梅雨ジメジメ…一般的には不快なシーズンでうんたらかんたらとなるところだが、バスフィッシングに限ってはそうじゃないでしょ!? というのも、初夏から夏にかけてはトップウォーターのハイシーズン! バスが静寂な水面を突き破って本能剥き出しでルアーにバイトする、あの迫力のシーンを堪能できる時期こそが今なのだ!!ということで、今回はトップウォーターの中でもスプラッシュ&サウンドでバスを魅了する“ポッパー”をフィーチャー。基本的な使い方はもちろん、「ここぞ!」というときに効果的なスペシャルメソッドまでを、O.S.Pスタッフの岡田翔生さんに解説していただいた。
●文:ルアマガプラス編集部
岡田翔生(おかだ・しょうき)
並木俊成プロ率いるルアーメーカー・O.S.Pの若手スタッフで、さまざまな業務を掛け持ちする忙しい毎日だが、最近ではO.S.PのYouTubeチャンネルでメインを張ることも。ルアマガ主催の陸王U-30にも出場している。
O.S.Pのポッパーと言えば『ラウダー』。一般的なポッパーはカップの部分がすり鉢状に徐々にすぼまっていく形状のものが多いが、ラウダーは平面に対して縁の部分が垂直気味に立ち上がるような、独特のカップ形状が特徴だ。ノーズも長めに設定されている。
ラウダー(O.S.P)
【スペック】
- サイズ(mm):70、60、50
- 重さ:12g(70)、8.4g(60)、4.7g(50)
- カラー:20~23
岡田「このカップ形状と立ち気味の浮き姿勢のおかげで、アクションを与えると水面に覆い被さるように前進しながら空気と水をしっかりとホールドするので、強めのスプラッシュを飛ばすと同時に“ボコン!”という重低音を発生してバスにアピールします。ただ、アピールが強いということは水抵抗も大きいわけで、ワンアクションに対して水面を進んで来る距離というのは短めです。それを強みとして活かした基本的な使い方が、ピンスポットでのネチネチ誘いです」
――どんなスポットを狙うのが良いのだろうか?
岡田「例えば水通しの良いところに立っているクイ、水深はあるけれども表層近くにサスペンドしている魚体が見えるところなどで、朝夕マズメなど活性の高い時間帯に集中して狙うと、好反応が期待できます。また、場所ではなく状況としては、潜っていくルアーでは見切られてしまうようなときでも、水面でネチネチとかなりしつこくアクションさせて誘い出すという使い方もありますね」
――ラウダーならではの動かし方の“コツ”みたいなものは?
岡田「先述にもあるようにラウダーは浮き姿勢が立ち気味なので、前方にお辞儀させるイメージで、首振りや左右へのドッグウォークorスケーティングなどはナシに、真っ直ぐペコペコと進めてくるのがセオリーですね。引くスピードは僕自身の場合は、かなりゆっくりです。狙ったピンスポットに絶対1尾が着いているはずだと思ってやっているので、できる限りそこから離さないように、短距離の中で可能な限りアクションさせて誘います。そして、これは僕の持論なんですが、不規則なポーズのリズムは見切られる気がしています。弱いアピールなら弱いまま、逆に強いアピールなら強いままというように、一定のリズムを保って動かし続ける方がバスからの反応は良い気がします」
――ピンスポットを基準にしたら、どこまで誘い続ければ良いのだろうか? 本当に側だけ? それとも結構離れた場所まで?
岡田「水深や水の濁り具合などでも変わってきますが、イメージとしては狙っているピンスポットを中心に半径1mの範囲というところです。それ以上離れた場合は一度回収してキャストし直します。ただ、毎回同じ角度からではなく、太陽の角度やシェードの有無、水流の方向などを考慮しながらキャストし直すことで、バスからの反応も違ってくるはずです」
――では、ラウダーだからこそのスペシャルメソッド的な使い方とは、一体どんなものなのだろうか?
岡田「最近のバスはとにかく賢いので、イイ場所にルアーを送り込んで誘うということにさえスレているんです。というのも、タックルの性能やアングラーの技術が向上することによって、もはやそういうことが“当たり前”になってきているからです。そんな厳しい状況の中でも釣れるメソッドというのが、弊社のプロスタッフが編み出した『リアクションポッパー』です。イイ場所に入れるのは同じなんですが、有望なピンスポットさえも高速ドッグウォークで通過させてしまうんです。スピードとしてはバズベイトをちょっとゆっくり巻くようなイメージなので、ポッパーとしては相当速いと思います」
――バスがいると思われるピンスポさえも高速で通過させてしまうとは…正直もったいないような気もするが。
岡田「基本形のネチネチした誘いではルアーを見切ってしまうような賢いバスでも、正体がわからない“何か”が高速で通過するとリアクションで追ってしまうのではないでしょうか。ピンスポットからわざわざ離れて追ってくるバスなら、ほとんどの場合バイトまで持ち込めますね」
ラウダーのサイズ毎の対応タックルは以下の通り。70/60は基本的に同様のベイトタックルで使用できるが、最小サイズの50はスピニングタックルがおすすめとのことだ。
【ラウダー70/60対応タックル】
- ロッド:6ft10in程度のミディアムアクションベイトロッド
- リール:ノーマルギア/ハイギアのベイトリール
- ライン:フロロカーボン12lb
【ラウダー50対応タックル】
- ロッド:6ft4in程度のライトアクションスピニングロッド
- リール:ノーマルギア/ハイギアのスピニングリール
- ライン:シンキングPE0.6号&フロロカーボン1.5号リーダー
岡田「トップウォーターなのにフロロカーボンラインを使うことに違和感を覚える方もいると思いますが、ラウダーは沈みやすいフロロカーボンラインでも十分に性能が発揮できるように設計されています。先述にもあるように真っ直ぐペコペコと、お辞儀させるように動かすので、ラインが沈んでくれた方が動かしやすいというのもあります。スピニングでシンキングPEを使うのは、着水後すぐに水に馴染みやすいのでラインメンディングがしやすくなり、自分の理想に近いコースをトレースしやすくなります」
――ちなみに、ラウダー自体をチューニングしたりすることはあるのだろうか?
岡田「共感してくれる人がどれだけいるかはわかりませんが…フックは細軸仕様に替え、絶対にバーブレスにしています。というのも、バスが賢くなっているからなのか、最近はトップウォーターに対しての食い方もそれほど派手ではなく、控えめなバイトが多い気がするんです。こういうバイトだとフックが上下のアゴにガッツリ掛かるということが少なくなり、口の外側にフック1本でかろうじて引っ掛かるような状態が多くなるんです」
岡田「それでも細軸&バーブレスならば、巻きアワセだけで外側からでも口の奥深くまでフックが刺さってくれるので、ラインテンションを常に保ってファイトできればバスのキャッチ率は大幅にアップしますよ。今こそトップウォーターのベストシーズンなので、ぜひラウダーを使ってアナタだけの1尾を釣り上げてほしいです!」
ポッパーとしてのベーシックな使い方で実力が発揮できるのはもちろん、ベーシックが通用しない“エマージェンシー”な状況下でもリアクションバイトを引き出せる多機能ポッパーこそが「ラウダー」なのだ
。この夏の象徴的な1尾をゲットできるのは、もはやコイツしかない!!
ラウダーの必釣メソッド「リアクションポッパー」そして新メソッド「スラッピング」が動画でも公開中!要チェックです!!
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