高知で、数々の大型シーバスやアカメをキャッチする若きアングラー、高木響さん。彼が実践する、良型シーバスとの遭遇率UPのための4つの条件を解説していこう。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
フィッシュマン フィールドテスター
高木響(たかぎ・きょう)
京都府出身、高知県在住。大学進学で高知に移り住み、アカメやシーバス釣りに本格的に取り組む。寝る間を惜しんで魚を追い続けた結果、昨年末にはキャリア6年弱で137cm、推定40kgの怪物アカメをキャッチ。今、注目の若きランカーキラーだ。アングラーズマイスターとしても活躍中。
ランカーシーバスが釣れる可能性を高めるための4つの条件とは?
高木さんのシーバススタイルは、大型のルアー(ジャイアントベイト)を使用し、大型の個体を狙うというもの。その上で、ターゲットとの遭遇率やキャッチ率をUPさせるために気をつけていることとは何なのか? キーとなるのは、ベイトフィッシュの存在だと、高木さんは語る。
【釣れる可能性を上げるための4つの条件】
- 条件1:環境の変化が少ない小さな潮回り
- 条件2:ベイトフィッシュが2日以上溜まっているエリア
- 条件3:プレッシャーが下がる深夜
- 条件4:三寒四温の温で安定。温かい雨も◎
環境変化が少ない小さな潮回りを選ぶ
ジャイアントベイトで110cmの壁を破るには、コノシロなどのベイトフィッシュの存在がマストになる。
高木「大切なのは単にベイトが居るだけではなく、2〜3日程度ベイトが溜まっている場所です」
ベイトフィッシュが滞留しているところは水温が高めで安定?
高木「それもありますが、自分の経験でいうとベイトがさしてから1〜2日遅れてスズキが付きだします。前日に見たベイトの群れが落ち着きを無くしていたらスズキが付いた可能性があります」
ベイトフィッシュの動きを観察することが重要。そのほか釣るために意識していることは?
高木「小さい潮回りを選んで釣りをしてます。潮位差が少ない=環境の変化も少ない。産卵後の回復度が高い個体ほど捕食のために活発に動いて上流側までさしてきやすい。そういう魚はコンディションもすごく良いですからね」
小さい潮回りで潮があまり動かなくても釣れる?
高木「例えば小潮でも潮位差はあって、潮が動くタイミングなら上げでも下げでもチャンスはあります。あとジャイアントベイトだと潮が動かなくても仕掛けられる。そこがこの手のルアーの強みでもあります」
【ランカーシーバス捕獲のケーススタディ】
高木「流入河川の上流までコノシロがさしていて、岸寄りのブレイク沿いをやたら嫌がっていた。スズキが確実に付いているだろうと150mmクラスのミノーを通したけど反応がない。クラッシュ9に替えて、バシバシとシャクるように強めの動きで通したらリアクション的に80cm後半のスズキが喰ってきました。明暗絡みで明から暗に入れて喰わせるつもりでしたが、明部までものすごい勢いで出てきてひったくっていきました」
高知に110cmオーバーのシーバスにこだわって挑み続ける漢がいる。「春はもっともチャンスがあります」という若きランカーハンターの高木さんだ。なぜ100cm超ではなく110cmなのか? 高知のランカーシ[…]
仕掛けて喰わせる操作性の高さが必要
ちなみに、高木さんのシーバス自己記録の最大は、106cm(2023年2月末時点)。そして、110cmの壁を突破するために、高木さんが武器とするのがジャイアントベイトだ。
高木「もちろん状況によってミノーなども使いますが、イナっ子やコノシロの群れに付くでかいスズキを狙うときはジャイアントベイトがメイン。イナっ子やコノシロの群れに30cmくらいのボラが混在していて、でかいタイリクほどボラを好んで喰っています」
【1ヶ所10等以内で見切るのが基本】
ベイトフィッシュの動きを追い、モンスターが居るのを前提に流れの効く絶好機を狙うため、魚が居れば勝負は早い。
高木「1カ所10投くらいで見切ることが多いです。できるだけ手数をかけないほうが良い。反応がなければ、場所や入るタイミングを変えます」
ボディ全長330mm、ウェイト8.8ozのビッグサイズだが操作性は抜群。
高木「リールのハンドルを半回転ずつ巻きながら水中でパーン、パーンッと飛ばすことができます。できるだけアクションを見ながら操作したいので視認性の高いカラーをセレクト。魚のレンジが低いときやプレッシャーが高めのときはリップを付け、ミノーのように流しながらただ巻きやただ巻き中にトゥイッチを入れて喰うきっかけを作ることもできます。137cmのアカメを釣ったのもこれです」
ジャイアントベイトはベイトフィッシュとかけ離れたサイズではない。良く使うルアーは?
