローしてもらいながら序盤は慎重に魚を寄せてくることを試みる。
リールを巻き続け、リーダー部分まで回収しても、寄せられたカジキは何も感じていないくらい優雅に泳いでいる様子で、次の瞬間には突然のダッシュで100m、150mと沖に向かって走り、無情にもリールからラインがどんどん出されていく。
カジキの体力は底なしか…？
船に寄せては沖に走られる。これを何度も繰り返し、カジキがヒットしてからファイト時間は1時間を過ぎていた。
そして、それは6回目の試みでカジキを船に寄せた時だった。
これが最後の勝負とばかりに、リールのスプールを指でガッチリ抑え、リーダーを手で手繰り寄せるその一瞬の隙を逃さなかったのが、船長と同船していたベテランのアングラーの2人だった。カジキにモリを入れてくれて、なんとか船に引き上げることができた。自分の体力も限界をとうに超えており、釣りあげた瞬間「うれしい」よりも「ホッとした」というのが本音だった。
無尽蔵に走り回ったカジキ。
これぞ海の王者ブルーマリン！
キャッチしたのは52kgのカジキ。体が真っ青に光り輝くことから別名”ブルーマリン”とも呼ばれている。
キャッチした52kgのブルーマリン。とてつもない迫力の魚！
ショウさんよりデカイ！ 南伊豆にはもっと大型になる個体もいるそうだ。
ヒットルアーは「鉄ジグ Wiggle Rider 300g（color：NAKUI GLOW）」。
帰港直前のラスト1時間の貴重な時間を自身のカジキとの単独ファイトに使ってしまい、その間は竿を仕舞って協力してくれた同船のアングラー皆さんへの感謝の気持ちを込めて、沖上り後にはカジキを捌いて、皆さんにもお土産として少しずつ持ち帰ってもらった。
寄港したあと、釣った魚を捌いて皆で分け合った。
ショウさんの今後の目標
渓流トラウトや、オカッパリのバス、シーバスからオフショアでの釣りまで広く楽しんでいる、まさに”Have a nice fishing!!”しているショウさん。次は100キロクラスのクロマグロを釣ることを目標に東北エリアへの遠征も計画しているようだ。国内だけでなく海外での大物釣りの遠征にも注目しているとか。
次のタイミングではぜひHANFチームもご一緒したい。
タックルデータ
●ロッド：TAKAMITECHNOS MOZ624LM
●リール：スタジオオーシャンマーク BLUEHEAVEN L50V Ⅱ Hi/R S2T-BG大田ガレージモデル
●ライン：PE3号リーダー60ポンド
●ルアー：鉄ジグ Wiggle Rider 300g（color：NAKUI GLOW）
ショウ【細谷正太郎（ほそやしょうたろう）】
幼少の頃よりバスフィッシングにのめり込み、近年は霞ケ浦エリアでのボートゲームの大会にも参加している。HANF TAKAとは渓流やシーバス釣りなど共にするマルチアングラー。釣り歴は40年以上。
●よく乗る船
松鶴丸（大原）、新勝丸（河津）、滝丸（小湊）、梅花丸（飯岡）、もき丸（南伊豆）、あかね丸（久米島）、大洋丸（石垣島）、釣り船YAZAWA（那覇）
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※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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