【ようこそサベージギアの世界へ!】開発者が語る「リアル」を超えたリアル/怪魚ハンターの目に映る「ヤバい」世界

ピュア・フィッシング・ジャパンが新たに取り扱いを始めたスイムベイト系ルアーブランド「サベージギア」。ニジマスそっくりのスイムベイトや、これはルアーか!?と目を疑いたくなるようなアヒルやヘビのルアーをリリースしているといえばピンと来る人も多いだろう。しかしそのイメージが先行しすぎて、いわゆる「イロモノ」メーカーと勘違いしている人も多いかもしれない。しかしその中身は実に硬派でストイック。それでいて規格外。「savage(=ヤバい!)」の名が表す特能の世界をご案内しよう。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 新製品情報

上陸!サベージギア!ってなに?

アブガルシアを筆頭に、数多くのブランドを取り扱うピュア・フィッシング・ジャパンが昨年から新たにスタートさせた『サベージギア』との関係は、多くのアングラーのド肝を抜いたに違いない。

『サベージギア』は、知る人ぞ知るスイムベイト系メーカー。

3Dスキャンという技術を用いて、驚くほどにリアルなルアーを数多く生み出してきている。

しかし誤解を恐れずに言うのであれば、世の中は『サベージギア』のことを理解していない。それどころか、見た目がリアルなだけのルアーを取り扱うメーカーだと、勘違いされているかもしれない。

しかしそれは違う。

サベージギアのルアーは必然性の塊であり、全ては釣果を生み出すための結果に基づいたものなのだ。

「savage(サベージ)」とは、英語のスラングのようなもの。

「ヤベェ!」の意味を持つこの言葉がふさわしいルアーたちが、アングラーを待っている。

デカい魚を釣るための5つの要素

それではサベージギアのルアーたちはどのようにして生まれたのか?

生みの親であり、サベージギアの代表を務めるMads Grosell(マッズ・グローゼル)氏が語ってくれた。

Mads Grosell(マッズ・グローゼル)

マッズ「ルーツは子供時代まで遡ります。淡水域でパイクを狙っていたのですが、釣っていく中でより本物に近いルアーの必要性に気が付かされました。ですが当時のルアーというのはまだまだリアルなものが全然なかったんです」

濁った水で釣りをしていたのであればその域にたどり着かなかったかもしれない。しかしマッズ氏はクリアウォーターで積み重ねた経験により、リアルさの追求こそがバイトへの近道であると気がついたのだった。

マッズ「大人になり、ルアーを作るようになりました。そして色々と試していく中、2007年に導入したのが3Dスキャンだったのです」

立体物を精密に、3次元的にスキャンすることのできる機械であり、それをもとに本物そっくりのルアーを作り出すことに成功したマッズさん。また、近年では3Dプリンターも使用しており、カラーリングも本物とうり二つを実現している。

しかしこれはあくまで理想とするルアーへの第一歩に過ぎなかった。

マッズ「ただ単に見た目がリアルなだけではダメなんです。他のリアルも必要で、それは例えば泳ぎです。本物の魚がまるで泳いでいるかのようなロールやウォブリングを出す必要がありました。その代表例として作り出したのが、テールの形状です」

スイムベイトのエンジン、心臓部とも言えるテール部分。金字塔的なテール形状としてハドルトラウトの「ハドルテール」が存在するが、あちらは特許取得済みの形状。安易によそのルアーを真似たくなかったマッズさんは新しい形状のテール『パルステール』を考案。2008年に特許取得にまでいたっている。

パルステール

マッズ「見た目と動きが揃いました。次に取り掛かったのは『音』。サベージのスイムベイトにはラトル入りのものも少なくありません」

スイムベイトにラトル。日本で使われているルアーではほぼお目にかかれない設計だが、単純に音がすればそれでいいということでもないらしい。

マッズ「この音という要素を理解するために水中に潜って観察もしましたし、専用の器械も開発しています。そこでたどりついたのが、『鳴らせる』ラトルです。スイムベイトを普通に巻いている際には音がしないようになっているんです。ですがジャークやトゥイッチなど、アクションを加えることで瞬間的に音を『鳴らす』ことができるんです。そうです。魚は逃げるときに音を発生させるんです」

まさしく本物の小魚を徹底的に研究しているからこそたどり着ける境地。しかしマッズさんのこだわりはとどまるところを知らない。

マッズ「ルアーが出す波動も大切です。特に意識しているのは、魚が捕食したくなる波動。これも研究と観察の結果、一定した波動が重要であることがわかったんです。わかりやすくいうと、スイムベイトのテールがストレートリトリーブの際に出すゆっくりかつ一定のリズムの波動ですね。逆にミノーをジャークさせるような断続的な波動は、リアクションバイトを誘発させやすい波動であることもわかっています」

そして5つ目の要素として、匂いにもこだわっている。生き餌にあって、疑似餌にない要素。サベージのルアーには、アミノ酸、脂肪、タンパク質を組み合わせた、捕食者の本能を刺激する匂い付きのスイムベイトもラインナップされているのだ。

