気温の上げ下げは逆に釣れるチャンスってどういうこと?【教えて金森隆志さん!】

春といえば、必然的にでかバスの期待値が上がるシーズン。しかし、足場の限られるオカッパリで春を満喫するにはどうすればいいのだろうか? でかバスを釣るためのロジックを知り尽くした金森さんが春バスを抑える3つの定義を説く! 今回のテーマは春の「三寒四温」。通常ではネガティブな要素とされる寒の戻りだが、金森さんに言わせればこれも勝機。どういうことなのか。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 シーバス特集

メリハリが生み出す春のリセットボタン

金森さんが最後に切り出したのは『三寒四温』。春らしい要素ではあるが、大抵は寒の戻りによるネガティブなモノとして捉えられることが多いような……。

金森「たしかに、冷え込みはバスもベイトもポジションが冬に戻って、テンションも代謝も落ちてしまうので、釣りにくくはなります。でも、今年みたいにだらだら暖かい日が続くと、水も悪くなるし、ニアディープという起点が不要になって魚のポジションが読みにくくなるんですよ。

そういう意味でも、ある程度寒の戻りはあったほうが、魚が拠り所を必要とするし、ポジションが変わることで魚自体のプレッシャーが和らぐと思いますね」

たしかに今年の春は異様なまでに暖かい日が続き、逆に寒の戻りも少なく、フィールドの状況が読みにくい気もする。

金森「むしろアフター期にはこれくらい安定してくれたほうがしっかり浮いてくれるんでいいですけどね。だから春を通じて、『天気』と『ベイト』は重要視しますが、アフター期だけは『三寒四温』はネガティブになってしまうので要注意です」

定義その3「三寒四温」

寒の戻りがポジションに縛り付ける要素になる!

寒気による気温変化、ポジションの変化により、フィーディングを起こしたり、一時的にプレッシャーが緩和されたり、ポジティブな要素もある。

良くも悪くも三寒四温による寒の戻りは、季節を巻き戻す。そのため、シャロー隣接のディープなどが起点となり、狙いが定まりやすくなる。

ベイトを意識したフラットで

シャローでバスがベイトを追っているようなときは、地形やベイトのサイズに合わせて、ルアーをセレクトしよう。

ザリガニ型ワーム・プロト(レイドジャパン)

ウエイテッドフックによる、フォール&トゥイッチはまさに逃走するザリガニ。フットボールヘッドを使ってボトムバンプでも使用。

ビッグ2ウェイ ハイフロート(レイドジャパン)

ミドスト的なロッドワークで中層を遅く、強く誘えるワッキーの派生系。高浮力の2ウェイだからこそのパワーで魚を引っ張れる。

ギルワーム・プロト(レイドジャパン)

糸鳴りなどを抑えるべく、重めのシンカーで一気にボトムへ落とし、ハンプに引っ掛けてロングシェイク。その際にボディを捻じりながらロールするのが特徴。

ボトムのジャークベイト!

捉え方でイメージは変わる!

「スローな釣り」という認識で取っ付きにくい人も多いとされる高比重ノーシンカーの釣り。ボトムを使ったジャークベイトという認識で使ってみると意外と楽しいかも?

浅いフラットでシャッドなどがごみを拾って引きにくく、またプラグでは食わせの効率が悪いため、カットスイングのボトムジャークで。結果、このパターンが今回のストロングとなった。

結末は第1打席で見えていた……!? カットスイング粘り打ちで快勝!

今回の取材で、金森さんはストロングなパターンについて、おおよその検討がついていた。それがバックウォーターでのカットスイングだ。

結果、取材初日にそのパターンは構築されたのだが、他の釣りで当てられるほど甘くはなく、誌面のバリエーションを考慮して、翌日は同水系の別のフィールドへ足を運んだというのが事実だった。

しかし、なぜ一発でエリアを見立てることができたのか?

金森「簡単ですよ、春は粘っていいフィールドがあります。それはリザーバー。水温が最初に上がるバックウォーターに魚は必ず差してくるので動かなれば当てられるんです。川やフラットレイクはそうはいかないですけどね」

もしかしたら、春は我々が思っている以上にシンプルなのかもしれない。

カナモに聞く! バス釣りに大切な3大要素は何!?

まずは『釣ってる人の真似をする』! 今はSNSを中心に情報の速度が速い。『これがイイ』ってなったときにみんながワッと試して、ワッとダメになっていくから、遅れて手を出すくらいならすぐ真似したほうがいい。それを武器にするかしないかは引き出しにしまって判断すればいいですからね。

2つめは『フィールドバリエーション』。色んなフィールドを経験して、旬なときに旬なことをやっていくことで、釣れる引き出しを増やせます。

最後は、『否定しないこと』。アラバマやマイクロベイト、ライブソナーもそう。自分の中で好き嫌いはあっていいと思う。でも頭から否定していたら、それこそ最初に大事といった真似もできないし、何も始まらない。ただね、今挙げたことはすべて自分が現代に適用し、アップデートしていくために足掻いていることでもあります(笑)。

今回のタックル

右から1、2、3の順。

1.カットスイングやアラバマリグ、ザリガニワームなど使用

項目タックル
ロッドグラディエーターマキシマムGX-71XHC-ST パワー・ザ・マックス(レイドジャパン)
リールジリオンSV TW XHL K.T.F.コンプリートカスタム(DAIWA)
ラインガノアアブソルート16lb(バリバス)

2.2ウェイハイフロート5gリーダーレスやレベルミノーなどに使用

項目タックル
ロッドグラディエーターマキシマムGX-70HC-ST ザ・マックス(レイドジャパン)
リールジリオンSV TW SHL K.T.F.コンプリートカスタム(DAIWA)
ラインガノアアブソルート14lb(バリバス)

3.スピニング全般

項目タックル
ロッドグラディエーターマキシマムGX-64L+S(レイドジャパン・プロト)
リールステラ C2500SXG(シマノ)
ラインマックスパワーPE X8 0.6号+ガノアアブソルート5lb(バリバス)

金森さんはブレーキをゼロにして、超遠投仕様。K.T.F.コンプリートカスタムのジリオンSV TWは、そのセッティングでもややピーキーな程度でキャストが可能。

金森隆志さんのプロフィール

金森隆志(かなもり・たかし)

類まれなる岸釣りのスキルを持ち、取材中に高確率でビッグバスを叩き出す、バス釣り界のスーパースター。春の釣りへの造詣が深く、毎年驚きのルアーやリグで春爆をモノにしている。レイドジャパン代表。

『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報

ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!


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