エリアトラウト2023年のトレンドはルアーの「ピッチ」と「スピード」! トラウトキング年間準優勝矢島俊介さんが解説

エリアトラウト最高峰を争うトラウトキング選手権2021-2022シーズンにおいてマイスターの称号を獲得した矢島俊介さん。来るべきシーズンに向け、次世代を担うトップクラスアングラーが考える次なるトレンドに迫る。「賢くなった魚をどうだますか~それを考えることが今のトーナメントでは必要不可欠」だと矢島さんは語る。今回は注目しているトレンド、ルアーの「ピッチ」と「スピード」について語ってもらった。

●文:ルアーマガジン編集部

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マイスターを獲得し、来期は頂点を目指す気鋭のトーナメンターが注目するトレンドとは?

アングラーのレベルアップがトラウトを賢くした

「マイスター」という称号は、エリアトーナメントで戦うアングラーであれば手中に収めたいはずだ。激戦を極めた2021~2022年トラウトキング選手権大会において、見事に年間準優勝を果たし、マイスターに輝いたのが矢島俊介さん。エリアトーナメントでのキャリアは長くないにも関わらず、スキルを支える状況判断と独自の理論を武器に、すでにトップクラスの実力者となった次世代のホープだ。

そんな矢島さんに、来シーズンにむけてのエリアトラウトでの新たなトレンドを聞いた。ホームグラウンドのひとつである大芦川F&Cフィールドビレッジの釣り場で、準備をしながら矢島さんは次のように語ってくれた。

矢島「先シーズンにマイスターを獲って来期はさらに高みを目指していくわけですが、エリアトーナメントもどんどん変化をしているので、新しいモノを見つけていかないと勝ち続けていくことは難しいですね。トーナメンターのスキルがあがり、プレッシャーのかかり方が早いのですぐに魚が賢くなって釣れなくなります。そんな状況でボクが着目しているのが……」

矢島俊介さんのプロフィール

矢島俊介(やじま・しゅんすけ)

ティモンプロスタッフ。昨シーズンのトラウトキング選手権大会でマイスターを獲得した次世代のホープ。愛されるキャラクターに加えて、的確な状況判断と独自の理論で注目を集めている。大芦川F&Cフィールドビレッジや加賀フィッシングエリア、ならやま沼漁場、アングラーズエリアHOOKなど北関東を中心に活動している。

新シーズンを勝つために注目しているトレンドは「ピッチ」と「スピード」

賢くなった魚に見切られないために

「ボクが来期のトーナメントで戦う上で注目しているトレンドが、ルアーの『ピッチ』と『スピード』なんです」と言いながら、大芦川での実釣をスタートした矢島さん。

まず、チビティアロ1.2gで軽くチェックして反応がないと、すぐにパニクラMRへ。しかし、これも乗るようなバイトまでにはいたらない。

「水がクリアなので、中層を通してもすごく魚が見極める感じですね。次は……」と言ってチェンジしたのがキビパニMR。答えはすぐに出て、1投目からヒット!

矢島「パニクラMRはノッタリノッタリ泳ぐのでそれが効くときもあるけど、今はよりピッチが速いキビパニの方がだましやすい。このスローに引いた時でも高ピッチで泳ぐことが大事なんです」

その後もほぼ毎投バイトがあり、連続ヒットでトラウトをキャッチしていく矢島さん。

矢島「魚は、ラインのリーダーの結び目も見極めるほどなので、フックは絶対に見えています。ピッチが速いルアーなら、フックも高速で動くから見切られにくいのもメリットですね」

キビパニで次々と釣り上げたあと、ややバイトが遠のくとみるやブリブリミノーを投入。

「同じ泳層を長い間引いていると、チェイスはしてきてもだんだん乗り辛いキスバイトになる。そこでより速く引けて高ピッチのブリブリミノーだとまだだませるかも」という言葉どおり、このチョイスでもすぐさま連続でトラウトをキャッチした。

朝1番はまずチビティアロ1.2gを通すも反応がなく、すぐにパニクラMRへ。魚は反応するがバイトにまでいたらない。

次にサイズが小さくピッチの速いキビパニMRに替えると連発ヒット。

その後、さらにスピードの速いブリブリミノーでも連続ヒットさせていった。

矢島さんのクランクローテーション

ピックアップルアー

キビパニMR(ティモン)

0.4mm厚の基盤リップを採用しハイピッチのキビキビアクションが特長

キビパニMRの特長は、板厚0.4mmの基盤リップを搭載したこと。潜行深度はパニクラMRと同様の1.5メートル前後だが、パニクラのゆったり目のアクションと比べるとピッチの速いウォブリングアクションを実現している。

ボディサイズは、パニクラの32mmとチビパニクラの25mmの中間の28mm。

項目スペック
全長28mm
重量2.1g
タイプフローティング

矢島「パニクラMRよりもシルエットが小さいと食わせやすくなる。ただチビパニクラまで下げてしまうと小さすぎて魚が寄らない。絶妙な大きさなのがキビパニ」

矢島「ピッチの速いウォブリングアクションは、フックも高速に動くので見切られにくいんです。注意点としては、かならず真っすぐ泳ぐようにトゥルーチューンしてください」

矢島さんはキビパニでの4~5尾を連続ヒットさせてあとにバイトが落ちたと見るや、すぐに「より速く引けて高ピッチな」ブリブリミノーにチェンジしていた。

取材協力「大芦川F&Cフィールドビレッジ」

鹿沼市を流れる大芦川のそばにあるルアー&フライ管理釣り場。地下水をくみ上げているためシーズンを通して安定した水温と高い透明度を誇る人気エリアだ。ニジマスやヤマメ、ブラウンなどをはじめ大型のヤシオマスやドナルドソン、美雪マスなど、時期に応じて様々な魚種を放流。

項目情報
エリア名大芦川F&Cフィールドビレッジ
定休日通年営業
営業時間07:00~17:00
※季節変動、状況によりナイターあり
所在地〒322-0256 栃木県鹿沼市下沢1037
電話番号0289-63-5678
利用料金1日券:5,000円
※オートキャンプ場あり
※女性料金、ペア料金、親子券、半日券あり
※持ち帰り尾数制限あり
レンタルレンタルロッドセットあり
水質クリアウォーター
放流魚ニジマス、ヤシオマス、サクラマス、ヤマメ、F-1
美雪マス、ブルックトラウト、ドナルドソン
コーホーサーモン、ブラウントラウト
※時期により変更
Webサイトpark10.wakwak.com/~field-village/

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。