近年釣り物としての人気が拡大中のサワラ。海水温の変化などの要因か従来は釣れなかった地域でも釣れるようになってきたこともその理由の1つだろう。大型のものは極めて脂の乗りがよく、美味しさの上でも際立つ存在だ。一方でアシが早く極上の刺し身が味わえるのは鮮度の良い魚体が手に入る高級店か釣り人のみ。1度でも鮮度の良いサワラを食べれば虜になることは間違いない。ここでは一般に手に入るサワラでも食べられるレシピとして、煮おろしを紹介する。
●文:ルアマガプラス編集部
サワラについて
獰猛な顔つきからは想像もつかない上品な味
スズキ目サバ亜目サバ科サワラ属サバの仲間としては大型の種で、大きいものは1mを超える。関西地方では成長に応じて名前の変わる出世魚とされ、50㎝ぐらいまでをサゴシ、50~70㎝をヤナギ、70㎝を超えるとサワラと呼ぶ。体型は前後に細長くスマート。そこから狭腹、そしてサワラと呼ばれるようになったようだ。ちなみにヤナギは柳の葉のような体型から、サゴシは狭腰からきている。
代表的なブランド
「サワラの値段は岡山で決まる」と言われるほど、岡山のサワラは有名だが、実は最近の瀬戸内海での漁獲量にかつての面影はなく、むしろ少ない。北陸を中心とした日本海沿岸での水揚げが多く、福井、京都、石川がベスト3。次いで福岡、長崎と産卵場所の黄海に近い九州北部が多い。
おすすめ料理 | 旬 | 全国の主な産地 |
---|---|---|
お作り、塩焼きなど | 春~初夏 | 北陸地方、九州北部、東京湾など |
サワラの煮おろし
出汁から作ったつゆに大根おろしをたっぷりと入れカラっと揚げたサワラにかけて召し上がれ。
材料(2~3人前)、調理時間目安(20分)
材料 | 分量 |
---|---|
サワラ | 半身 |
片栗粉 | 約1カップ |
揚げ油 | 適量 |
大根 | 1/3~1/2本 |
一番出汁 | 180cc |
しょう油 | 30cc |
みりん | 30cc |
三つ葉 | お好みで |
作り方
【手順1】
半身をひと口サイズに
サワラの身はひと口大ぐらいの食べやすいサイズにカット。半身はあらかじめ塩を当てて身を締めておくといい。
【手順2】
衣を付ける
片栗粉を器に入れ、そこに切り身を投入。切り身全体に衣が薄く万遍なく付くように、切り身を手でたたきながらまぶす。
【手順3】
油で揚げる
フライパンにサラダ油を張り、約170℃まで熱してタネを入れる。1度に大量のタネを入れると油温が下がるので注意。
【手順4】
ペーパーで油を切る
キツネ色に揚がったら、クッキングペーパーに乗せて油を切る。あんをかけるので、カリカリに揚げても美味しい。
【手順5】
あんを作る
大根の皮をむいて、おろし金でおろす。量はお好みで。多めの方が美味しい。1番出汁としょう油にみりんを6:1:1で混ぜ合わせた出汁つゆを鍋に張り、おろしを入れる。強火にかけて煮込み、おろしに味を染みこませる。最後に三つ葉を入れて、しんなりしたらあんは完成。
【手順6】
唐揚げにあんをかける
あとは皿に唐揚げを乗せて、その上からアツアツのあんをかければ、煮おろしの出来上がり。
【ワンポイント】塩を当てて身崩れを防ぐ
サワラは身に水分が多く、身崩れを起こしやすい魚。調理を始める前に、軽く塩を当てて寝かせておくと、水分が適度に抜けて身が締まり、扱いやすくなる。
完成!
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