《全部わかる?》三原直之さんのバス釣りプリスポーン攻略考察10メソッド

三原直之さんが3~4月のプリスポーンバスを攻略するために、気をつけていることや必ずチェックするものなど、10コの基礎知識! 余すところなく伝授してもらった。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

【1】プリスポーンバスが溜まる場所

特に大雨もなく、気温水温が徐々に上がっている状態だと、まずは風の当たらないワンド、そして最上流から3コめまでのベンドが狙い目になります。風が当たらない=水が動きにくくで温まりやすい場所で、3コめまでのベンドは水深がそんなに深くないから水温も上がりやすいのです。春は上流から始まります。

風裏のワンド、そしてバックウォーターから3コめまでのベンド部にプリスポーンバスは溜まりやすいのだ。

【2】雨が降ったらバックウォーター直行便

この時期の雨はだいたい水温より温かいので、雨が降ったらバックウォーターに直行です。バスの平均サイズはそこそこデカいですが、だいたいミドルクラスちょいが多い。超でかいバスはバックウォーターに差したりはしません。

数の多いミドルサイズとは全然別の行動をするのが超ビッグバスで、東条湖なら一生ダムサイト付近にいるのかもしれません。たとえば池原ダムでも60cm弱まではバックウォーターに差してきますが、65cmオーバーとなると平成の森周辺(ダムサイト近く)から動かないと思います。このサイズを狙って釣るにはベッドシーズン以外にないのでしょう。

雨が降ったらバックウォーターは大鉄則。しかしマグナムサイズはそのような事象では行動を変化させたりはしない。東条湖のバックウォーターで釣れるのも51、52cm止まりが多い。

【3】プリ期の水温の真実

水温9度が分岐点

【1】で3コめまでのベンドを狙えと言いましたが、冬でもその場所にはいるんですよ。そのバスがルアーを食うか食わないかの分かれ目の水温が9度です。9度あれば食ってくれるかな、と考えます。

また、春の魚は上流に差しますが、単体ではなかなか釣り辛い。複数で差してくる水温が9度以上で、10度あれば魚の分母が増えるかなと期待できます。差すのに適正な水温になると群れで上がってきます。こうなると釣りやすいですね。

【4】水位による付き場の違い

満水の場合は浮きゴミなどのフローティングカバーが増えるので、バスが浮きやすくなってカバー直下に付きやすくなります。逆に減水していたら垂直岩盤などの縦系のものに付きやすくなります。急な水温気温変化にもシンプルな上下動だけで対応できるからですね。

ボトムまで入っている垂直岩盤はアウトサイドベンドに多いですが、それは水の流れで削られて岩盤だけが残ったから。アウトサイドだけチェックしましょう。

増水時はフローティングカバーを探して、カバー直下を狙う。減水時はアウトサイドの垂直岩盤を狙え。

【5】垂直岩盤をボトムのように使う

垂直岩盤は攻め方が難しいマテリアルのひとつですが、僕はクランクでボトムをゴリゴリ巻いているのを90度縦にしたものだと考えています。ルアーはクランクの代わりに3/8~1/2ozフットボールジグに3inシャッドテールワームの組合わせ。

垂直岩盤をボトムに見立てて、縦にクランクを引いているようにリズムよく落としていきます。壁に引っ掛かっても止めずにコロコロ転がしていくイメージです。シャッドテールを使うのは沈下速度アップとベイトがハゼ小魚系だからですね。

【6】見えバスは「ふわ~」で寄せて食わせる

この時期に見つけた見えバスにはビッグベイトも有効です。バスよりも岸側に投げて、ふわ~っと沈めてやります。寄ってきたら、ボトムに着いた瞬間にジャークで食わせるか、止めたままにしておくかはそのときのバスの様子次第。最初のふわ~で寄ってこなければ他の手を考えます。ハードベイトとソフトベイトで食いが変わるので、レイジーかギルロイドを使い分けます。

バスとバンクの間にキャストするのはミハラ流サイトの鉄則。最初のふわ~フォールで寄ってくればバイトチャンス大!

レイジースイマー(イマカツ)

ギルロイドJr.(イマカツ)

【7】風が吹いたらボトムゴリゴリ

風が吹いて波だって濁ってきたら、ジャークベイトでボトムをゴリゴリに当てて巻きます。垂直岩盤のフットボールの横バージョンです。ワカサギ産卵パターンなら、砂底系で同じようにボトムをゴリゴリに巻きます。産卵パターンかどうかはシャローにワカサギの姿が見える、水面に泡が溜まっている等で見分けます。

産卵はだいたい1~3月に行われます。春は土煙への反応がすごくいいですね。

ゲキアサII アライブローラー(イマカツ)

霞水系のワカサギ産卵パターンにはこれ。ボトムがガビガビなので、ボトムを掻かない最大潜行70cmのミノーが効果的。

【8】強風ならクランクベイトで中層「トトト」

これも風が強いときのパターン。マテリアルは関係なく、強めのシャロークランクかミディアムダイバー、もしくはフラットサイドクランクで、ミドストを通すようなレンジをクランクでゆっくり巻きます。トトトトトトというスローなリズムで何も当たらない中層を巻きます。

風が強いときほど有効で、ミドストをしたいけどバシャバシャ過ぎてできない。ルアーに気づいてもらえない、キャストもできない、という状況でクランクの中層トトトが効果を発揮します。

バスも素早くは動けない時期だし、水が揉まれているなかで誘い出す時間をかせぐためにゆっくりと巻きます。

ミドストの代わりにクランクを通しているイメージのため、リーリングスピードもゆっくり。トトトトと頭の中で声に出しながらゆっくりと巻くのがコツ。

ゲキアサフラット(イマカツ)

まもなく発売になる50cmダイブのフラットサイドクランク。爆風でもよく飛んでしっかりパタパタ泳ぐ。

IK200W(イマカツ)

ワインドリップで幻惑効果のあるアクション。

【9】ネコリグ≒フットボール

垂直岩盤で使うフットボールジグの動きを、食いが渋い状況でライトリグにシフトしたい場合、ネコリグかジグヘッドになります。シルエットはあまり関係なく、1.8g以上のネイルを入れて素早く落としてやりましょう。

イールクローラー 5.5in(イマカツ)

【10】「強さ」はシビアに!

無理やりは通用しない時期

プリの時期はちょっとしたことで大きな差が出ます。特にルアーの強さは重要で、風や晴れ、雨など天候に合わせて強さを変えます。これはかなりシビアで、「これで釣りたい」と無理やり通せる時期ではありません。特に晴れた日はどんどん弱くすることが大切です。

また気温にもシビアで、三寒四温の寒の日に当たったらすぐに冬の頭にしましょう。昨日まで暖かかったから、というのは通用しないことが多いですね。

三原直之さんのプロフィール

三原直之(みはら・なおゆき)

ライブスコープを積まず、バスとルアーに対する深い洞察力でJBトップ50を戦い続ける稀有なバスプロ。三原虫やフラシュリンプ、ビッグベラー175など独創的なルアープロデュースにも定評がある。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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