
アジングのナイトゲームでは、常夜灯の周辺がポイント選びの定石だ。しかし、アジが釣れるスポットは他にも存在する。常夜灯以外のポイント選びのヒントを、アジングエキスパートの渡邉さんに解説してもらった。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
ナイトゲームでも、場所とベイトを意識して釣りを展開
前回の記事では、デイゲームを中心に、チョーシ式のダウンショットリグの使用方法などを解説した。今回は、ナイトゲームでの実釣を解説。とっぷりと日が暮れると、渡邉さんは明かりが灯る港湾部へ移動した。
アジングと言えば、ジグヘッド単体リグ(ジグ単)が圧倒的な実績と使用頻度を誇る。その一方で、様々なリグを楽しむ懐の深さもあるのがアジングの面白さだ。そこで、渡邉長士さんに、小魚を意識したアジに最適なリグ[…]
渡邉「日中、サビキ釣りでは釣れていませんでしたけど、夜になって群れが入ったきたかもしれないですからね」
港湾や漁港の常夜灯周りといえば、アジングの定石ですね。
渡邉「夜の常夜灯の明かりは、エサ釣りでいえばコマセ。アジを寄せるファクターの一つになります。でも常夜灯がなくてもアジが居れば釣りは成立します」
例えばどんなところです?
渡邉「漁港のスロープやサーフ。夜になるとシャローにベイトフィッシュがさしてきて、それを狙うアジが居ます。それにしても濁りがひどいですね。アタリもない。夜になってもアジの群れは入っていないようですね」
アジングの釣り場選びの基本、常夜灯周りも状況によっては不発もあるということですね。
渡邉「そう。常夜灯だけじゃなくマヅメ時や流れが効き出すタイミングなど、いつも時合いに釣りに行けるとは限らない。繰り返しになりますが、今、アジがどこで何を食べているかを考えて釣りを組み立てる。そうすれば、季節や時間帯に縛られずに喰わせやすいアジに出会う確率が上がります」
今回の実釣は、ナイトゲームに軸足を置いていたらゾッとする展開。日中と夕マヅメに渡邉さんが魅せた今、アジがどこで何を食べているかを考えて釣りを組み立てた結果が最適解の一例だ。
「ナイトゲームでの常夜灯の明かりは、コマセのような役割です」
夜の常夜灯周りは、アジングのナイトゲームにおいては、誰もがポイントとしてすぐに思い浮かべる、代表的なスポットと言える。
渡邉「そのわけは一日のアジの動きを考えればわかります。日中は港内の深場やシェード。あるいは夕方、群れが港に入ってくる。常夜灯が点くとベイトが集まってアジも寄る。常夜灯はアジングのナイトゲームでエサ釣りのコマセと同じ効果があります」
ただ、アジングが成立するスポットは常夜灯だけではない。状況をしっかりと読み取ることで、常夜灯以外のスポットでも、釣果を上げることができると、渡邉さんは解説してくれた。
アジが釣れるスポットは地域色もある
渡邉さんのここまでの解説のとおり、アジが今、どこで何を食べているかを考えれば、一日をとおして反応の良いアジに出会いやすい。
渡邉「注意点としては、アジが釣れるスポットは地域色があります。例えば九州、四国、瀬戸内などアジの魚影が濃い地域は、大きな漁港の奥にアジが溜まりやすい。逆に外房などアジの魚影がそこまで濃くなく小規模な漁港が多いエリアは、堤防の先端や船道などアジが行き来するところが良い」
自分のホームフィールドの特性も考慮してアジングを楽しもう。
ナイトゲームはシャローエリアもアツい!
渡邉さんがナイトゲームで重視している釣り場選びの条件の一つがシャローエリア。
渡邉「漁港のスロープやサーフなどの浅場は、夜にベイトフィッシュがさしてきやすい。横引き系のアクションに反応するアジが居る可能性が高いです。漁港の常夜灯周りは先行者が居てもスロープは手付かずということもありますからね」
スキルアップを目指すならジグ単の基準を設定!
渡邉さんがアジングの最適解を求める上で重視しているもう一つのポイントがこれ。
渡邉「釣りはじめや初めての場所でアジを探すときに大事なのが、自分の基準を作っておくこと。自分は1gのジグヘッドにアジングビームが基準で、何秒で何m沈むかを把握しているからレンジが正確に刻めます。基準があるから流れや水深に応じて重くしたり、軽くしたりという調整もしやすい。ちなみにレンジはデイはボトムから、ナイトは表層から探ります」
【月下美人アジングジグヘッドTG1g + 月下美人アジングビーム】
渡邉「アジングビームは細身でもリブがあるから適度に水を噛む。ジグヘッドの重さによって横引き系にも漂わせ系にも対応します」
渡邉さん使用タックル
ルアーマガジンソルト2023年8月号に記事掲載!
2023年6月21日に発売したルアーマガジンソルト2023年8月号には、今回の記事がフルで掲載されている。続きが気になった方は、是非とも本誌でチェックしてみてほしい。
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