メガバス人気ロッド『デストロイヤーは』5回のモデルチェンジでどう変わってきた? 変遷をご紹介

20年以上の歴史を持つ『破壊者』を切る!! 最高傑作の実力はいかに!? メガバスを語る上で、デストロイヤーに触れないわけにはいかない! それではどんな企画にするのか……? 歴史を振り返る? 希少番手を探す? いやいや。歴代最高傑作の素晴らしさを世の中に知らしめるしかないでしょう! モデルチェンジから3年。未だその完成度の高さに他の追従を許さない、デストロイヤーフェイズ5。24本もあればきっと気になる1本がみつかるはずだ!

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

2020年フェイズ5 Brand NEW『デストロイヤー』

素材と製法の限界値へと至ったシリーズ最高傑作

当時のプロスタッフがそのプロトモデルを使用してトーナメントで優勝を果たすという、文字通りの鳴り物入りで1996年にこの世に生を受けた『デストロイヤー』。初代からフルモデルチェンジを繰り返すこと4回。いよいよ2020年に登場したのが、通称「Brand NEW デストロイヤー」だ。

全24機種に及ぶ膨大なラインナップは現代のバスフィッシングに幅広く対応しつつも、少し癖のあるモデルまで幅広く網羅。ビジュアル面においては、フェイズ3までの伝統であった筆記体風の「DESTROYER」ロゴが復活。差し色のメタリックカラーはゴールドからコパー系になり、シックな雰囲気にまとまっている。最新の技術、最先端の素材を使用して生まれた新たな破壊者は間違いなく、シリーズ最高傑作だろう。

5Dグラファイト

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デストロイヤー(P5)に先駆けて試験的に投入されたロッド「ライハ」の制作過程で確立された革新的なブランクス構造。

従来のロッドが異なる軸、特性を持つカーボンのシートを重ね合わせてブランクスを作成していたのに対し、5Dグラファイトでは異なるカーボンシートをパズルのように組み合わせた上でブランクスを作成。

これにより低レジン化がなされたうえに余計な重なり部分も激減し、パワーはそのままにはるかに軽く仕上げる事ができるのだ。

デストロイヤーヘッドロッキングシステムIII

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デストロイヤー伝統のヘッドロッキングシステムは3代目に突入。こちらはフロントフードに設けられた構造で、ブランクスを支持する金属パーツとごく僅かに接しない設計。

バイトやルアーがボトムにコンタクトした際にはロッドの振動でこの部分がふれあい振動を増幅。感度を高める機能を持っている。また、ファイト時にはこの部分がしっかりと触れ合うことで支持し、剛性をフォローしてくれる。

IMBCS(メガバスブリッジコンストラクションシート)

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独自形状が目を引くオリデス・スピニングのリールシート。背中側に大きく張り出したデザインにより手のひらにジャストフィットしやすく、ロッドの操作精度と再現性を高めることが可能。

また、左右方向の無駄肉は削ぎ落とされているので、軽量かつ高剛性に仕上がっている。

IBCS(ITOバイオニクスキャスティングシート)

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デストロイヤーと言えば、オリジナル設計のリールシートも注目度は高い。1代前は左右非対称のデザインだったが、フェイズ5のリールシートはシンプルかつスマート化。あらゆるキャスティング・リーリングフオームに対応するとともに、握り込んだ際の一体感もさらに向上している。

デストロイヤー・フェイズ4までの歩み

1996年 フェイズ1

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驚異的な感度を誇る「グラコンポ」、モデルによって異なるグリップデザイン、常識をくつがえす半端レングス……。日本のそれまでのバスロッドとは一線を画し、当時の常識を文字通り「破壊」するかのように登場。2003年までの間にもマイナーチェンジを繰り返し、常に最良のバスロッドとしてあり続けた。

多くのモデルで、ウッド調のリールシートとEVAのストレートグリップの組み合わせが特徴。ブランクスの種類から記された文字の書体まで時代によって少しずつ異なるため、コレクターも多いとか。

2004年 フェイズ2

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先鋭化する時代を牽引するかのような変貌を遂げた2代目。ブランクスは初代の最後期に限定生産されたHi-10Xを採用し、高感度・高トルクを実現している。

スピニングモデルを中心にセパレートハンドルモデルが一気に増加。ベイトモデルではヘッドロッキングシステムが初めて導入されている。フェイズ2もマイナーチェンジが行われており、なかでも「F4-66XTHPサイクロン」はタックルオブ・ザ・イヤーの殿堂入りを果たした、名竿中の名竿。

2011年 フェイズ3

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デストロイヤー生誕15周年の節目に登場。「6軸コアプレックス製法」にて生み出されたブランクスが、デストロイヤーをさらなる高みへと押し上げた。

グリップ周りのデザインは全体期に細身となり、ロープロファイルリールが増える時代へと対応。デストロイヤーロゴのみをゴールドにデザインし、メタルパーツ含めクールな配色となっている。それまでの定番番手に加え、明確にベイトフィネスモデルがラインナップに加わったのもフェイズ3から。2013年には進化版としてデストロイヤーX7も登場している。

2016年 フェイズ4

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メガバス設立30周年のアニバーサリーイヤーに「プロジェクト・シャフトX」として発表。素材や技術面での向上はもちろん、プライスレンジを調整し、免責保証期間5年という、ユーザーファーストなオリデスとしても知られている。

また、いい意味で統一感のないそのデザインが、初代デストロイヤーを彷彿とさせる。

グラスコンポジットロッドの「トマホーク」シリーズも同時リリース。後年にはハイグレード版「カーボンヘッドモデル」も登場した。

デストロイヤー・フェイズ5はデザイン賞3冠

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歴代デストロイヤーもグッドデザイン賞、IFデザインアワードを受賞しているが、フェイズ5に関してはこの2種に加えてレッドドット・デザイン賞も獲得の3冠モデル。デストロイヤーはあらゆる国と地域において認められた、日本を代表する「工業製品」でもあるのだ。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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