[アジ・クロダイ・マダイ]とんでもなく魚影が濃いユニークな釣り場で新作ワームを投入![今日もいいチョーシ]

ルアマガソルトの動画撮影で、大阪にあるユニークな釣り場を訪れた渡邉さん。連載企画「今日もいいチョーシ」、今月はその際のエピソードを中心に展開する。

>>とんでもない魚影の釣り場の情報

●文:渡邉 長士(DAIWAフィールドテスター) ●撮影:関野 温

2024 シーバス特集

アングラー紹介

渡邉 長士(わたなべ・たけし)

千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。DAIWAフィールドテスター。

【コラムの内容を動画で視聴する】

ライトゲームブランド「月下美人」から新たにリリースされる、2つの新作ワーム「ピンビーム」と「ブレーキンビーム」を、実釣でインプレ! そして、使開発に携わった渡邉 長士(わたなべ・たけし)さんが、使いこなしテクニックを解説!

秋はライトゲームの最高のシーズン!

ルアマガ+をご覧になっている皆さま、こんにちは。ダイワ・フィールドテスターの渡邉長士(わたなべたけし)です。この記事を書いている9月後半現在は、夏の灼熱地獄に比べるとかなり涼しくなり、朝晩は寒さを感じるようにもなってきました。この記事がアップされている頃にはもう本格的な秋に入っていることでしょう。

秋といえば色々な釣り物が面白くなる時期ですが、中でもアジング、メバリングなどのライトソルトゲームはハイシーズンを迎えます。

ライトソルトゲームに特化したダイワのブランド「月下美人」も、そのハイシーズンに向けて今年も続々と新アイテムがリリースされ、ライトゲーマーにとっては今の時期が一番ワクワク、ソワソワしているのではないでしょうか。

そんな新アイテムの「月下美人 AIR」、「23月下美人」、9月発売の「月下美人ピンビーム」や、この記事で初出しとなった「月下美人ブレーキンビーム」などを使い、前回は秋田でのデイアジングロケをいち早くレポートしました。

まだ豪雨災害の影響が残る秋田でしたが、潮の良いエリアを探し、なんとかアジを探し出しました。まだ読んでいない方は是非そちらもチェックしてみて下さい。

大阪府にあるユニークな釣り場で実釣敢行!

さて、今回のレポートですが、かなりユニークな釣り場でロケをおこなったので、そちらを紹介したいと思います。

実はこの1年間で何度もリピートし、個人的にはもっともホットな釣り場で、前々から全国の皆さんに紹介したかった釣り場なんです。その釣り場というのが大阪府にある「小島養魚場」さんです。

名前からもわかるように、普通の釣り場ではありません。海を網で囲ったいわゆる「釣り堀」で、中には1年を通してハマチやマダイなどが放流され、夏場はカンパチ、シマアジなどの青物から、冬場にはサーモントラウトなどの変わり種も放流されます。エサ釣りだけでなく、ルアー専用の桟橋からはミノーなどで青物を狙うこともでき、ルアーマンも楽しめる釣り場です。

そんな釣り施設ですが、実はここでアジングもできるんです。それも、ここはアジの魚影が超濃厚。エサ釣り師がコマセを撒くとウソのように大量のアジが集まってきます。といっても、中にいるアジは放流されたのではなく、自然に入り込んでいる天然物。囲いの金網は20cmほどのアジなら簡単に行き来できてしまうため、コマセを撒かれることの多い小島養魚場の中に居着いているというワケです。

小島養魚場が位置するのは敷地から一歩出ると和歌山県という県境で、目の前に広がる大阪湾の先には淡路島が望めるシチュエーション。ちなみに、この施設は漁港に隣接しているのですが、その漁港というのが以前に大阪での初釣りをレポートしたVol.7でも紹介した小島漁港。この時はロケの後に24時間の弾丸プライベート釣行をしましたが、実はロケ場所となったのが小島養魚場だったのです。

ここの地域は釣り場と釣り人との関係性がとても良く、他の地域でもこのようなスタイルが広がって欲しいと強く感じました。このレポートをまだ読んでいない方はそちらも是非チェックしてみて下さい。

「あれ?これ大丈夫!?」アジの姿が見えずいきなりの大ピンチ!

