エメラルダスの最高峰ロッド、ストイストに新たなシリーズが加わった。その名もストイストST（ストリームチューン）。RTと対極にあるというこのロッドのコンセプトは？ 春イカ攻略に合わせて山田ヒロヒトさんにうかがった。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
山田 ヒロヒト（やまだ・ひろひと）
サラリーマンのかたわら、休日を利用して各地のアオリイカを釣りまくるスタイルに多くのサンデーアングラーから支持を受け、数年までに独立。現在は、専業プロとして活躍中。DAIWAフィールドテスターとして、エメラルダスの製品開発にも深く関わる。
RTは反響感度・STは荷重感度。ティップの“遊び”で違和感を捉えるのがST（ストリームチューン）
ストイストRTと双璧をなす2大フラッグシップとしてリリースされるストイストST。開発コンセプトはこうだ。
山田「RTはカリカリに研ぎ澄まされたレーシングチューンのロッドシリーズなんだけど、一方でもっと楽しめるロッドが欲しかった。軽さばっかりじゃなくて、エギングをしていて楽しく感じられるロッド。それが開発のキッカケです。キャストしてエギを止めて、流し込んでいって、違和感を感じ取ったりしていくような、“待ち”の釣りに特化したロッドですね」
それを実現したのがSMTだ。
山田「88ML-SMTと83M-SMTの2種類に採用しています。SMTである程度ティップに遊びを持たせるようなイメージですね。SMTを搭載した以前のロッドは、最初は受け入れられるかどうか心配だったんですけど、発売したらみんな良さを理解してくれてものすごく売れました。だから今回STにも入れてみたんです。SMTなので、手感度も長けています。シャクった後にゆっくり待ちながら、流していったりラインコントロールをしてイカを掛けていくまでを楽しむロッドになっています」
88ML-SMTと83M-SMTの2本の使い分けはどんなところだろうか？
山田「88ML-SMTはしなやかなんで、エギが軽くてもティップがすっと入って重さを感じることができる。フォールではゆっくり落ちていくものにティップを追従させていかなくてはいけないので、通常のティップではできないんですよ。重さを乗せられないというか。MLなんでより流れを感じやすいから、バックドリフトもしやすいです。軽快にキャストして軽快にシャクっていきたいなら83M-SMT。Mパワーなんでシャクリもやりやすいです。コアなファンはこのスペックを待ってる人もいるんですよ。SMTに慣れていない人は、この83M-SMTのほうが使いやすいかもしれませんね」
STの真骨頂は待つ釣り。フォールやドリフト、エギを止めて流し込んでいって違和感を感じ取る。そんな待ちの時間が楽しくなるのがSTだ。
そして、73L-Sという番手もラインナップ。
山田「これは秋をメインに作ったモデルで、2号とか2.5号のエギで港内の秋イカ釣りを楽しんでいくロッド。今までのエギングロッドとしては考えられないくらい柔らかいロッドです。小さいエギで秋の新子を楽しむには長いロッドはいりませんからね。ティップはカーボンソリッドのメガトップ採用でいい感じに入ってくれるから、ティップランにも併用しています。これで1kgのイカを掛けるとものすごく楽しいんですよ。あまりにも曲がりが面白いしそれなりにパワーもあるから、ポテンシャルは高いですよ。ちなみに、バスフィッシングで使ってもめちゃくちゃ面白いです（笑）」
エメラルダス ストイストST （DAIWA）の細部をチェック！
【SMT（スーパーメタルトップ）】
絶妙な曲りこみを見せる超弾性チタン合金ティップ
83M-SMTと88ML-SMTに採用。超弾性チタン合金によるティップセクションで、カーボンでは成し得ない荷重感度を実現している。SMTを使ったことで、ティップでエギの重さを感じながら、じっくりと釣り込んでいくような釣味を生み出している。フォールやドリフトの“待ち”の間を楽しめるティップだ。
【AGSガイド】
軽量＆高感度のエアガイドシステム
チタンの約3倍の剛性を持つカーボンをフレームに採用し、感度、飛距離、コントロール性を向上。ラインを通して伝わる情報をロスすることなくダイレクトにブランクに伝達させる。
【V-JOINTα】
しなやかかつ高強度のジョイントシステム
斜め45度のバイアスクロスを配したことで、強度をアップさせつつひずみをなくしし、しなやかに曲がる継ぎ目を実現。ワンピースロッドのようなスムーズな曲がりで、パワーロスを軽減する。
【ブランクタッチショートグリップ】
カーボン入りエアセンサーシート採用
フォアグリップをショート化することで、指でブランクタッチしながらの釣りを実現。リールシートは軽量化・高強度・高感度のカーボンファイバー入りエアセンサーシート。
ピーキーでカリカリにチューンされたRTとは対極にあり、純粋にエギングを楽しむためのロッドがST。しなやかさの中にある鋭さは残しつつ、SMTによるこれまでにないフィーリングを生み出している。
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