福島健さん「ハードソリッドベイトロッドは10lbと12lbフロロの違いが伝わる」

近年、いろんなロッドメーカーから「硬めのソリッドティップ」を搭載したベイトタックルが登場している。その機能と役割、モデルごとの個性を深堀りしてみよう。今回はソリッドティップの先駆者のひとり福島健さんにソリッドティップモデルについて触れてもらった。

●文:ルアーマガジン編集部

2024 新製品情報

福島健さんのプロフィール

福島健(ふくしま・けん)

1978年京都府出身。硬いソリッドティップを実戦投入してきた先駆者のひとり。エバーグリーンで数多くのルアーやロッドを開発、現在は自身の「Armada」ブランドでもソリッドティップオンリーのラインナップを発表している。

「ソリッドティップは、指先のような器用さをロッドに与えてくれる」

最低限の感度を設計するロッド作り

ジグやワームの釣りにソリッドティップを使いはじめたころ、いちばんの利点だと感じたのは「ラインの重さがわかる」ということでした。

同じフロロカーボンでも、8lbと10lbと12lbでは当然のように重さが違います。その微妙な差は、従来のチューブラーのロッドでは感知しづらかった。

ラインが細くなれば、同じようにシェイクしてもルアーが動きづらくなるわけで、そういう違いをソリッドティップは情報として伝えてくれる。そうすればイメージどおりにリグを操作できるようになる。つまり精度が上がるんです。

人間の身体も、先端に行くほど関節が細かくなってますよね。ソリッドティップもそれと同じ。チューブラーではふたつぐらいだった関節を、何箇所にも増やすことができるから、指先のように器用に動かせる。

誤解してほしくないのは「感度がアップする」のではない、ということ。僕自身は「感度」というフレーズが嫌いです(笑)。極端な話、金属製のロッドにすれば感度はめちゃめちゃ高くなるけれど、アングラー側の挙動もすべてバスに伝わってしまう。違和感だらけでしょうね。

だから感度は「最低限」でいいんです。バスにできるだけ気づかれず、なおかつ「今のはアタリかな?」が、ある程度明確に判断できればいい。

現在は、巻きモノ以外のほとんどの釣りでソリッドティップを使ってます。

アルマダのロッドには、まったく同じレングスとパワー表記で「LS(ロングソリッド)」と「SS(ショートソリッド)」の2バージョンを作ったものがあります。ソリッド部分の長さを2cmぐらい変えていて、ルアーの操作方法によって使い分けるんです。細かい話ですが「SS」のほうはガイドの数も減らして、若干の張りを持たせてます。

たとえばフットボールジグの場合、鋭くメリハリのある動きを出したいときは「SS」ズル引きやカーブフォールでゆったり優しく操作したいなら「LS」まったく同じルアーでも、ロッドによって性格が変わるんですよ。

アルマダ AR-C67MHST/SS(Armada)

3/8ozクラスの各種リグを扱いやすいモデル。アルマダは全7機種すべてがソリッドティップ採用、デジーノ製の「多段テーパーソリッド」を使用している。

ヘラクレスファクト HFAC-66MST(エバーグリーンインターナショナル)

ネコリグやスモラバなど軽めのリグに向く1本。「FACT」シリーズにはベイトとスピニング合計8機種のソリッドティップモデルがある。

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