今回の釣行の目的はデイアジングのロケです。訪れたのは猛暑真っ只中の8月後半。水温も高く、アジには厳しい時期なので少し心配しましたが特にリサーチもせず、関空からレンタカーを使って1時間ほどで到着。準備を済ませ、午後からの半日券を購入して入場。

まず手前にコの字状のミニ漁港のようなスポットがあり、普段はこの中に大量にアジがいるのですが、今日はポツポツ見える程度。あれ? これ大丈夫?

とりあえず、その先にあるルアー専用桟橋に歩いていきますが、こちらもアジの姿は見えません。といっても実績と信頼と安心の小島養魚場。どこかにアジはいるでしょう。ということで、とりあえずスタートしてみます。

【デイアジング使用タックル紹介】

  • ロッド:月下美人 AIR AJING 63L-T
  • リール:エアリティLT2000S-H
  • ライン:UVF月下美人デュラセンサー+Si2 0.15号
  • リーダー:月下美人フロロリーダー 3lb
  • ジグヘッド:月下美人アジングジグヘッドTG 1g #12
  • ソフトルアー:月下美人 ピンビーム/ブレーキンビーム

前回の秋田アジングでは独創的なリアグリップレスのロッド「月下美人 AIR AJING 53L-S」をメインで使いましたが、 今回使った63L-Tもかなりインパクトのあるロッド。現在のジグ単ロッドのほとんどはソリッドティップですが、表記のTからもわかるように、ジグ単ロッドでありながらチューブラーなんです。

ソリッドティップのメリットは細くシャープにできるため、繊細な操作が可能なため多くのアジングロッドで採用されていますが、デメリットは中が詰まった無垢で、繋ぎ足すためわずかに重くなってしまい、ティップから伝わる感度も落ちてしまうこと。

今回の実釣では「月下美人 AIR AJING 63L-T」をメインに使用。

対してチューブラーは中空のため軽く、繋ぎ部もないためティップから伝わる信号は何も邪魔されることなく手元まで届きます。デメリットはティップの径が太くなってしまうため、ソリッドに比べるとシャープな操作感が劣ってしまうこと。

釣り竿としては本来チューブラーの方が理にかなっているのですが、アジングの場合はソリッドとチューブラーのメリット、デメリットを比較したとき、ソリッドティップのメリットの方が大きいためソリッドティップが多いというワケです。

では、チューブラーのデメリットが大きく減った場合はどうなるでしょうか。繊細な操作が可能でありながら軽く、高感度の理想的な竿になりませんか?実はこの63L-Tはソリッドとチューブラーのメリットを両立した理想的で未来的なロッドなのです。

それを実現させたのがチューブラーでありながらの極細のティップ。月下美人 AIR シリーズで最もティップ径が細いのは53L-Sなどの0.7mmですが、63L-Tは1.0mmとソリッドティップとほぼ同じような外径のため、操作感が高く、使用感はソリッドモデルと同等レベル。

ただし、大きく違うのが“感度”と“持ち重り感”。中空のチューブラーならではの響くような感度があり、先端付近に余計な継ぎ目も無いため重さを感じません。

では、なぜ今までこのようなロッドが無かったかというと、単純に作るのが難しかったから。細いチューブラーを作るためにはシャーペンの芯のような細い鉄芯にカーボンシートを巻き付けるため、製作工程がとても高難度になります。これを量産するには高い技術力が必要となるワケです。

足元での巻き上げメソッドがパターンにハマり、アジ連発!

と、実釣レポートにたどり着くまでかなりの文字数となってしまいましたが、ここからが本番です。まず正面にキャストして水深5mほどのボトム付近を攻めるも反応はなく、足元の橋脚付近をスローに攻めるも無反応。そこで数投で見切り、左側から伸びる桟橋へ移動。この日は南寄りの風が強く、この桟橋では後ろからの強風が吹き抜けます。

恐らく風速は10m/s近くあり、普通にやっては釣りにならないほどの風。こんな時に役に立つのが足元の巻き上げ。足元にジグヘッドを落として着底させたあと、シェイキングしながら巻いて上方向にアクションさせます。

すると、中層からやや上まできたところでヒット! サイズは20cm弱といったところですが、お昼過ぎの真昼間に釣れるのはやっぱり楽しい!この上昇アクションはリアクション気味にアジがバイトしてくるので、スレたアジにも有効で、オカッパリだけでなくバチコンでもよくやるアクションです。

