レジットデザインから「温故知新」のフリッピングロッド登場!現代に紡がれるフリッピングの系譜と必要性を鬼形毅が語る!!

レジットデザインからフリッピング専用のロッドが2本リリースされる。最近はあまりフィーチャーされなくなってきた印象のあるフリッピング。ここでレジットデザインがフリッピングを作るわけとは? そしてそこに込められたこだわりとは? ロッドデザイナーの鬼形毅さんに話を聞いた。 

●文:ルアマガプラス編集部

語って頂くのはフリッピングロッドに一家言を持つレジットデザインC.O.O.鬼形さん!

鬼形 毅 (おにかた・たけし)
レジットデザインC.O.O.として、ロッドのデザインとブランドのプロデュースを手掛ける。現在も競技の舞台に身を置き続けている第一線のトーナメンターでもある。バスフィッシングの豊富な知識を活かし、艇王などの解説者としても活躍。  

2024年新製品!『ワイルドサイド WSC76MH-T/WSC76H-T “For Serious Flipper” (レジットデザイン)』

【スペック】

番手 レングス 適合ルアー適合ライン 定価 
WSC76MH-T 7ft6in10-28g 16-25lb¥43,000 
WSC76H-T 7ft6in10-35g 16-30lb¥43,000 

フリッピングはひとつのアプローチの方法にすぎない だからこそ「専用の道具」が必要 !

――まず、フリッピングロッドを出そうと思ったきっかけを教えてください。 

鬼形「レジットデザインを創業して10年くらいになりますが、最初にワイルドサイドを作ったときからフリッピングロッドは欲しかった。アメリカに行って釣具屋に行くと、どのロッドブランドにもフリッピングロッドはラインナップされているんですよ。100ドル未満からハイエンドまで値段はまちまちですけどちゃんとある。レジットデザインはロッドブランドとして、バスフィッシングのある意味トラッドなメソッドであるフリッピングのロッドがないのは如何なものかというのは以前からあったんですよ。ただ、フリッピングは日本のマーケットでそこまで重要でないのは事実。立ち上げ当時からフリッピングロッドを出すのは少し勇気がいる(笑)。そこで、そろそろ出してみようかというのがきっかけですね」

――レングスは7ft6inで、MHとHという2種類がラインナップされています。

鬼形「7ft6inはフリッピングロッドのフルサイズレングス。これはもう伝統ですね。MHモデルは、最近のソリッドティップでしなやかなMHじゃなくて、重いシンカーをちゃんと扱えるパワーとアクションになっています。高比重ワームのノーシンカーから、10〜14gくらいのテキサスリグなどが使いやすくなっています。ガード付きのラバージグ、1ozやそれ以上のシンカーを使ってパンチングなどをする場合はHモデルを使ってもらえたらと思います。テストで感じたのですが、最近はむしろ3.5gとか軽いシンカーのアプローチにバスが慣れてきていて、10gとか14gのシンカーで比較的速くフォールさせたほうが魚の反応が良いことも多い。重いシンカーのほうがフリッピングのキャスト精度も上がりますしね」

――ロッドはテレスコ仕様ですね。

鬼形「フリッピングロッドの歴史は、ディー・トーマスがフェンウィックで作ったのが最初で、そこからバスマスターのレギュレーションで76になり、グラスのワンピースだったのがテレスコになり、カーボンになり…という流れがある」

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鬼形「なので、フリッピングロッドはテレスコであるというのが、トラディショナルな竿作りだっていうのが自分にあるんですよね。グリップ脱着も当然できるんだけど、自分の中ではそれじゃないんだよねっていう(笑)。あとは、短くなることでボート上でかさばらない。リザーバーなどのスポットでフリップを入れていく場合にも、ボートの上で邪魔にならないなと。短くすれば6ftくらいになるので、使うときだけ伸ばせばいい」 

