「一日中フルにカバー撃ちをすることはありません」→ なぜ?

2024 シーバス特集

「カバー」の魅力

夏に関していえば、カバー自体よりも、それが生み出す「シェード」がバスを引きつけるという意味合いが強いと考えています。優先順位としては「シェード>カバー」。亀山湖のカバー撃ちは難しいという話をしましたが、同じ房総でも、豊英湖や高滝湖はもう少しシンプルな印象です。カバーに魚が入っていれば、ある程度の精度で入れれば食ってくれるかな、と。

こんなときどーする?

Q.「ほかのリグでの カバー撃ちは?」
A.「もちろんやります」

たとえばスモラバやネコリグは、軽いウエイトならフォールスピードも遅くできるのでバックスライド寄りのルアーセレクト。吊るしたりシェイクで食わせたほうがよければこっちに切り替えていきます。リーダーレスダウンショットは、テキサスリグよりも姿勢が安定するので、引っ掛けて誘ったりするのに向きますね。

Q.「4in以上のドライブ スティックじゃダメ?」
A.「バイトが減ってもよければOK」

今回は亀山湖を想定して、よりバイト数が増えるであろう3.5inを軸に紹介しました。ビッグフィッシュの出やすい豊英湖ならドライブスティック4.5inやドライブショットなどに変えて、最初からサイズアップを図るのもいいと思います。

『カバー』の攻略キーワード①

「バックスライド系」

ドライブスティック3.5in(O.S.P)
カバーの表層〜中層に浮いているバスに対し、ゆっくり落としながら誘っていけるバックスライド系ワームは外せないアプローチのひとつだ。水中のカバー形状を想像しながら、スライド幅を考慮して少し手前に着水させる。

重要なポイントはふたつ。着水時に軽くラインを張って、狙うスポットへ着実に入っていくよう姿勢を整えること。ラインテンションはいわゆる「張らず緩めず」の状態から、ティップを10〜20cmほど前方に送る(さらにラインを緩める)ぐらいがちょうどいい。

折金「ダルダルにしすぎるとバイトがわからなくなります。バスが浮いていることが多い水深2〜3mまで落としたらピックアップ。ラインが水中で枝などをまたいでいるときは、そこをクリアしてもう一度落とすのもアリです」

比較的ハードなカバーを撃っていくときは強いラインが使えるパワーフィネスで。岩盤のちょっとしたボサや、マッディーシャローのアシ撃ちなどはベイトフィネスタックルでもいい。

『カバー』の攻略キーワード②

「テキサスリグは“スピード”で食わせる」

ドライブビーバー3.5in(O.S.P)
ドライブビーバー4in(O.S.P)

テキサスリグの長所は、バックスライド系に比べて手返しがよくなること、カバーに入れやすく抜けやすいこと。さらにはスローフォールで食わない魚が反応したりもする。

折金「どちらに食ってくれるかは正直やってみないとわからない。おおまかな傾向として夏の初期はバックスライドのフワフワ系、秋が近づくにつれてスピードを好む気がします」

こうしたことから、フォール中に水を押しながらボディーの前後をくねらせてくれるドライブビーバーを多用。カバーに絡めてシェイク中心で使うならドライブクローに変えたりする。

貫通力によってテキサスリグのシンカーウエイトを変えるのもいいが、「フォールスピード」で決める考え方もある。ドライブビーバー3.5inなら7g以上、4inなら8.8g以上がスピード重視の設定だ。

6月末の亀山湖でドライブビーバー3.5gを岩盤にフォールさせて釣った1尾。シンカーウエイトは10g、明らかにスピードに反応している魚だった。

『カバー』の攻略キーワード③

「ゲリラ豪雨はインレットへ直行!」

ゼロワンジグ11g+ドライブクロー4in(O.S.P)

バックスライド系は繊細なフォールアクションで食わせやすい反面、濁りには弱い。大雨で透明度が下がったときのカバー撃ちにはテキサスリグ、もしくはさらに存在感の出せるラバージグに頼りたい。

折金「湖全体は濁っていなくても、夕立ちやゲリラ豪雨で生じる小さなインレットまわりのカバーの最奥を狙うのにも有効です」
カバーに絡めつつ、モワンモワンと30cmぐらいの移動幅で誘う。そのアクションに追従して一対のアームが水を押してくれるドライブクローの3.5〜4inをトレーラーに選ぶことが多い。

折金「4inの場合はボディを少しカットして小さめのシルエットにします」

今年の夏に発売されるインセットキーパー(リューギ)は折金さん発案のアイデアグッズだ。トレーラーを付けたあと、外側からワームキーパー部分を挟むように差し込むことでワームのズレを大幅に軽減。ミドスト用ジグヘッドやスピナーベイトのトレーラーなどいろんな用途で使える。ラバージグにはMサイズを使用。

「カバー」を制する裏パターン

オーバーライド3/16oz(O.S.P)

カバーのなかに浮いて、しかしワームでは食わないバスを釣るためにオリキンが繰り出すのはメタル系。真冬のイメージが強いオーバーライドだ。

折金「カバーにラインを持たせて、シャクリながら水面直下〜1mぐらいまで徐々に落とします。ロッドワークの幅は15cmぐらい、水中のルアーは惰性で跳ねるので30〜50cmぐらい動くイメージ。H-1グランプリでカバーを撃ちたいときによくやっていた技ですが、最近はスポーニングシーズン以外はすべて使うかも」


TACKLE
【バックスライド用・パワーフィネス】
●ロッド:ブラックレーベルBLXSG681ML/MHFS
●リール:セルテートLT2500S-XH
●ライン:UVF タトゥーラ センサー×8+Si2 1号
●リーダー:スティーズ フロロ X’LINK 12lb
●インフィニ#1/0(リューギ)

【テキサスリグ用】
●ロッド:ブラックレーベルBLXSG701MHXB
●リール:ジリオンSVTW1000XHL
●ライン:スティーズ フロロ X’LINK 14lb
●シンカー:バレットシンカー5〜10g
●フック:リミット#1/0(ドライブビーバー3.5in)、#3/0(ドライブビーバー4in)

【ラバージグ用】
●ロッド:ブラックレーベルBLXSG671MHFB
●リール:ジリオンSVTW1000XHL
●ライン:モンスターブレイブZ 18lb

【オーバーライド用】
●ロッド:ブラックレーベルBLXSG661MXB-ST
●リール:スティーズAIR TW500HL
●ライン:スティーズ フロロ X’LINK 12lb
※ロッド・リール・ラインはすべてDAIWA