連続50UPチャレンジ企画!奥田学VSタフコン秋リザーバーの結果は!?

奥田学さんの連載企画『365DAYSフリースタイル』。第5回目となる今回訪れたのは、紀伊半島のディープセントラル、合川ダムと七川ダム。和歌山県の南部、山深き奥地で今回も奥田さんのバンタムが暴れた!

●文:近藤圭一

2024 新製品情報

PROFILE

奥田 学(おくだ・まなぶ)

ストロングスタイルを主軸に、常に現場最大級のバスを仕留め続けるMr.バンタム。愛称は誰が呼んだか“ロボ奥田”。直立不動で精密機械の如く狙った獲物を確実に仕留めるのがその由来だ。シマノインストラクター。ビッグフィッシュルアーブランド『シグナル』主宰。

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残暑ながらまだ真夏? 奥紀伊半島リザーバーへ

奥田「まだまだ真夏やね…。9月とは思えへん暑さやわ…」

早朝に岐阜県を出発した一行が和歌山県北部の海沿いに到達したのは正午前。過酷な当連載ロケを無事に遂行するには、身体も気力も削られる真夏という季節を避けたいところだが、今年の猛暑は容赦がない。9月中旬、残暑と呼ばれる季節でも35度超の猛暑日はひたすらに続いていたのだった。

奥田「車で上がってくる途中に気付いとったけど…川に水がない…。各バックウォーターへ行っても同じやないのかな…」

到着したのは、合川ダム。悪い予感は的中してしまった。4つのバックウォーターをひとつひとつ巡るも、まずメインに考えていた筋は侵入不可。残す3つでも通常であれば豊富な水量を蓄えている最上流域に水がない…。やや下がった位置でようやく魚が生息できる程度の水量だ。初日にして、まさかの手詰まりな状況。それでも奥田さんは微かな望みに賭け、各バックウォーターを果敢に攻め続けた。

合川ダムを見切り、DAY2は七川ダムへ…そして得た結論とは!?

奥田「夕刻になっても新しい魚は入って来ないし、何よりベイトフィッシュもおらん…。バックウォーターにパワーを感じられへんね」

日中は「数少ない天才級」の個体とサイトで凌ぎを削り、マッチザベイトを駆使したマルチシャッド5インチのジグヘッドでのサイトが奏功。5バイト1フィッシュだったが、いずれも新たな魚ではなく、実釣中に見かけた魚のみとの勝負。食わせ方は決まった。しかし、明らかに個体数が少ない。

奥田「このまま続けても少ない魚と勝負するだけで、広がりが期待できない。今晩雨が降って、水量や状況に変化があればいいけど、それも期待できない。スパッとフィールドを切り替えた方がいい」

翌日2日目、向かったのは合川ダムから紀伊半島を車で南下して約2時間を要する七川ダム。フットワークの軽さが奥田さんの、そして当連載の持ち味だが、真夏を引きずった残暑は大方の推測に漏れず手強かった。

マンバのロングシューティングで2連発も足場の高さが起因してまさかのミス。その後のフォローで何とか1本目を仕留めるも、奥田さんは水も魚も少ない現状に頭を悩ませる

奥田「七川のどのバックウォーターもやはり水がない…。時折、魚が見えても単独行動でフィーディングは期待できない。唯一、再現性があったのは対岸へのマンバのロングシューティングでの2連発。けど、とにかく足場が高くて…ロケーションが厳しかったね」

苦肉の策として登板させたマンバのスカートのみで仕留めた魚もいたが、そのサイズに納得がいかない。当連載始まって以来、初となる絶体絶命状態。打つ手なし、万事休すか…。

奥田「まだまだ暑いけど、水中は秋へ向かっているってことやと思う。こうなったら最後の手段やね」

奥田さんが次なる手として選んだのは…。

奥田フリースタイル、異例のレンタルボート釣行へ!

奥田「リザーバーの秋の特徴として、魚は浅いレンジからどんどん深いレンジへ移行し始める。いずれバックウォーターから魚は消えていく。そんな状況でひたすらバックウォーターで粘ったところで、結果は知れている。その先を読んだ手を打つべきだと思う」

奥田さんが選んだのは「バックウォーターからもう一段下のレンジ」。そう、ボートからのアプローチだ。七川ダムから合川ダムへと再び戻り、最後はボートで陸っぱりの復讐…いや復習といった意味合いでの釣行となった。当連載“365DAYSフリースタイル”ならではの展開だ。

合川ダムレンタルボート・キナン観興/今回ばかりは陸っぱりでの限界を感じ、まさに渡りに船となったのが初日に訪れた合川ダムにあるレンタルボート店。バックウォーターから一段下に移行したであろう秋のバスを狙う、いや確認するにはアプローチ手段の変更はマストだった。

