近年、ライトゲームにおけてベイトタックルスタイルの人気が急上昇中。大分在住の梶原利起さんもヘビーユーザーの一人である。「軽量リグを扱うアジングにおいても、意のままにルアーを扱えて、手返し抜群のベイトタックルはメリットだらけ。タックルセッティングや扱い方のコツなど、紹介させていただきます!」
●文:ルアーマガジンソルト編集部
アングラー&実釣フィールド紹介
梶原 利起(かじわら・としき)
年間200日以上釣り場に立つソルトエキスパート。最も好きな釣りはシーバスだが、アジやメバルなどのライトゲームも得意とする。大分市周辺がホームグラウンドだが、佐賀県や熊本県、鹿児島県など九州各地への遠征経験も豊富。フィッシュマンやブルーブルーなどのフィールドスタッフを務める。
組み合わせと設定次第で、軽量リグの扱いも意のままに
大分県大分市でアジングを楽しむのは、ロコアングラーの梶原利起さん。釣りは河川のシーバスをメインとしつつ、アジやメバルのライトゲームにも積極的。ことアジングに関して言えば、自宅からほど近い場所にポイントが存在するなど、非常に身近なターゲットのようだ。
梶原「大分県はとにかくアジが豊富。関アジで有名な佐賀関を始め、県北から県南までの海岸線はどのエリアでもアジが狙える上に、数釣りから大型狙いまでとにかく多彩なアジングが楽しめます」
大きなポテンシャルを秘めたフィールドをホームグラウンドとし、毎年200日以上、多い年は300日以上釣り場に足を運んでいる梶原さんだが、特筆すべきはベイトタックルオンリーで釣りを楽しんでいるところだろう。
梶原「アジングは繊細なイメージを持たれると思いますが、昨今のタックルの進化は目覚ましく、組み合わせと設定次第でアンダー1gの軽量ジグヘッドも投げられるようになりました」
梶原「そんなこともあり、使い始めた頃は〝キャスト〟すること自体を楽しんでいましたが、使い続けることでアジングにおけるベイトタックルのメリットもたくさん見えてきました。例えばそれは手返しの速さやボトム着底のわかりやすさ。ロングリーダーを組めるのも大きなメリットですね!」
取材当日に釣りを開始したのは、満潮の2時間くらい前のこと。
梶原「ちょうど上げてくるタイミングなので、漁港内にアジが入ってくる可能性がありました。キビナゴなどのベイトが絡めば良型も狙いやすくなります…ですが、今回は完全アミパターン。サイズはなかなか伸びませんね」
ベイトアジングのメリット1「軽量ジグヘッドの釣りでも着底がわかりやすい!」
アジングではレンジが非常に重要になってくる。ボトムから探っていくことも多いが、軽量リグがメインになってくることもあり、ボトム着底の把握が重要になってくる。
梶原「ベイトリールはスプールの回転でラインが放出されますから、軽量のリグでも着底した時に、若干の糸フケを出しながらスプールが止まってくれるんです。つまりボトムが取りやすいということ。これはかなり大きなメリットですね」
ベイトアジングのメリット2「ラインはPE一択! ロングリーダーが組めるのもメリット!」
梶原「巻きグセ等加味すると、ベイトリールにはPEライン一択です」
PEラインを使えばバックラッシュは発生しにくいが、ラインスラック発生時に感度が落ちる、擦れに弱いなどのデメリットもある。それを解消してくれるのがロングリーダーだ。
梶原「私はだいたい2ヒロくらい。スプールまで巻き込んじゃっていますが、ベイトリールは直線的にラインが出ていくのでガイドに干渉しにくいんです」
アジはもちろん、メバルやカサゴなどライトゲーム五目的にも使える!
