ソルトルアーフィッシングからバスフィッシングまで、幅広い釣りにおいて高い人気を誇る、シマノのミドルクラススピニングリール、ストラディック(STRADIC)が大幅な進化を遂げて、4年ぶりの全面刷新を遂げた。気になる、その進化度やスペックを紹介していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
総合的なパフォーマンスが大幅に向上。新スタンダートリールとなり得るモデルに進化!
ストラディックと言えば、ライトソルトゲームや管理釣り場などでの使用が最適なモデルから、ライトショアジギングに対応する5000番クラスまで、幅広いラインナップを持つミドルクラスの人気スピニングリールだ。
上位モデルも採用する技術を惜しみなく取り入れながらも、現行モデル(19ストラディック)は1万円台後半から2万円台で購入できるとう、高いコストパフォーマンもその人気の理由の1つだろう。
【2019年のタックルオブ・ザ・イヤーで1位を獲得した19ストラディック】
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その、ストラディックが4年ぶりに全面刷新(フルリニューアル)を受け、リリースされることがシマノから発表された。その進化の度合いには、目を見張る物があり、本当にこれがミドルクラスなのか!? と驚いてしまうほど、上位モデルが搭載する技術を多数採用している。
まずは、新しい23ストラディックのデザインを写真で見ていこう。
ストラディックのイメージであるシルバーと紺色を基調としたデザインが踏襲されている。ひと目見て、新しいストラディックだということがわかる、正常進化ということばが相応しい仕上りだろう。
【参考:19ストラディック】
23ストラディックには新たに4つのテクノロジーを採用!
新しく発表された23ストラディックには、新たに4つのシマノ独自のテクノロジーが採用された。フラッグシップモデルや上位機種も採用する技術を、この新しいストラディックにも惜しげもなく投入。
それにより、耐久性や耐摩耗性、巻き上げ力、トラブルの低減など、総合的なパフォーマンスが大幅に向上しているという。では、機能面を中心に、より具体的にその進化度をチェックしていこう。
圧倒的なギアの耐久性を実現!「インフィニティクロス」
ギア歯面の設計・製造技術の進歩によりドライブギアとピニオンギアの噛み合う接地面積が向上。その結果ギアの歯面にかかる負荷をより広範囲へと分散することに成功。
集中的にダメージを受けて損傷することを防ぎ、従来設計と比べて耐久性が約2倍(※シマノ基準ギア耐久テストによる)に向上しているという。ギアの耐久性が向上したことにより、なめらかで力強い巻きごこちを長期間キープできる。
同様の技術は、シマノのフラッグシップモデルであるステラや上位機種にあたるヴァンキッシュなどにも採用されている。
【新旧ストラディックのギア耐久比較テストを実施】
旧ストラディックのドライブギアと、新ストラディックのドライブギアに、一定の負荷をかけ続けた状態で巻き上げを続けた場合の、ドライブギア表面の摩耗度合いの比較。
左が旧ストラディックのギア、そして右が新ストラディックのギア。
同条件での実験の結果、旧ストラディックのギア表面は摩耗しているが、インフィニティクロスを採用している新ストラディックのドライブギア表面は、ほぼ摩耗していないのがわかる。 耐久性が従来設計より向上していることを証明。
ついに搭載!パワフルな巻き上げを実現!「インフィニティドライブ」
すでに、ストラディックSWにはこのインフィニティドライブが搭載されており、今回のリニューアルでついに、ストラディックにも採用された。
インフィニティドライブは、軽い巻き上げを実現した従来のX-SHIP構造がさらにパワフルな構造へと進化したもので、これまでピニオンギアで支持していたメインシャフトを特殊低摩擦ブッシュで支持することで摺動(しゅうどう・滑らせて動かす動作)抵抗が大幅に軽減。
さらに、メインシャフト自体に特殊表面処理や特殊加工を施すことで回転トルクも大幅に低減。高負荷がかかった状態でも積極的に巻き上げられるリールへと進化している。
進化したライントラブル低減構造「アンチツイストフィン」
アンチツイストフィンは、22ステラにも採用されている、シマノの新しいライントラブル抑制構造だ。この、革新的な技術が新しいストラディックにも採用さていている。
具体的には、ラインローラー部に近接するように弾性体のフィンを設置。ラインのたるみを抑えることでスプール下部にラインが脱落する現象や、ラインがよれたままスプールに巻き付けられる現象を軽減する。
圧倒的な耐摩耗性と、滑らかな動作を実現した新ドラグワッシャー「デュラクロス」
23ストラディックには、新材料による新しいドラグワッシャーが採用される。従来のドラグワッシャーを構成する繊維方向に直交する形で新しい繊維を織り込み材料を強化。滑らかなドラグ性能はそのままに、耐摩耗性を10倍以上(※シマノ社比較テストによる)に高めることに成功している。
【新旧ストラディックのドラグワッシャー摩耗テスト】
シマノは、旧ストラディックと新ストラディックのドラグを、過酷な状況で同時間出し続けた時のドラグワッシャーの摩耗程度の比較テストの結果を公開している。