高木「メインで使うのはクラッシュゴースト(DRT)です。大きくてもすごく操作性が高くて、リップの着脱が簡単にできるなど、状況に合わせた調整が現場でできます。ちょっとした動きやレンジの違いで反応が変わることは多く、これを使っていれば、とりあえず何とかなると信じて」
使い方は?
高木「基本はリップなしで使って、水中でドッグウォークさせるように。あとは片側だけにスライドさせるヨコヨコというテクニックで、明暗の境などのピンスポットに寄せたり、離したりと軌道がコントロールできる。操作性が高いので潮が動かなくても仕掛けてバイトが引き出せます」
使用頻度が高いルアー3選
ルアーの選択は、メインベイトに合わせることが多い。例えば、ベイトフィッシュがこの白の場合、ビッグベイトを中心に展開する。
高木「コノシロの群れが橋の明暗部付近などの水面をビャーッと逃げ惑っているときはこの2つ。両方、ミノーのドリフトのように使いますが、ジョイクロマグナムのほうが水押しが強い。クラッシュナインは速巻きで水面を滑らせやすく、速い展開で攻めたいときにも良いです」
メインベイトがイナッコの場合はスイムベイトも有効となる。
高木「プレッシャーを感じたときや、ベイトがイナっ子のときにすごく強い。あと、ベイトフィッシュは不明だけどそんなに大きくはない。スズキは付いている。何を投げよう? と迷ったらスイムベイト系です。できるだけゆっくり見せたいのでダウンで使います。そのほうがズボッとしっかり吸い込んで喰ってきます」
【高木さん使用タックルデータ】
- ロッド:ブリスト85XXHプロト(フィッシュマン)
- リール:タトゥーラ300XHL(DAIWA)
- ライン:PE8号
- リーダー:ナイロン120lb
フィッシュマン高木響さんの実釣を動画で見る
イワシパターンやハクパターン、イナッコパターンなど…様々なパターンが混在する高知県が今回の舞台! Fishmanフィールドテスター高木響の新シリーズ「GO!GO! fun fishing」、待望のVol.2はホームである高知県のサーフや河川を舞台に巨大シーバスを狙う! 刻々と変化する状況やパターンに合わせ、小型のルアーからビッグベイトまで、適材適所ルアーをローテーションさせてターゲットに迫る!
【タックルデータ1】
ロッド:ブリストベンダバール10.1M(フィッシュマン)
リール:アンタレス DC MD XG Left(シマノ)
ライン:キャリアハイ6 2.0号(サンライン)
リーダー:シーガーエース 20lb(シーガー)
ルアー1:JOLTY30g(ブルーブルー)
ルアー2:Blooowin!165F-Slim(ブルーブルー)
ルアー3:RAZAMIN90(ブルーブルー)
ルアー4:Shalldus20(ブルーブルー)
【タックルデータ2】
ロッド:ビームスリプラウト 7.8ML(フィッシュマン)
リール:アンタレス DC MD XG Left(シマノ)
ライン:キャリアハイ6 2.0号(サンライン)
リーダー:シーガーエース 20lb(シーガー)
ルアー1:RAZAMIN90(BleuBlue)
ルアー2:Blooowin!125F-Slim(ブルーブルー)
ルアー3:Staggering Swimmer 140S(シマノ)
【タックルデータ3】
ロッド:ブリスト8.5XXHプロト(フィッシュマン)
リール:カルカッタコンクエスト 301 Left(シマノ)
ライン:フィッシュマンPEプロト 8号(フィッシュマン)
リーダー:スーパーステルス 100lb(フィッシュマン)
ルアー1:クラッシュ9(DRT)
ルアー2:Lo-Fi(Strugglearts)
ルアー3:MASA-UO(issei)
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