こんなときどーする？
Q.「夏の琵琶湖のパンチング、今も効きます？」
A.「いつの話をしてはるんですか」
「琵琶湖南湖でパンチングとフロッグ」がキムケンの代名詞だったのは過去の話。ウイードジャングルを攻めきれていないアングラーが大多数だったから破壊力があった。むしろほかのフィールドで「パンチングとフロッグ」の可能性を探ったほうが楽しいかも？
Q.「フォールベイトは使わないの？」
A.「もちろん定番ではあるが…」
水平姿勢でフォールする高比重系ノーシンカー、あるいはブルフラットのようにパワーのあるフォールベイトも夏の選択肢のひとつ。ただ、最初からそういうスローな展開をやってしまうとストロングなパターンを見落としがち。「表層まで呼べるなら、そっちで攻めたほうがデカい魚が引ける」
『カバー』の攻略キーワード①
「フロッグは、カバーを利用する究極の手段」
バスターク（デプス）
スリザーク（デプス）
ただでさえ水面でルアーの存在をあやふやにできるトップウォーターの領域に、さらにカバーという遮蔽物を利用できるのが「フロッグ」の強みだ。
木村「いくらリグをフィネスにしてカバーに絡めても、水中でバスに見せてしまったら終わり、というケースは多々あります。その点、フロッグはやり直しが効く。これ以上のパワーがあるジャンルはなかなかありません」
2017年の8月、真夏の利根川水系で開催された艇王レジェンドでは、バックスライド系を見切られたことで「普通にやっても食わない」と判断。バスタークをカバーに絡めて終了直前に1200g級をキャッチ、ドラマチックな逆転優勝を収めた。
『カバー』の攻略キーワード②
「そのときどきの“ぶっとびツール”を使え」
イヴォークゼロ150（デプス）
NZクローラー（デプス）
ブルシューター160（デプス）
木村「最近の日本で釣りをしてないから、具体的なルアーの話を聞かれると困る」
このコメントにはキムケン的発想のキモが詰まっている。「夏だからコレが効く」ではなく、あくまでフィールドとバス、その向こうにいるほかのアングラーの存在を踏まえてルアーを選ぶべきなのだ。
木村「たとえばブルシューターやNZクローラー、アラバマリグのような“ぶっとびツール”が時代ごとに存在したわけで、そういう極端なルアーパワーがあるものは真っ先に取り入れていくべき。たとえばイヴォークゼロも、120のほうが手頃で釣れるサイズに思われがちだけど、普通にプレッシャーの掛かる日本のフィールドだと『150じゃないと出ない』ってことが往々にして起こりがちです」
『カバー』の攻略キーワード③
「真夏のロングワーム！ クリアレッド」
キンクー13in（デプス）＋タリズマン#2/0（リューギ）
具体的なルアーの紹介はナシ！ というのもあまりに不親切なので、キムケン的な夏の定番アイテムをひとつ挙げてもらった。
木村「流れの効くカバーを攻略するうえで、こっちが操作しなくても勝手に動いてくれるロングワームはかなり有効。デロ〜ンというアクションはほかのルアーに出せないし、夏の魚の反応はいいですね」
琵琶湖を始めとして昔から多用しているのがキンクー13inのネコリグ。特にクリアレッドを愛用している。
木村「タイでもノドグロでも、海の美味しい魚って『赤』ですよね。水中では透明度が高くても見えづらい色なので、一種の擬態なんだと思います。クリアレッドはサイトフィッシングでも効きますからね」
「カバー」を制する裏パターン
6月にテキサス州サビーンリバーで開催されたエリートシリーズ第6戦、木村建太は決勝に進出して9位に入賞。その原動力になったのが「ごく小さなインレット」を発見したことだった。
木村「大会前日に降った夕立ちで、ドブみたいな水路からの流れ込みが発生していて、初日はそこに絡むロック系のカバーにクランクを投げて連発しました。30投ぐらい連続で釣ったんちゃうかな（笑）。真夏になればなるほど、こういうインレットが強烈に魚を引き寄せるんですよ。こうなるとカバーはオマケですね」
水がまったく動かないタイミングの溜め池などは、たとえカバーが豊富でも真夏にいい釣りをすることは難しい。フィールドを選べるなら、流れのある河川やディープのあるリザーバーのほうがアクティブな魚に出会えるだろう。「カバー」は最優先事項ではないのだ。
TACKLE
【フロッグ用】
●ロッド：ウルフダウン・70Hプロト
●リール：ゼノン・ビースト9
●ライン：オルトロスPE WX8 P-1 100lb
【イヴォークゼロ150、ビッグベイト用】
●ロッド：ウルフダウン・76XHプロト
●リール：ゼノン・ビースト9
●ライン：オルトロスPE WX8 P-1 85lb
【キンクー13in用】
●ロッド：ウルフダウン・70MHプロト
●リール：ゼノン・MG7-L
●ライン：オルトロスFC16lb
※ロッドはすべてウルフダウン、リールはアブ・ガルシア、ラインはYGK
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