こうしてマッズ氏の求める「リアル」が追求され、サベージギアの製品として展開されている。

単に本物らしい見た目のルアーがサベージのルアーではない。

見た目で騙し、動きで騙し、音で騙し、波動で騙し、匂いで騙す。それはルアーでありながら、限りなく生物に近い。もはや足りていないのは「魂」だけか。

マッズ「そして最近たどり着いたもうひとつのイノベーションがあります。それはルアーの大きさです」

最大19インチ(48センチ)にもなる4DラインスルーパイクSS

実際、開発中のものも含めると、サベージギアはかなり大型のルアーも手掛けている。

マッズ「大きいルアーのパワーというのは凄いんです。例えば何もない湖のど真ん中を、大きなスイムベイトを泳がせることでサーモクラインのある水深7mとかから魚を寄せてくることができる。小さいルアーじゃ仮に気づいてもらえたとしても食いに行く価値が薄いんでしょうね。大きいルアーだからこそ、よし行くかと、深い場所から浮かび上がらせることができるんです」

1000投に1~2回しかないチャンスを物にするために。

より価値の高い1匹につなげるために。

サベージギアの製品はこれからも進歩を遂げていく。

マッズ「日本は世界的に見てもルアー開発が盛んな国です。目の肥えた皆さんにもぜひ、サベージギアのルアーを使ってみてほしいですね」

小塚拓矢がサベージギアを通して見せたい世界

サベージギアが日本へとやってくるのと時を同じくして、タッグを組んだアングラーがいる。世界的な怪魚ハンターとして知られる小塚拓矢さんだ。

小塚拓矢(こずか・たくや)

小塚「もちろんサベージのことは元々知っていました。2015年位から使い始めてますよ。日本でも『ラインスルーパルステールトラウト』をアカメ狙いで使っていました。でも日本で手に入りづらいということもあって、その後はあまり手を出さなかったんです」

活動を表立って披露するプロアングラーとしては、誰でも簡単に手に入るルアーを使って釣りたいという思いがあったそうだ。

小塚「そんなサベージが日本にやってくるということで色々と縁がありまして一緒にやることになったんです。改めてサベージギアをみて、やっぱり『ヤベェ』メーカーだなって実感しました」

そんな小塚さんが今推しているのが、3Dプリンター技術があってこそ誕生したリアルな魚系”じゃない”ルアーたちなんだとか。

小塚「例えばアヒルの形をした『3Dスーサイドダック』」

小塚「足の部分が回転して、アヒルが水面をバシャバシャやって泳いでいる様子を再現している、みたいなルアーなんですが、これって要するにバズベイトなんですよ。水面をバシャバシャやりながら通り過ぎていく食べ頃の『何か』。バズベイトのルーツを、実感させてくれたんです」

小塚「3Dウェイクスネークもそう。単なる蛇の形をしたルアーなのではなく、『多関節』の魅力を改めて感じさせてくれました。形の奇抜さが際立ちますが、プリミティブな魅力があるんですよ」

もちろんルアー釣りをもっともっと楽しくしてくれる要素も持ち合わせているのもそれらのルアーの魅力と言える。

小塚「ネズミの形をした『3Dラッドラット』。コイツも人目でみてわかる『ヤバい』ルアーです。自分はこれを使って、ビッグベイトトラウトというのを推しています。ノーチューンのアンバサダー2500とかでも投げられるこのルアーを、渓流で投げるんです。使い方はドライフライのようなナチュラルドリフト。シンキングミノーで叩かれきったトラウトでも、コイツなら出てきてくれる。写真もめっちゃ映えばます。釣果は1/10かもしれませんが、イイネは10倍つくはずです(笑)」

美しい渓流という釣り場に我先にとあくせく入っていっくのは無粋なのだと小塚さん。このスタイルであれば、朝食を食べて一息ついてからのスタートでも十分に釣りになる。渓流時間をスローに楽しむ、SNS時代に合致した、新しいスタイルだ。

そしてもちろん、サベージギアを代表するリアルなルアーたちを使った釣りでも、新しい世界が開けそうなのだとか。

小塚「あのリアルさ、あの巨大さは、今まで餌でしか狙ってこなかったような魚が釣れるようになるかもしれません。一昔前までビッグベイトを使った巨大魚を釣る釣りって海外ぐらいのものでしたが、今ではシーバス狙いで皆さんやってますよね。その時のような衝撃がやってくるかもしれません」

それは例えばメータークラスのクエを狙う釣りなのだという。

小塚「水深30mエリアの水深10mという中層を泳がせて、そんな魚を狙うスタイルです。サベージのルアーならそれができる。ルアーフィッシングのターゲットはまだまだ増えていきます。皆さんも一緒に、サベージワールドを煽っていきましょう!」

これが世界に誇る怪魚ンターの見ている世界。

それは間違いなく「ヤバい」はずだ

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