実釣したエリアはメバルの宝庫でもある。ジグ単を用いてアジ狙いのフォール中心の釣りにただ巻きを織り交ぜると、メバルも顔を出した。
梶原「メバルの大好きなターゲットのひとつ。今はこれくらいのサイズですが、これから本格シーズンを迎えれば大型も狙えます」
最近よく使うという3gのメタルジグでボトム付近を探っていると、アジが連発。そのまま同じくらいのレンジを探り続けているとカサゴがヒット! しかもかなり大型。
梶原「このサイズのカサゴは久々に見ました。漁港内でこのサイズはなかなか出会えませんから、ゲストであっても嬉しい1匹です!」
夕方から現場に入ると「まずはナイトゲームで手堅く釣果を出していこうと思います」と言うと、実釣開始直後から小型のアジを連発させてみせた。
梶原「とりあえ釣果も出せましたし、ここから良型を狙っていきましょう」
シチュエーションに合わせて2タックルを使い分ける
では、梶原さんはベイトタックルアジングにおいて、具体的にどのようなタックルを使用しているのか? 今回の実釣取材では、2タックルを用意し、状況に応じて使い分けて展開していた。その詳細を解説していこう。
タックル1「ビームスインテ6.4UL」
梶原さんが愛用するタックルについてご紹介。まずは、シャープな竿先で繊細なアタリを積極的にとっていく「ビームスインテ6.4UL」から。
梶原「ビームスインテは7ft9inモデルが既存で存在していて、6ft4inはその派生モデル。これまでのフィッシュマンの“曲がる竿”と言う印象とは味付けは異なりますが、繊細なアジングゲームが楽しめる仕様になっています」
ベイトタックルならではのダイレクトな感度、そしてシャープなティップの感度の相乗効果も狙えるようだ。
梶原「ジグ単と軽量のメタルジグの釣りにはこちらのタックルセッティングで挑んでいます」
ビームスインテ6.4ULは、インテ7.9を短くしただけでなく、ブランクスの味付けも大幅に変更している。アンダー1gのジグ単やマイクロプラグなど、軽量リグのキャストや扱いを容易にしたモデルだ。キャストからルアー操作までを手返しよく行えるだけでなく、サミングでのライン捌きも行いやすい。張りを持たせてあり、感度と反発力でアジングシーンに切れ込む1本となっている。
【使用タックル】
梶原「アジングに関しては、ゲーム性を楽しむことが多く、再現性を感じられれば満足できたりします」
この日も同じポイントで連発させて、移動と言うシーンが多かった。レンジは合っているか、アジは何を食ってどんなルアーやアクションに反応してくるのか? 釣れたとしても狙いは合っていたかなど、パターンを何度も反芻するのだそう。
タックル2「ビームスインテ7.9UL」
フィネスだけどパワーもある、フロートやキャロにも最適なビームスインテ7.9UL。マイクロルアーのキャストをメインに開発されたビームスインテシリーズの第一弾となる。
梶原「6ft4inモデルと比べると非常によく曲がるロッドです。リリースポイントも多いので、ベイトに慣れていない方でも投げやすい。それでいて、バットにはしっかり芯があるので、チヌやシーバスがきてもしっかり寄せられるパワーももち合わせています」
上の写真はキャスト時のロッドの曲がり。ロッド全体をしっかり曲げてキャストすることで、軽量ルアーもしっかり遠投することができる。梶原さんは足場の高い堤防やライン捌きが重要になる磯場などをメインに使用する。
梶原「僕は普段やりませんが、フロートやキャロにも最適な竿だと思います」
【使用タックル】
レングスを生かしたフィールドチョイスが、このセッティングの性能をフルに引き出すためのキモ。
梶原「8ft近くあるロングロッドになりますから、地形変化の多い磯でのライン捌きが行いやすいほか、足場の高い防波堤でも、手前までしっかり探ることができます」
ベイトタックルでアジングやライトゲームを楽しむ上で、ロッドの選択は重要な要素となる。シチュエーションに応じて使い分けることで、ゲーム性の高い釣りが展開できるはず。今回の梶原さんの解説を参考に、是非チャレンジしてみてほしい。
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