松本幸雄さん&キャンタさんのエリアトラウトロッド構成と戦略「操作系ロッドって何?」

使用ラインによって表情がガラリと変化するエリアトラウトのロッドたち。エキスパートアングラー、松本幸雄さんとキャンタさんの2人が愛用しているロッドは奥行きが深く、使い方も千差万別。今回紹介するのは「2人はこう使っている」という例に過ぎないが、全国区のトーナメントで結果を残している2人だけに参考になる点は多い。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

松本幸雄さんのプロフィール

松本幸雄(まつもと・さちお)

ホワイトウルフ開発者、ロデオクラフトスーパーバイザー。バリバスフィールドテスター。タレックスモニター。オプトさいとうフィールドテスター。伝説的エリアロッド『ホワイトウルフ』シリーズ開発者にして、ウッサ、BFの開発者。

誰からの影響も受けていない、超個性派理論は「独創性」に富んでいる。一見「奇想天外」に思える松本理論も、実は王道を直撃しているため、のちにエリアの常識として定着することが多い。エリア業界に数多くの「常識」と「定説」を築き上げた、影響力マックスのプロアングラー。

キャンタさんのプロフィール

狩野祐太(かのう・ゆうた)

新ブランド「ディープ・パラドックス」発表で、さらに注目度が集まるエキスパート。トラウトキング選手権大会ダブルマイスター。独自の理論にのっとり、スプーンにこだわったモノ作りでエリア界に革命を起こした寵児。

松本幸雄さんの主なロッド構成一覧表

松本「すごくシンプルに分類すると、操作したいのか? しっとり巻きたいのか? ですね!」

操作系ロッド

軽量級ルアーの操作に向くロッド
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 606L-e
軽量級ルアーを繊細且つ緻密に操作可能。
軽量系ルアー×操作系ロッドの最高傑作との呼び声が高い。
重量級ルアーの操作に向くロッド
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62MLS
主に低伸度系ラインと組み合わせて重ためのルアーを操作したいときに重宝する。ヘビー級のオールラウンダー。
中間を埋める「中量級」ロッド
・フォーナインマイスター キメラ603L-e
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62LSプロトモデル
進化を続けるエリアゲームの最前線がココにある。
重量級と軽量級の間を埋める『中量級』の操作系ロッド。
現在の松本さんが注目しているカテゴリー。

しっとり巻き系ロッド

・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62MLR
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62L-TRZ
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62UL
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62UL-e
主にしっとり巻きたいときに重宝するロッドたち。もちろん使用ラインよって操作系の釣りも可能。使用用途は広い。

一点突破系ロッド

・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 58UL
・フォーナインマイスター ゴールドウルフ 633ML
・フォーナインマイスター イエローウルフ 61UL-ST
中距離以下の乱打戦。アタリはある……あとはミスなくバラさないでキャッチしたい! などの特定の状況下において、一点突破するために松本幸雄さんが愛用しているロッドたち。

キャンタさんの主なロッド構成一覧表

キャンタ「自分の中の軸は『ホワイトウルフ 62MLS』と『キメラ 603L-e』ですね!」

操作系ロッド

中~軽量級ルアーの操作に向くロッド
・フォーナインマイスター キメラ 603L-e
エステルライン使用に特化した特別な操作系ロッド。中~軽量級のスプーンからミノー、マイクロクランクまで操作可能。キャンタの右腕的存在。
重量級ルアーの操作に向くロッド
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62MLS
主にマイティとバンナの両スプーンを操作したいときに愛用。2g前後の重量級スプーンを操作する上でのキャンタさんの最高のパートナー。ナイロンラインと組み合わせて、味付けをややマイルドにして使用するのがキャンタさん流。

軽量級特化型ロッド

・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 606L-e
キャンタさんの中では軽量級専門のロッドという位置付け。ハント0.7&0.4gに、しっかりと水を噛ませて使える。キャンタさんの中ではハント0.7g、0.4g専用機と言っても過言ではない。

しっとり巻き系ロッド

・フォーナインマイスター イエローウルフ 61UL-ST
・フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62UL-e
・フォーナインマイスター キメラ 62MLプロトモデル
キャンタさんがしっとり巻きたいときの代表的な3機種。使い分けが明確に決まっている。

松本幸雄さんとキャンタさんが求める『操作系ロッド』って、どんなロッドなの?

真の操作系ロッドがそんなに存在しない理由とは?

硬過ぎるロッドでルアーアクションを加えたとき、ルアーは力強く動く。そのため『動かして演出させている』気になってしまうかもしれない。だが……実はこのとき、ルアーが水を噛んでいないことが多いという。

松本「水を噛んでいないルアーは、ロッドアクションで引っ張った分だけ勢いよく手前に来ます。これではワンアクションでの移動距離が大きすぎます」

大切なのはルアーにしっかりと水を噛ませた状態でアクションさせること。ルアーに水を噛ませるために、最も簡単な方法はロッドを柔らかくすること。だが、柔らかすぎるロッドでは、ルアーへのアクション伝達がダルくなってしまい、操作性が著しく低下する。操作性を上げるために最も簡単な方法はロッドを硬くすること。だが、硬すぎるロッドでは先に説明したように、ルアーに水を噛ませにくい。

松本「さらに硬すぎるロッドは、トラウトのスイッチを入れられたとしても、ルアーを引っ張り過ぎるため、バイトした瞬間に針先が残る『間』を作り出すことができません」

この絶妙な『間』こそが、本物の操作性ロッドには必要不可欠だと2人は実感している。

キャンタ「ティップはある程度入り込むけど、本当の先端部分は入りきらない。そのためルアーにアクションを加えたときに、ラインが引っ張られて結果的にちょうどいい案配のラインスラックができる。そのラインスラックが絶妙な『間』を演出してくれる。絶妙な『間』は、アングラーではコントロール不可能なバイトを吸収してくれます。そんな『間』をオートマチックに作れて、なおかつ、がっつりと誘える。それこそが真の操作系ロッドです」

『間』を作るためにはある程度の柔らかさが必要。一方、操作性を上げるためには硬さが必要。真の操作系ロッドは、これら2つの相反する要素を1本のロッドの中に同居させることが求められる。

松本「まさに矛盾ですよね(笑)。だからこそ真の操作系ロッドの開発は本当に大変です。単純に操作性能がいいだけのロッドはたくさんあります。ですが、トラウトがバイトした瞬間に適度な『間』が作れないロッドは、フックが残りません。これでは不十分すぎます」

必要なのはルアーに水を噛ませた状態でアクションさせることができて、なおかつアングラーの意図をロスなく伝達できる操作性能。そしてバイトの瞬間の適度な『間』の演出。それらを具現化したトータルバランスのロッド。これらの条件を満たしているロッドこそが松本幸雄さんと、キャンタさんが言うところの真の操作系ロッドとなる。

そして、これらの条件を完璧に満たしているロッドが『フォーナインマイスター ホワイトウルフ 62MLS』。そして『フォーナインマイスター キメラ603L-e』と『フォーナインマイスターホワイトウルフ 606L-e』。松本幸雄さんとキャンタさんが操作系ロッドと呼ぶ真の銘竿だ。

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  • 発売日:2022年11月16日

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