――一番手前のガイドは遠目にセッティングされていますが…

鬼形「ラインの引っ張り代が欲しいのでストリッピングガイドは遠目。フリッピングロッドにおけるリールからストリッピングガイドまでの距離って、黄金比があるんですよ。オールドのフリッピングロッドをいろいろコレクションしてますし、前職から10本ほどフリッピングロッドをプロデュースしてますが、初代のフリッピングロッドからガイド位置はほぼ変わっていないんですよ。

ガイドは小口径、多点型のガイドセッティングにはなっても、ストリッピングガイドの位置は変わらないんです。そして、リアグリップの長さも同じ。80年代初頭のグラスのフリッピングロッドとほぼ一緒。変わっても1cmとか。自分もいろいろやってみましたけど、もうフリッピングロッドは黄金比が決まってるんですよね」 

ティップ 
PEラインの使用も考えて、絡みにくいガイドセッティング。ブランクもPEの貼り付きを抑制するアンサンド仕上げ。 

テレスコピック仕様 
バット部をテレスコピック仕様にしたため、ストリッピングガイド部にはストッパーを装着。 

小さいトリガーのグリップ 
フリップの動作をする上で、フィンガーポジションの移動がスムースに行えるように、あえて小さいトリガーのリールシートを採用。 

 フリッピングは沼だけじゃない、どこでも活躍の場がある !

――フリッピングは、日本では印旛沼や牛久沼での専用メソッドという印象が強いです。 

鬼形「アシ・ガマがたくさんある場所じゃないとフリッピングロッドの本領は発揮できない。あとは八郎潟、伊庭内湖、西の湖などですかね。どこでも使える竿ではないけど、視野を広げていけば、フリッピングロッドの出番があるシチュエーションは結構あります」

鬼形「例えば新利根川のミズヒマワリやナガエツルノゲイトウなどのフローティングカバーを撃ったり、リザーバーのゴミ溜まり。こういった場所をある程度の重さのシンカーのリグで、真上から落としてやらないと入っていかなかったりする。なので、フリッピングロッドを持っててよかったねってことも多いですよ。でも、今の日本の市場にフリッピングロッドってほとんどないんです」

――そして、フリッピングは今でも十分に釣れるメソッドであると。 

鬼形「リールが進化して、軽いものがどんどん扱いやすくなってきて、カバーの釣りもどんどんフィネスになっている。ピッチングで十分にカバーに入れていくことができる。ただ、フリッピングのほうが精度がもっと高く入れていくことができるんです。手返しも良くなりますしね。それに、アシの向こう側、矢板の向こう側の釣りとなって来ると、普通のカバーロッドだと完全に不利です。

日本の造語であるウエッピングの釣りでは、一般的なカバーロッドでは限界がきてしまう。それに、印旛沼などの難しいフィールドでは、アシをいかに揺らさないでルアーをアプローチできるかで釣果もガラリと変わってくる。そうなると、より正確に撃っていけるフリッピングロッドが有利なんです。そこで、やっぱりフルサイズの76レングスのフリッピングロッドがあるといいよねということなんです」 

――いろいろな新しい釣法が出てきてもフリッピングのような伝統の釣り方もまだ生きているのは嬉しいですね。 

鬼形「フリッピングは魚探のスペックなどではなくアングラーの技量が問われる釣りです。他人が流した後でも魚を抜いていけることもある。単純にアングラーのテクニックで決まるというのは、バスフィッシングらしいし良いですよね。実際にフリッピングの釣りをしてみると、何十年前と変わらないやり方でバスが釣れてくれる。その感じも楽しいですからね。ぜひこのロッドで、ハイシーズンのフリッピングを楽しんでください! 」

朗報!1/20(土)~1/21(日)にレジットデザイン2024年の新製品を触れるチャンス!

釣りフェスティバルが開催される1/20(土)~1/21(日)の同タイミング、同エリアの横浜にて、大人気釣具ショップ「神奈川トヨタマイクス」で開催されるマイクスフィッシングショーにレジットデザインが出展。

当日は2024年の新製品の展示はもちろん、鬼形さんもトークショーやブースに常駐するとのこと!

今回ご紹介したフリッピングロッドもあるので、気になる方は釣りフェスティバルと併せて行くことをおすすめしたい!


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