アジを挟む。その狭い用途のために本気で開発されていく「アジバサミ」たち(タチウオとか毒魚を挟むのにも便利ですが)。とはいえ、必要とされるからには専用道具が存在する意義は大きいもの。実際、アジングをやりにいってアジばさみを忘れるとなかなかショックだったりもする。そんなアジバサミにまたひとつ、究極的ともいえるアイテムが登場した。それがラグゼの『宵姫アルミフィッシュグリップ』だ。
●文:ルアマガプラス編集部
凶悪な見た目だが優しい!?
監修した藤原真一郎さんの記事で開発中の製品をみてギョッとした人も多いだろう。
とはいえ魚を挟むこの手の道具はメゴチバサミなど、魚を挟む部分がそれなりに鋭くなっている。それはもちろん確実に魚をホールドし、釣り人に危険が及ばないようにするためではある。
だが『宵姫アルミフィッシュグリップ』は、宵姫、つまりライトゲームブランド展開の製品であり、実質的にはアジを挟む専用としての登場となるわけだ。にもかかわらず、無骨というか、言葉を選ばずに言うならば、凶悪な印象までうけるデザインで登場したのだ。
しかし上記の記事内にある藤原さんの解説では、そのビジュアルに反して魚へのダメージは樹脂製と大差ないという。
その真意を知るため、記者は実際に『宵姫アルミフィッシュグリップ』を購入し、実際に使ってみた。
その質感は所有欲を満たす
記者はアマゾンで購入。
5000円以上と、決して安いとは言えない金額ではある。
しかしいざ手にしてみると、その価値観は一気に裏返ることとなった。
まずなんとも言えない質量感。
大きすぎず小さすぎないちょうどいいサイズ感ではあるが、さすが金属製とでも言うべきか。ずっしりと重みを感じるのだ。しかも決して苦痛になる重さではなく、安心感のある重さ。そこには確かに高い剛性を感じることができた。アジというターゲット単体を考えただけでは剛性は不要かもしれない。しかし1回の釣行で数十匹釣れてもおかしくないのもアジ。アジばさみの使用頻度はものすごく高いのだ。
そういう意味では挟む部分(ブレード)が金属製である利点も大きい。
樹脂製のアジバサミの場合、歯先が気がつくと丸くなってしまい、購入したばかりの頃よりも挟むことに苦労する…そんな経験がある人も多いことだろう。
その点、金属(ステンレス)のブレードを持つ『宵姫アルミフィッシュグリップ』はその懸念が少ないと言えそうだ。
金属製となると、握り心地に不安があるかもしれないが、その点においても快適だ。
ラバーコートされたグリップは金属のゴツさを感じず、なおかつ滑らなすぎないことによるストレスもない。
開き幅は少し広めなのと、ペンチのようにグリップするタイプなため、トング状のアジバサミを使っていると少し違和感はあるかもしれない。
そしてビジュアル。
アジバサミという、ある程度形や明確な用途が決まっている製品を、これほどまでに機能的かつ高いデザイン性をもたせられるとは驚きである。
所有感を満たす。
まさにそんな言葉がピッタリな「アジバサミ」であり、実物を手にした次に瞬間には値段が全く持って気にならなくなっていた。