キャストをしないため風のある時にも有効なテクニックでもあります。その後も足元の巻き上げで数尾追加し、相変わらず風が強いため1.5gにチェンジ。巻き上げはフォールで喰わすわけではないため、ジグヘッドを重くしても変わらずバイトするのも利点の1つ。むしろ重いジグヘッドにすることで操作性が上がり、フォールの時間も短縮できバイトが連発。毎キャストでバイトがあり、ヒットが止まりません。

これは完全にパターンにハマってますし、この状況ではこの足元の巻き上げが唯一の再現性のあるパターンでした。少し風が収まった時にジグヘッドを1.5gのままワームをブレーキンビームに替え、足元のボトム付近でカーブフォールさせ、スロー気味に攻めると20cmを越す体高のある良型アジも連続でヒット!

さらに風がなくなったところで、0.5gのジグヘッドにアジングビーム2インチに替えて漂わせ系のアクションや、巻き上げの上昇アクションをすると当然のようにバイトがあり、終始アジは釣れ続きました。

他にも50cmほどのマダイやクロダイなどのゲストもヒットし、閉園時間となる午後5時前には手前のミニ漁港内にアジの群れが入り、ルアーを水中に入れておくだけで勝手にヒットしてくるほどの爆釣状態。こんな素晴らしい釣り場が日本にあるんですよ。

ヒットルアー紹介

【NEW!月下美人 ピンビーム】
ボディコアにはハード素材、外側はソフト素材を成型したことにより、フックからズレにくい張りのあるボディと、わずかな水流にも艶めかしくアピールするソフトなロングテールを兼備。長さの割に体積は小さいため、低活性のアジにもバイトさせやすい上、細いテールは容易に折れ曲がりフッキング性能も高い。また、ボディーの半分以上を占めるテールは、ただ巻きでは小魚が静かに泳ぐときのような控えめなアクションだが、シェイキングすると一転して艶めかしく動き、シラスやシラウオの様な生命感が一気に宿る。このメリハリのあるアクションを生かし、バイトのキッカケを生み出すことも可能。
また、ボディーとテールの間にあるカップは適度な抵抗を生み、ノー感じになりやすいスリム系ワームのデメリットを補っている。

【月下美人 ブレーキンビーム】
水中を浮遊するプランクトンにマッチ・ザ・アクションさせるためには潮を噛むブレーキ力の高いワームが不可欠。ブレーキンビームはヘッド部にある特徴的なアームで強力なブレーキ力を発揮し、わずかな潮流でも潮を受けてプラクトンならではの“揺らぎ”を演出でき、この浮遊感はプランクトンパターンにおいて釣果に直結する重要な要素となる。浮遊感を出すためにはジグヘッドを軽くすることが必須だったが、ブレーキ力が強いため重めのジグヘッドを選択できるようになり、飛距離アップをしつつスローな攻めが可能になった。

【コラムの内容を動画で視聴する】

ライトゲームブランド「月下美人」から新たにリリースされる、2つの新作ワーム「ピンビーム」と「ブレーキンビーム」を、実釣でインプレ! そして、使開発に携わった渡邉 長士(わたなべ・たけし)さんが、使いこなしテクニックを解説!

ナイトゲームなら2500円で楽しめておトク!

小島養魚場の入場料は1日券が男性で6500円、午前券で4500円、午後券で3500円ですが、アジング入門者が手っ取り早くレベルアップする場としても最高ですし、それは入門者に限ったことではなく中級者、上級者にとっても魚を釣ることはレベルアップになります。当然ですがアジングだけでなく、青物など放流されている魚を狙うのもアリ(というか、これが本来の姿)なので、課金しても費用対効果は高いと思います。

さらに、週末には18時から22時の夜釣り券があり、こちらは2500円で楽しめます。このナイトゲームも最高で、アジは超イージーモードになり、外側を攻めるとタチウオや尺アジが狙えます。

地元の方からすると、「小島養魚場なら釣れるのが当たり前」と言う人もいるようですが、テクニック次第で釣果に差が大きく出るのは普通の漁港のアジングと同じで、釣れるのが当たり前ではないエリアのアングラーにとってはこんな素晴らしいことはありません。関東からでも旅費を費やして行く価値があると私は思ってますし、大阪観光の1つとするのも良いでしょう。

こんなパラダイスのような釣り場に皆さんも一度訪れてみてはいかがですか?


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。