ところが、またしても絶体絶命のピンチが訪れる…。陸っぱりで回った中で最も可能性を感じていたバックウォーターへ太陽が上がり水温が高まったタイミングで目指すも、カヌースクール場となる時間帯となり侵入禁止。残されたバックウォーターもひと通りチェックするが、単独行動の個体を見かけるのみで反応は薄い異常事態…。

奥田「ニュートラルな魚より、活性が上がりやすそうな場所を選ぶしかないね」

残すは各バックウォーターの手前、周囲に深みを伴ったシャローフラット。浅瀬へとベイトフィッシュを追い込みやすいシチュエーションのフィーディング場に期待を賭ける。早朝から出船して、早くも時間は正午を回り、残された時間はあとわずか。マンバのフリーリグを軸に、ボトムシェイクしながらのズル引きに想いを込める。

奥田「ついに、来たよ!」

その刹那、奥田さんのバンタムプロトが弧を描いたのだった!

シャローフラットから何らかの生命感を得て投入した矢先に「来たよ!」。バンタムプロトを引き絞り、上へ下へ走り続け、船縁に寄せるやボート下へと突っ込み激しい抵抗を見せるも、的確なロッドワークでつ・い・に!

秋のバスはやはり深みに潜んでいた…連続50UP連載記録更新中!

奥田「いやー、一時はどうなるかと思ったよ(笑)」

最後の最後に見事、50アップ! 今回も奥田さんは現場最大級を仕留めることに成功したのだ!

奥田「岩盤沿いメインチャンネルのディープと、シャローフラットの両側を狙えるボジションで、フリーリグを落とし込みながら流して行った時のこと。シャローフラットの方で薄っすらと魚が泳いでいるのが見えたような気がした時には体が動いていた」

投入したマンバのフリーリグをシェイクし始めるや、即座のバイトだった。サイトではなくブラインド。考える前に身体が動くのは、でかバスハンター・奥田さんの野生が成せる技だった。

ヒットルアーはマンバ(シグナル)のフリーリグで、通称「ズボラリグ(笑)」。ノーシンカー状態からノガレスTGスリムシンカークイックチェンジャー(バリバス)の10グラムをライン上にセットするだけで完成。「状況次第でシンカーの付け替えが簡単」。便利!

奥田「メチャクチャ引いた! 走るスピードも速くて、ボートの下に突っ込まれたり。ドラグが追い付かずにクラッチ切ってスプールを押さえてのファイトだったわ」

実測51.5センチ。訪れる先々、日本全国で50アップの爪痕を残す当連載の奥田さん。さて、次回はどこを目指すのだろうか。お楽しみに!

合川ダム/七川ダム使用タックル(写真上より)

  • [BTベイト用]●ロッド:バンタム274M+(シマノ)●リール:ステラC3000XG(シマノ)+夢屋パワーラウンドノブ(シマノ)●ライン+リーダー:ピットブルG5 1号(シマノ)+リーダースーパートラウト アドバンス ビッグトラウト ショックリーダー12ポンド(バリバス)
  • [マルチシャッド用]●ロッド:バンタム274M+(シマノ)●リール:ステラC3000XG+夢屋パワーラウンドノブ(シマノ) ●ライン+リーダー:ピットブルG5 0.8号(シマノ) +スーパートラウト アドバンス ビッグトラウト ショックリーダー8ポンド(バリバス)
  • [マルチシャッド用]●ロッド:バンタム264ML(シマノ)●リール:ストラディック2500SXG(シマノ)●ライン+リーダー:ピットブルG5 0.6号(シマノ)+スーパートラウト アドバンス ビッグトラウト ショックリーダー8ポンド(バリバス)
  • [スイムベイト用]●ロッド:バンタム173MH-SB(シマノ)●リール:バンタムXG(シマノ)+夢屋ウルトラストロングハンドル48mm BH-1(シマノ)●ライン:アブソルートAAA16ポンド(バリバス)
  • [アーマジョイント、リザードクローラー、スイムベイト用]●ロッド:バンタム171MH+-SB/2(シマノ)●リール:バンタムXG(シマノ)+夢屋ウルトラストロングハンドル48mm BH-1(シマノ)●ライン:アブソルートAAA20ポンド(バリバス)
  • [BTフォース、リザードクローラー、トップ系用]●ロッド:ディスラプションC610-XX(シマノ)●リール:バンタムXG(シマノ)+夢屋ウルトラストロングハンドル48mm BH-1(シマノ)●ライン:アブソルートBBM25ポンド(バリバス) 
  • [マンバ・フリーリグ用]●ロッド:プロトベイトロッド(シマノ) ●リール:メタニウムXG(シマノ)+夢屋ウルトラストロングハンドル48mm BH-1(シマノ)●ライン:アブソルートAAA20ポンド(バリバス)

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