36年間にわたる歴史のなかでメガバスという名のゆりかごに産み落とされてきた数々の名作ルアーたち。このページでは、数々のメガバスルアーから3つのテーマ「好きなルアー選ぶなら:偏愛」「メガバスを象徴するなら:真髄」「これは釣れる:卓越」に沿って私的な観点にて唯一無二のアイテムを選んでもらった。今回は杉村和哉さんのセレクトをご紹介。
●文:ルアーマガジン編集部
杉村和哉さんのプロフィール
杉村和哉(すぎむら・かずや)
琵琶湖でもトップクラスに予約が取りにくいことで知られる大人気フィッシングガイド。その指導は丁寧かつ低姿勢でわかりやすく、女性からも好印象だとか。
ガイドとしてあらゆる状況に対応できる豊富な引き出しを持ち、自身の釣りにおいてもその知見を発揮。琵琶湖以外にもため池での岸釣りやレンタルボートフィールドでも活動しており、優れた結果を残す。
ライギョ好きとしても知られる。特技は泳いでいるバスをネットですくうこと。
【偏愛ルアー】X-70
タックル
ロッド | デストロイヤーF1.1/2-72XS“ベビープラッギング” |
リール | ハイギアスピニングリール |
ライン | ザルツ・バスハード 5lb(ラインシステム) |
このルアーが登場するまで、ミノーというのは断面が丸や楕円形をしているのが当たり前でした。そこにフラットサイド、つまり平面的なボディーを採用したというのが「Xー70」の画期的なところです。同じサイズのミノーでも、ロッドワークを加えたときにフラットな面があるほうが水を押すパワーが生じる。そのうえダート性能も高い。そうした特徴を最大限に生かすため、「強めのトゥイッチ」でしっかりアピールさせてやることが、このミノーを使うキモだと感じています。
70mmというボディサイズは日本のベイトフィッシュのど真ん中なので、フィールドを問わずに出番があるのもいいですよね。琵琶湖用としては小さいのでは? と思われそうですが、実はこのぐらいのコアユやホンモロコを捕食していることも多い。特に秋口の北湖では欠かせないアイテムのひとつです。
【真髄ルアー】ライブX モデル1
タックル
ロッド | オロチカイザ F4-65K ワンテンスティック |
リール | ラウダ 72L |
ライン | ザルツ・バスハード 14lb(ラインシステム) |
1990年に発表された初代ライブXは、メガバスの原点になっているアイテムのひとつだと思うんです。そこに現在の技術とLBO IIのシステムを注ぎ込んで、新たに生まれ変わった「ライブX モデル1」は、僕にとってすごく象徴的な存在です。
琵琶湖で使うとすれば、たとえば早春の2m前後のレンジでフィーディングしている個体を狙ったりするときに多用します。まさにこれからの時期ですね。
ジャークすると鋭く大きなダートを出すことができるし、巻いてもきっちり食わせられる泳ぎを備えている。このふたつを両立できるルアーって、あるようでなかなかないんですよ。
そういう意味では、ミノーでもシャッドでもクランクでもない、まったく別ジャンルのルアーとして捉えています。こんなものを33年前に発想していたのか、と驚かされるルアーです。
【卓越ルアー】ディープX300
タックル
ロッド | ヴァルキリー VKC-71MH |
リール | ベイトリール・ローギアモデル |
ライン | ザルツ・バスハード 16lb(ラインシステム) |
琵琶湖でよく使う4mダイバーのディープクランクのなかで、実績も人気もダントツなのがコレですね。サイズを問わずたくさん釣れるという意味では先に挙げた「X-70」も外せない存在ですが、「ディープX300」は代用品がない。最大の理由はウエイトシステムです。
重心移動のウエイトは、潜っていくあいだはリップ側に位置しています。やがて最大潜行深度に達してボディーが水平気味になると、ウエイトがセンターに移動してウエイトホールに収まる。
つまりリトリーブの途中で重心の位置が変わり、それと同時にウォブルメインの泳ぎにロールが混じるようになるんです。
ウエイトの移動によるイレギュラーな動きも効果的なので、ウイードや岩にコンタクトさせていくのが基本。傷つきやすいので16lbラインをおすすめします。きっちり飛距離が出るタックルで投げ倒してください。
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!
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