左が旧ストラディックのテスト後のドラグワッシャー、右が新しいストラディックのテスト後のドラグワッシャー。
デュラクロスを採用している新ストラディックのドライブギアほぼ摩耗しておらず、 耐久性が従来設計より向上していることが、このテストからわかる。
これら、新たに搭載された4つのテクノロジーの他、HAGANEボディやHAGANEギア、Xシップ、マイクロモジュールギアII、Xプロテクト、Gフリーボディ、AR-Cスプール、ロングストロークスプール、サイレントドライブ、S A-RBなど、もはやミドルクラスというレベルを超越するほど、シマノのテクノロジーが満載の新ストラディック。
中級者はもちろんだが、より高い性能を求めるアングラーに対しても、十分機能面で対応できるレベルに仕上がっていることがうかがえる。
NEWストラディック 全機種ラインナップ紹介
C2000系ベーシックモデル
ストラディック C2000S
1000番サイズのボディ&ローターに2000番サイズ大径スプールを装着した、ライトソルト、エリアトラウトの定番モデル。ナイロン4lb-100mのラインキャパで幅広い釣りに対応。ライトソルト、エリアトラウトを始めるならまずこのモデルから。
C2000系ハイギアモデル
ストラディック C2000SHG
C2000Sのハイギアモデル。流れの中でルアーをアクションさせたり、遠投で手返しを重視するならこのモデル。45mmハンドル仕様で、ハイギアによる巻き重りも軽減。ナイロン4lb-100mのラインキャパで、ライトソルトまでの幅広い釣りに対応。
汎用性の高い新規モデル
ストラディック C2500S
ストラディックに新アイテムC2500シリーズがラインナップ。PEライン0.8号150mのラインキャパを備えながら自重185gを達成。軽量・コンパクトで活躍の場がさらに広がる。
C2500Sエキストラハイギアモデル
ストラディック C2500SXG
1000番サイズ最速の1回転87cmのハイスピードモデル。自重185gで2500番のハイギアと同等の巻上長。コンパクトですばやいラインスラック回収を活かして繊細な操作を行う釣りや、手返しを重視する釣りに適している。
バス用スタンダードモデル
ストラディック 2500S
バスフィッシングに使うならまずこのモデルから。ノーマルギア比仕様、フロロ5lb-100mのラインキャパで、スローな釣りをメインに展開するのに最適だ。
2500Sハイギアモデル
ストラディック 2500SHG
バスから本流トラウトまで使える2500番サイズ系ハイギアスタンダード。手返し重視のバスフィッシング、流れの中でのルアー操作にすぐれたモデルで、バス、トラウト、エギング、ライトソルト、なんでもこなせる一台となっている。
淡水からソルトまでなんでも使えるバーサタイルモデル
ストラディック C3000
ナイロンからPEまで使える余裕のラインキャパ。ドラグ力も十分で、あらゆる釣りに対応する汎用性の高いモデル。ノーマルギア比仕様でスローな釣り、巻き上げトルクの必要な釣りに最適だ。
淡水からソルトまでなんでも使える バーサタイルハイギアモデル
ストラディック C3000HG
C3000系スタンダードモデル。ハイギア仕様でどんなシチュエーションでもこなせる万能モデル。このサイズで悩むならまずこのモデルがおすすめ。
C3000系最速巻上げモデル
ストラディック C3000XG
コンパクトでありながら、ハンドル一巻き94cmという巻上げスピードを搭載。高速巻上げが必要な釣り、手返し重視の釣りに最適なモデル。
パワーと繊細さを兼ね揃えたモデル
ストラディック 3000MHG
4000番サイズ系ボディに2500番サイズ系のコンパクトなスプール&ローターを搭載した3000モデル。4000番サイズのパワフルな巻上げと、コンパクトなローターで、繊細な巻きとパワーを両立したモデル。スプールは2500、C3000と互換性があるため汎用性も高くなっている。
4000番サイズの深溝スタンダードモデル
ストラディック 4000
パワフルな巻き上げ力とナイロンまで対応した深溝スプール搭載で、4000番サイズでありながら不意の大物にもしっかり対応可能。巻き上げ力重視、スローな釣りに最適なモデルだ。
4000番サイズのスタンダードハイギアモデル
ストラディック 4000MHG
遅すぎず、速すぎないちょうどいい巻取り速度。幅広い釣種に使える汎用性の高いモデル。Mスプール搭載で1号から1.5号のPEラインを使用する釣りに最適。XGでの巻き重りが気になるアングラーにおすすめ。
サーフフィッシング スタンダードモデル
ストラディック 4000XG
サーフをやるならまずこのモデル。ハンドル1回転101cmの巻上げスピードからくる圧倒的なラインスラック回収能力で、波にルアーを大きく手前に押された時や、横風でラインを大きく流された場合もタイムロスなくルアーを瞬時にアクション可能。ヒラスズキにも最適だ。
ライトショアジギング、ライトショアキャスティング用モデル
ストラディック C5000XG
ラウンドハンドルノブ、ロングハンドル、カーボンクロスドラグワッシャ搭載で、タフでコンパクトな5000番サイズ。青物をターゲットにして、操作性や自重を重視するならこのモデル。
>>新ストラディックのスペックと価格(旧モデルとの比較も)<<